先週末、一泊させてもらった友人宅のキッチンでの会話。
「ねえジャン、鉄製の鍋やフライパンがいっぱいやね」
「ああ、テフロンとかアルミは使いたくないからね」
うちも料理には、鉄製のフライパンかステンレス製の鍋を使うことにしているので、うんうん、と頷いていると、
「けどさあ、もうこれからは、新しいのは買えなくなった。だから、ガレージセールとかに行って見つけないと」
「え?なんで?」
「2週間前だったかに、低線量汚染された金属を、料理機具とかに混ぜてもいいってことになってしまったから」
「えぇぇ~!?」
低線量でもしきい値がなく危険。
これまでずっと、そう言い続けてきたくせに……。
いよいよゴミを処理しきれなくなって、混ぜ込むしかないということか……。
でも、こんなとんでもなく重要なこと(と考えない人もいるけれども)を、小さな子どもたちの親たちは、ちゃんと伝えられているのでしょうか?
ジャンは、どちらかというと、原発に対して、わたしのように危機感も嫌悪感も無く、もうできてしまっているのだからしょうがない、という人だけども、
双子ちゃんの父親として、彼らを守ろうという思いから、食べ物や環境については、とても細かに調べたり、対応を考えたりしています。
まったく、あの連中ときたら……。
その後の言葉は、彼の表情が物語っていました。
真綿で、じわじわと、首を締められているわたしたち。
その、一見やわらかで、ほんわかと温かな真綿の正体を、わたしたちは知らなければなりません。
知って、自分の指で、ベリベリと、自分の首から剥がさなければなりません。
↓ここに、とても古い記事ですが、混ぜ込むということについて書かれたものがありますので、もうご存知のことばかりかもしれませんが、転載させていただきます。
放射性物質をセメントにして使うのは危険だ!!
カテゴリ:瓦礫広域処理が絆だという嘘
東京都の震災がれき受け入れについて
ごみ・環境ビジョン21理事小平市議会議員橋本久雄
東京都23区と多摩地域の、がれき受け入れ状況
同じ東京都でも、23区と多摩地域では、ごみ処理施設の管理・運営方法が違います。
23区には21の焼却施設があり、「東京二十三区清掃一部事務組合」が一括管理していて、最終処分場は東京都が管理しています。
一方、多摩地域は、26市3町1村で17の焼却施設があります。
そのうち、6施設が、複数の自治体による一部事務組合です。
最終処分場は、25市1町が参加する「東京たま広域資源循環組合」が管理しています。
各施設は、それぞれの組織で運営されていますが、実態は、広域資源循環組合の意向に沿って、運営されています。
震災のがれきを、東京都は、2013年度までの3ヵ年で、50万tを受け入れる計画です。
すでに、2011年度中に、宮古市7122t、女川町1550tを受け入れ、宮古市のがれきは、民間業者で処理しました。
今年度は、女川町の災害がれきを23区と多摩地域が5万tずつ処理することになっています。
23区では日量150tを、一般廃棄物に10%混合して処理します。
周辺住民への説明会は、行われていません。
多摩地域では、7つの焼却施設で受け入れる予定です。
受け入れについては、住民の合意が必要であるとして、説明会が行われています。
最終処分場のある日の出町も、住民の合意があれば受け入れるとしています。
23区では、12年度は、4つの処理施設で順次交代しながら、全ての施設で焼却します。
受け入れ量は、4~6月で12000t。
その後は、3ヶ月単位で、受け入れ量を確定します。
多摩地域は、まだどのくらい受け入れるか確定していません。
すべての該当施設での住民説明会が終了次第、受け入れが始まりますが、秋以降になると思われます。
下の表は、直近の、飛灰の測定結果です。

原料は焼却灰~エコセメントは大丈夫か?
多摩地域で焼却されたがれきの焼却灰は、日の出町のエコセメント工場に運ばれ、エコセメントの原料になります。
昨年12月、エコセメント工場の下水道放流水から、680Bq/kgのセシウムが検出されました。
また、エコセメント自体の汚染も、懸念されます。
通常のポルトランドセメント等の灰含有率は3%ですが、エコセメントの灰含有率は55~60%にもなります。
セメントにセシウムは混合しないのか、調査が必要ですし、保管・管理できないエコセメント化は、問題です。
昨年、千葉県の市原エコセメント工場では、排水から1054Bq/1kgのセシウムが検出され、
高濃度の放射能汚染水が海に流れ出て、半年以上も操業が停止しています。
これは、排水の上限目安の、約15倍でした。
東京都の調査(2011年11月発表)では、農家の検査要望があった29区市町村、129検体のうち、
13検体において、放射性セシウムが、暫定許容値(400Bq/kg)を上回りました。
(☆は議員や市民が測定)
その結果や、前ページの表から見えてくることを、挙げてみました。

■ 23区では、数値に大きなばらつきがある。地域によって汚染状況に差がある。
■ 江戸川清掃工場は、非常に高い値を示している。
■ 多摩地域の測定値は、23区より低い。
■ 港清掃工場で、がれきを10%混合と、混合なしで数値が逆転している。理由はわからない。
■ 都は、Q&Aの中で、宮城県での災害廃棄物の焼却試験で、一般ごみの焼却で2200Bq/kg、がれき20%混合で2300Bq/kgなので、問題なしと述べている。
■ ストーカー炉の場合、33倍に濃縮される。焼却前は66.67Bq/kg及び69.70Bq/kgということに。
■ 一番高い新江東清掃工場の2166Bq/kg(10%混合)は、焼却前65.64Bq/kg。江戸川清掃工場は177.88Bq/kg。宮城県の値と変わらない。
■ 多摩地域の落ち葉は、高い値を示している。
以上のデータを見る限り、東京は、地域によっては、宮城県並の汚染状況と言えます。
東京に限れば、がれきを受け入れることで、汚染が拡大するとは言い切れません。
議員の意識、焼却処理への偏り
東京都は、市民への説明もなく、知事のトップダウンで、宮古市と女川町のがれき受け入れを決定しました。
受け入れは、議会の議決事項ではありません。
しかし、これほど重要なことに議会がかかわれないのは、おかしなことです。
また、議員の問題意識の低さにも驚きます。
昨年、東京多摩広域資源循環組合は、災害がれきの処理費用などに、補正予算9000万円を計上しました。
しかし、組合議会では、質疑ゼロでした。
町田市では、反対の請願が出され、審査が行われています。
災害がれきの広域処理について、意見書を出した議会は、23区ではゼロ。
多摩地域では、小平市、小金井市、三鷹市のみです。
がれきの中でも、木質チップなどは焼却せず、有効活用が可能です。
焼却によって、放射性物質だけでなく、ダイオキシンやアスベストなど、有害物質の放出が懸念されます。
焼却処理に偏りすぎています。
また、広域処理は、輸送費などのコストや処理に、間がかかりすぎます。
がれきは、被災地、および周辺自治体で処理する方が、地元経済や雇用の拡大になり、復興に役立ちます。
災害がれきを受け入れることで、どのような問題が起きるのか。
受け入れないとすれば、処理はどうするのか。
何が復興に役立つのか。
より正確な情報を基にした、議論が必要です。
http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun6/no90%20gareki%20tokyo.pdf
そしてこれが、一般社団法人セメント協会からのお知らせです。
放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土の、セメント原料の利用について
東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故により、東北地方、関東地方などの下水処理場の下水汚泥、
または、浄水場の発生土から、放射性セシウムが検出されていることが報道されております。
セメント業界は、循環型社会の構築に貢献すべく、種々の廃棄物をセメント原料の一部として利用しておりますが、
その中に、下水汚泥、または浄水発生土も、含まれております。
ここに、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、
セメント業界の対応状況、健康への影響評価に関する情報、セメントの放射能濃度の実態について、概要をお知らせ致します。
放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、皆様のご理解をお願い申し上げます。
■ 1.セメント各社の対応状況
上記の状況の中、政府(厚生労働省、経済産業省、国土交通省)から、6月28日付けで、セメント協会に対して、
放射性物質が含まれている脱水汚泥等を、安定的に受け入れるよう要請があり、会員各社に周知を行いました。
要請内容は以下のとおりです。
(1) セメントを、生コンクリートや地盤改良材として利用する場合には、
生コンクリートや、土壌と混練する段階まで管理されていることから、少なくともセメントが2倍以上に希釈されることを考慮し、
セメントの段階では、クリアランスレベルの2倍の濃度まで許容されることとなる。
ただし、セメントとして、袋詰めで一般に販売される場合には、販売店に引き渡される前に、セメントの段階で、クリアランスレベル以下とすることが必要である。
セメント各社は、脱水汚泥等の放射能濃度の管理や、希釈度合いをコントロールし、
セメントを利用して製造される生コンクリート等が、安定的にクリアランスレベル以下とすることにより、
今後とも、脱水汚泥等を安定的に受け入れるよう、お願いしたい。
(2) 別添2では、セメントのユーザー団体(124団体)、ならびに下水道管理者(都県ならびに市の24自治体)に、
上記(1)の内容を満たしているセメントを、利用して差し支えない旨の、周知が行われています。
なお、クリアランスレベルについては、「セシウム134とセシウム137の放射能濃度の和が100Bq/kgである」ことが、明記されています。
セメント協会の会員社では、この要請を受け、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土の使用について、慎重に検討し、
セメントの放射能濃度が、政府より示された要件を満足することを確認して、下水汚泥、浄水発生土の使用を順次、再開しております。
* セメント協会への要請文
■ 2. 健康への影響評価
国土交通省のホームページにおいて、
「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」という報道発表資料が公開されており、
この資料(PDFファイル)のP.5-P.6の、
「福島県内の下水処理により発生する脱水汚泥を再利用して生産されたセメントによる放射線の影響評価について」(原子力対策本部)で、放射線の影響評価が行われています。
放射能濃度が、1000Bq/kg(クリアランスレベルの10倍)のセメントを使用して製造された、コンクリートの床、壁、天井で囲まれた、居住空間における被ばく線量は、0.36mSv/年と評価され、
これは、平常時に、原子力施設が公衆に与える被ばく限度である、1mSv/年を下回るものであり、健康への影響が起こることは考えがたい、としています。
* 国土交通省のホームページ
「報道・広報」→「報道発表資料」→「平成23年5月」
<2011年5月12日>
「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」
http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000125.html
■ 3.セメントの放射能濃度の実態
セメントの放射能濃度に関する情報は、各セメント会社のホームページにおいて公開されていますので、ご参照下さい。
↑以上、転載おわり
健康への影響が起こることは考えがたい……。
いったいどうしたら、こんなふうに考えられるのか。
日本で販売されるセメントには、1kg当たり200ベクレルのセシウムが含まれる。
他の核種はどうなんでしょう?
汚泥には、セシウムだけしか混ざらないのでしょうか?
こんなふうに、ありとあらゆる物質に放射能は混ぜられて、それが空気や土やセメントや食べ物や水や、わたしたちの体内を、じわりじわりと冒していく。
それがもう、当たり前の社会になってしまっている。
こんなことで、こんなままでいいのですか?
「ねえジャン、鉄製の鍋やフライパンがいっぱいやね」
「ああ、テフロンとかアルミは使いたくないからね」
うちも料理には、鉄製のフライパンかステンレス製の鍋を使うことにしているので、うんうん、と頷いていると、
「けどさあ、もうこれからは、新しいのは買えなくなった。だから、ガレージセールとかに行って見つけないと」
「え?なんで?」
「2週間前だったかに、低線量汚染された金属を、料理機具とかに混ぜてもいいってことになってしまったから」
「えぇぇ~!?」
低線量でもしきい値がなく危険。
これまでずっと、そう言い続けてきたくせに……。
いよいよゴミを処理しきれなくなって、混ぜ込むしかないということか……。
でも、こんなとんでもなく重要なこと(と考えない人もいるけれども)を、小さな子どもたちの親たちは、ちゃんと伝えられているのでしょうか?
ジャンは、どちらかというと、原発に対して、わたしのように危機感も嫌悪感も無く、もうできてしまっているのだからしょうがない、という人だけども、
双子ちゃんの父親として、彼らを守ろうという思いから、食べ物や環境については、とても細かに調べたり、対応を考えたりしています。
まったく、あの連中ときたら……。
その後の言葉は、彼の表情が物語っていました。
真綿で、じわじわと、首を締められているわたしたち。
その、一見やわらかで、ほんわかと温かな真綿の正体を、わたしたちは知らなければなりません。
知って、自分の指で、ベリベリと、自分の首から剥がさなければなりません。
↓ここに、とても古い記事ですが、混ぜ込むということについて書かれたものがありますので、もうご存知のことばかりかもしれませんが、転載させていただきます。
放射性物質をセメントにして使うのは危険だ!!
カテゴリ:瓦礫広域処理が絆だという嘘
東京都の震災がれき受け入れについて
ごみ・環境ビジョン21理事小平市議会議員橋本久雄
東京都23区と多摩地域の、がれき受け入れ状況
同じ東京都でも、23区と多摩地域では、ごみ処理施設の管理・運営方法が違います。
23区には21の焼却施設があり、「東京二十三区清掃一部事務組合」が一括管理していて、最終処分場は東京都が管理しています。
一方、多摩地域は、26市3町1村で17の焼却施設があります。
そのうち、6施設が、複数の自治体による一部事務組合です。
最終処分場は、25市1町が参加する「東京たま広域資源循環組合」が管理しています。
各施設は、それぞれの組織で運営されていますが、実態は、広域資源循環組合の意向に沿って、運営されています。
震災のがれきを、東京都は、2013年度までの3ヵ年で、50万tを受け入れる計画です。
すでに、2011年度中に、宮古市7122t、女川町1550tを受け入れ、宮古市のがれきは、民間業者で処理しました。
今年度は、女川町の災害がれきを23区と多摩地域が5万tずつ処理することになっています。
23区では日量150tを、一般廃棄物に10%混合して処理します。
周辺住民への説明会は、行われていません。
多摩地域では、7つの焼却施設で受け入れる予定です。
受け入れについては、住民の合意が必要であるとして、説明会が行われています。
最終処分場のある日の出町も、住民の合意があれば受け入れるとしています。
23区では、12年度は、4つの処理施設で順次交代しながら、全ての施設で焼却します。
受け入れ量は、4~6月で12000t。
その後は、3ヶ月単位で、受け入れ量を確定します。
多摩地域は、まだどのくらい受け入れるか確定していません。
すべての該当施設での住民説明会が終了次第、受け入れが始まりますが、秋以降になると思われます。
下の表は、直近の、飛灰の測定結果です。

原料は焼却灰~エコセメントは大丈夫か?
多摩地域で焼却されたがれきの焼却灰は、日の出町のエコセメント工場に運ばれ、エコセメントの原料になります。
昨年12月、エコセメント工場の下水道放流水から、680Bq/kgのセシウムが検出されました。
また、エコセメント自体の汚染も、懸念されます。
通常のポルトランドセメント等の灰含有率は3%ですが、エコセメントの灰含有率は55~60%にもなります。
セメントにセシウムは混合しないのか、調査が必要ですし、保管・管理できないエコセメント化は、問題です。
昨年、千葉県の市原エコセメント工場では、排水から1054Bq/1kgのセシウムが検出され、
高濃度の放射能汚染水が海に流れ出て、半年以上も操業が停止しています。
これは、排水の上限目安の、約15倍でした。
東京都の調査(2011年11月発表)では、農家の検査要望があった29区市町村、129検体のうち、
13検体において、放射性セシウムが、暫定許容値(400Bq/kg)を上回りました。
(☆は議員や市民が測定)
その結果や、前ページの表から見えてくることを、挙げてみました。

■ 23区では、数値に大きなばらつきがある。地域によって汚染状況に差がある。
■ 江戸川清掃工場は、非常に高い値を示している。
■ 多摩地域の測定値は、23区より低い。
■ 港清掃工場で、がれきを10%混合と、混合なしで数値が逆転している。理由はわからない。
■ 都は、Q&Aの中で、宮城県での災害廃棄物の焼却試験で、一般ごみの焼却で2200Bq/kg、がれき20%混合で2300Bq/kgなので、問題なしと述べている。
■ ストーカー炉の場合、33倍に濃縮される。焼却前は66.67Bq/kg及び69.70Bq/kgということに。
■ 一番高い新江東清掃工場の2166Bq/kg(10%混合)は、焼却前65.64Bq/kg。江戸川清掃工場は177.88Bq/kg。宮城県の値と変わらない。
■ 多摩地域の落ち葉は、高い値を示している。
以上のデータを見る限り、東京は、地域によっては、宮城県並の汚染状況と言えます。
東京に限れば、がれきを受け入れることで、汚染が拡大するとは言い切れません。
議員の意識、焼却処理への偏り
東京都は、市民への説明もなく、知事のトップダウンで、宮古市と女川町のがれき受け入れを決定しました。
受け入れは、議会の議決事項ではありません。
しかし、これほど重要なことに議会がかかわれないのは、おかしなことです。
また、議員の問題意識の低さにも驚きます。
昨年、東京多摩広域資源循環組合は、災害がれきの処理費用などに、補正予算9000万円を計上しました。
しかし、組合議会では、質疑ゼロでした。
町田市では、反対の請願が出され、審査が行われています。
災害がれきの広域処理について、意見書を出した議会は、23区ではゼロ。
多摩地域では、小平市、小金井市、三鷹市のみです。
がれきの中でも、木質チップなどは焼却せず、有効活用が可能です。
焼却によって、放射性物質だけでなく、ダイオキシンやアスベストなど、有害物質の放出が懸念されます。
焼却処理に偏りすぎています。
また、広域処理は、輸送費などのコストや処理に、間がかかりすぎます。
がれきは、被災地、および周辺自治体で処理する方が、地元経済や雇用の拡大になり、復興に役立ちます。
災害がれきを受け入れることで、どのような問題が起きるのか。
受け入れないとすれば、処理はどうするのか。
何が復興に役立つのか。
より正確な情報を基にした、議論が必要です。
http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun6/no90%20gareki%20tokyo.pdf
そしてこれが、一般社団法人セメント協会からのお知らせです。
放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土の、セメント原料の利用について
東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故により、東北地方、関東地方などの下水処理場の下水汚泥、
または、浄水場の発生土から、放射性セシウムが検出されていることが報道されております。
セメント業界は、循環型社会の構築に貢献すべく、種々の廃棄物をセメント原料の一部として利用しておりますが、
その中に、下水汚泥、または浄水発生土も、含まれております。
ここに、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、
セメント業界の対応状況、健康への影響評価に関する情報、セメントの放射能濃度の実態について、概要をお知らせ致します。
放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、皆様のご理解をお願い申し上げます。
■ 1.セメント各社の対応状況
上記の状況の中、政府(厚生労働省、経済産業省、国土交通省)から、6月28日付けで、セメント協会に対して、
放射性物質が含まれている脱水汚泥等を、安定的に受け入れるよう要請があり、会員各社に周知を行いました。
要請内容は以下のとおりです。
(1) セメントを、生コンクリートや地盤改良材として利用する場合には、
生コンクリートや、土壌と混練する段階まで管理されていることから、少なくともセメントが2倍以上に希釈されることを考慮し、
セメントの段階では、クリアランスレベルの2倍の濃度まで許容されることとなる。
ただし、セメントとして、袋詰めで一般に販売される場合には、販売店に引き渡される前に、セメントの段階で、クリアランスレベル以下とすることが必要である。
セメント各社は、脱水汚泥等の放射能濃度の管理や、希釈度合いをコントロールし、
セメントを利用して製造される生コンクリート等が、安定的にクリアランスレベル以下とすることにより、
今後とも、脱水汚泥等を安定的に受け入れるよう、お願いしたい。
(2) 別添2では、セメントのユーザー団体(124団体)、ならびに下水道管理者(都県ならびに市の24自治体)に、
上記(1)の内容を満たしているセメントを、利用して差し支えない旨の、周知が行われています。
なお、クリアランスレベルについては、「セシウム134とセシウム137の放射能濃度の和が100Bq/kgである」ことが、明記されています。
セメント協会の会員社では、この要請を受け、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土の使用について、慎重に検討し、
セメントの放射能濃度が、政府より示された要件を満足することを確認して、下水汚泥、浄水発生土の使用を順次、再開しております。
* セメント協会への要請文
■ 2. 健康への影響評価
国土交通省のホームページにおいて、
「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」という報道発表資料が公開されており、
この資料(PDFファイル)のP.5-P.6の、
「福島県内の下水処理により発生する脱水汚泥を再利用して生産されたセメントによる放射線の影響評価について」(原子力対策本部)で、放射線の影響評価が行われています。
放射能濃度が、1000Bq/kg(クリアランスレベルの10倍)のセメントを使用して製造された、コンクリートの床、壁、天井で囲まれた、居住空間における被ばく線量は、0.36mSv/年と評価され、
これは、平常時に、原子力施設が公衆に与える被ばく限度である、1mSv/年を下回るものであり、健康への影響が起こることは考えがたい、としています。
* 国土交通省のホームページ
「報道・広報」→「報道発表資料」→「平成23年5月」
<2011年5月12日>
「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」
http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000125.html
■ 3.セメントの放射能濃度の実態
セメントの放射能濃度に関する情報は、各セメント会社のホームページにおいて公開されていますので、ご参照下さい。
↑以上、転載おわり
健康への影響が起こることは考えがたい……。
いったいどうしたら、こんなふうに考えられるのか。
日本で販売されるセメントには、1kg当たり200ベクレルのセシウムが含まれる。
他の核種はどうなんでしょう?
汚泥には、セシウムだけしか混ざらないのでしょうか?
こんなふうに、ありとあらゆる物質に放射能は混ぜられて、それが空気や土やセメントや食べ物や水や、わたしたちの体内を、じわりじわりと冒していく。
それがもう、当たり前の社会になってしまっている。
こんなことで、こんなままでいいのですか?