いつも、胸に染み込むような語り口調で、いろいろなことを教えてくださる川嶋先生。
今日本は、再生の、生みの苦しみの真っ只中にあり、その暗く長いトンネルのようなところから、見事おぎゃあと、今よりはずっとマシな未来を生み出せるのかどうかの瀬戸際にあると思いながら、
次から次へと流れてくるトンデモなニュースを読み、奇々怪々の、学校の教室だったら即、君の言いたいことはいったい何なんだねと、叱り飛ばされるような答弁を聞き、
いよいよ狂気が重篤化してきた政治家たちの、浅はかでみっともない姿を見せ続けられていると、
もうこんな者共の醜態を見せられるのはうんざりだと、ほとほと嫌気が差してきました。
わたしですらこれほどなのですから、現場で暮らしておられる方々の疲弊と憤りはいったいいかほどのものかと案じずにはおられません。
ようやくまた、現場がうねり出しました。
そのうねりのひとつに、若者が中心となったものがあります。
そのことについて、教鞭をとっておられる川嶋先生が、フェイスブックで現場の状況を伝えてくださいました。
ここに転載させていただきます。
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914862085239811
東大駒場キャンパスで昨夜(2015年7月10日)開かれた、「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」。
駒場東大前の駅の階段を降りると、そこには集会を知らせる立て看板といっしょに、東大の学生、院生、教職員、OB・OGから寄せられた会への賛同メッセージがびっしりと貼られた看板が何枚も並び、学生達が足をとめ読んでいる姿もみられた。
すこしドキドキしながら、ぼく自身のメッセージをその中に探す。
政治的な立て看板が駒場に出るのは、東大では近年なかったことだという。
集会は、300人の教室をびっしり埋め、立ち見も出るほどの盛況で、報道人も多く来ていた。
夕べは同じ時間帯に、国会前で、学生団体SEALDsによる金曜定例抗議行動も、かなりの人数を集めて行われており、
途中退席して国会前に移動する人も出る落ち着かない空気が漂う中だったが、空いた席には次々また人が埋まっていく。
学生と教員、職員が手をつなぎ、共同して戦争に反対する東大人初めての行動に、参加者たちの熱気と感動が伝わってきた。
学生たちからの発言、教員たち、職員たちからも、素晴らしい発言が相次いだが、プログラムに予告された三人の先生の発言を、ぼくのメモからほんの一部抜粋してお届けする。
佐藤学氏(元教育学部長、名誉教授、学習院大教授):
湾岸戦争以来、戦争で失われた子どもの死者数は200万超。
安倍首相は普通の国、つまり戦争できる国になると言うが、戦争の犠牲となるのはいつも子どもや若者たちだ。
東大からは、学徒出陣で3,304名が出征し、そのうちわかっているだけでも1,659人が命を落とした。
実際には7割くらいは亡くなっている、と言われている。
私は、皆がそのことを記憶に刻み続けるために、東大・安田講堂の前に、戦没学徒のための墓碑を作るべきだとずっと思ってきたが、私の東大在任期間にはついになしえなかった。
私たちの学問が、一体誰のためにあるのか。
それは決して国家のためではない。
次の世代の社会と人々を真に幸福にするためにこそ、学問をしているのだということを、私たちはつねに胸に刻んでいなければならないと思います。
今日はこれから、SEALDsの国会前集会でも挨拶を求められていますので、これで失礼させていただきます。
高橋哲哉氏(総合文化研究科教授):
私はこの駒場に勤めて30年になりますが、学生と教職員が手を携えてこういう集会をもつのは今回が初めてなんです。
それだけ安倍政権に対する大学人の危機感が大きいのだと思いますが、
こういう機会に、教員と学生がともに集い、我々の学問が、今の社会に果たすべき役割を考える意義は大きいと思っています。
ナチスが作った全権委任法の第2条には、
「ドイツ政府によって制定された法律は、憲法に違反することができる」と書いてあります。
これは、安倍晋三が今やっていることと同じだ、と言わねばなりません。
2004年に、安倍晋三が出した対談本『この国を守る決意』には、
「我々には新たな決意がある。日米同盟を双務性からなる血の同盟にしなくてはならない」と書いてある。
安保法制の議論では、自衛隊員のリスクは高まらないと説明しているが、
実際に彼らが目指しているのは、自衛隊員も血を流し、リスクを確実に上げることになる「血の同盟」なんです。
また同じ本では、
「靖国参拝を我々がしなければ、国のために血を流してくれる人が居なくなってしまう」とも言っている。
つまり靖国問題も、戦争法の問題との関わりのなかで見なければならない、ということなんです。
伊藤真氏(弁護士、伊藤塾塾長):
戦争は最大の人権侵害です。
ですから、人権擁護と社会正義の実現という使命を負ってる我々弁護士、法律家たちが、こぞって戦争法に反対するのはきわめて当然のことなんですね。
政府が持ち出している砂川判決が、集団的自衛権行使容認の根拠となり得るなんていうことは、法律を学んだことがある者であれば、誰も思っていない、法律家の常識です。
そんな常識もかえりみず、本来であれば知的エリートでなければならない為政者の皆さんが、
ここまで憲法を無視して、何度でも繰り返せば嘘も真実になるだろうと、同じ嘘を繰り返し、繰り返し言い続ける。
私たちの国はこんな国だったのかと、ほんとうに驚きます。
憲法というのは、一人一人が個人として尊重される、そのために最高法規として作られた憲法が、権力者をその暴走をふせぐために縛るという、
この立憲主義の考え方は、今から800年も前(1215年)の、マグナカルタ以来の考え方なんですね。
この800年の人類の叡智ともいえるのが、立憲主義の考え方なんです。
今政府がやろうとしていることは、日本の憲法に対する冒涜であるだけでなく、まさに人類の叡智に対する冒涜であり、
こんなことが許されることは、絶対あってはならないことなんです。
私たちの憲法は、その前文の第一文で、憲法制定の目的を2つ掲げています。
「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」、
すなわち、自由のありがたさが国のすみずみまで確実に行き渡って、国民の人権が保障されるために憲法を作ったんだというのが1つ目の目的。
もう1つの目的は、
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」、
つまり二度と政府に戦争をさせない、そのために私たち日本国民は憲法を作ったというんですね。
自由と人権、そして政府に戦争をさせないということ、この二つのことは密接不可分で、決して切り離すことは出来ません。
憲法9条「戦争の放棄」というのは、自由の下支えなんです。
私たちが自由にものを言い、生活できるためにも、政府に二度と戦争はさせてはならないんだということ。
そして、その二つの目的を実現する手段が、その次に続く「ここに主権が国民に存することを宣言し」というこの部分なんです。
私たち国民ひとりひとりが主体的に行動することで、この二つの目的を実現します、そのことを明確にするために憲法を作った。
安全保障や外交を考え、国民の生命や財産を守るのは、政治家の仕事です。
しかし彼らのその仕事は、主権者である私たち国民が与えた権限のなかで、この憲法の歯止めのなかで実現する。
それが立憲主義の考え方にほかなりません。
伊藤真先生は、話のなかでこんな提案もなさり、会場の笑いを誘っていた。
「私たちひとりひとり、どんなことでも、自分に出来ることから行動に移していくことが大切です。
たとえば、東急ハンズでボールペンを買おうと思ったら、お店に置かれている試し書きの紙に『集団的自衛権行使反対』とたくさん試し書きしてくるとか、そんなことでもいいんです」
これ、いいかも!
会場の参加者からもさまざまな発言があり、内気なぼくも、勇気を出して挙手したが、時間切れで打ち切られちょっと残念だった。
立て看板にも貼られていたぼくの賛同メッセージを、再録しておく。
「東大在学中、ドイツでの通訳アルバイト中に耳にした『そろそろどこかで戦争でもおきてくれれば』との安保法制懇委員の政財界人の発言を記録し、
昨年7月にフェイスブックに公表した私の日記が、今の状況に危機意識をもつ人々や、私の大学での教え子たちの手で拡散され、フェイスブック上だけでも5,000シェアを突破しました。
政府の進める安保法制は、国民の安全のためなどではなく、
軍需産業の利益と深く結びつく安倍政権が、ワイマール憲法を骨抜きにしたナチス・ヒトラー政権の手法に学んで企んだ『戦争法』であるとの本質を、指摘しないわけにはいきません。
今、学問の良心を結集し、立憲主義と真の平和のために立ち上がってくださる東大関係者のみなさまに感謝申し上げ、私もその片隅でともに声をあげさせていただきたいと思います」
会のホームページ( http://todaijinshukai.web.fc2.com/ )からは、寄せられた東大出身の学者、文化人をはじめ、多くの大学関係者たちからのメッセージが読めるようになっている。
京都大学でも、14日に、大学人集会が計画されていると聞く。
日本中の大学に、戦争を許さないこの大きな流れが広がっていくことを願わずにはいられない。(2015年7月11日)
_________
過去の投稿から
◆ 5,000人以上の人々にシェアされた記事
「戦争のしくみ~ぼくが出会った死の商人と集団的自衛権 」(2014年7月2日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashim…/…/719538388105516
▼上のリンクから飛べなかった方は(環境によりおかしな現象が生じているようです)こちら↓からお試しいただくか、直接ぼくのタイムラインを7月2日まで遡ってご覧くだされば読めるはずです。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=719538388105516&set=a.417886121604079.73054558.100001480848971&type=1
◆「背後には死の商人たちがいる」キリスト教会系の雑誌Ministry2015年冬号掲載(2014年7月2日・7日の投稿記事に加筆修正し、2015年1月現在の情勢を加えたもの)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/836703569722330:0
⚫️シリーズ/戦争とファシズムを考える絵本・文学
◆いわさきちひろ『戦火のなかの子どもたち』2014年12月21日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/805178449541509
◆竹内浩三『ぼくもいくさに征(ゆ)くのだけれど』2014年12月17日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/803650489694305
◆『戦争が廊下の奥に立ってゐる(白泉)』2015年7月9日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914165385309481
◆フランク・パヴロフ作『茶色の朝』2014年9月9日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/754207961305225
◆ハンス・ペーター・リヒター作『あの頃はフリードリヒがいた』2014年9月15日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/756331754426179
◆ドイツの牧師マルティン・ニーメラーの言葉 2014年10月7日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/766686516724036:0
●「安倍政権のすすめる戦争準備」2014年12月7日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/798366890222665:0
●731部隊シンポジウム「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」2015年4月16日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/870883329637687
●報道特集《戦後70年・歴史家ジョン・ダワーの警告》とNNNドキュメント《9条を抱きしめて~元海兵隊員が語る戦争と平和~》2015年5月4日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/880574768668543:0
●「電車のなかの無表情な人々、鳴り続けるアラーム、ある朝の事件」 2015年5月14日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/884519304940756:0
●広場があったらなあ 2015年6月15日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/901646429894710:0
●小澤征爾さん、瀬戸内寂聴さん達の覚悟 2015年6月22日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/905066169552736
●SEALDs 渋谷集会で人々を感動させた学生達の発言 2015年6月29日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/908774725848547
●月を見上げる人形とメーテルリンクの『青い鳥』~あれから1年(2015年7月1日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/910097159049637
●君、居眠りしてる場合ですか! 2015年7月6日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/911986865527333
今朝、卒業以来もう長いこと会っていなかった高校時代の友人から、「水曜日はデモに行きます」とメールが来た。
嬉しい。
昨日はぼくも、自分がSEALDsのお手伝いをして、リーフを配っている夢を見た。
女の人が「SEALDs、知ってます。ご苦労様!」と、にっこり笑ってそれを受け取ってくれた。
みんなが今、何とかして政府の暴走を押さえるために、自分に出来ることは何かを考え始めている。
安倍政権が、多くの人々が指摘する「違憲立法」である戦争法を、問答無用で強行採決する動きが強まるなかで、日本全体の空気が大きく変わってきたようだ。
このまま自民・公明の暴走を許せば、日本はほんとうに、憲法のないファシズムの世の中に逆戻りしてしまう。
「これは1215年のマグナカルタ以来、800年をかけ培われてきた、『立憲主義』という人類の叡智への冒涜だ」と、憲法学者は指摘する。
今日13日も、朝から国会前に行き、抗議の声をあげてくれている大勢の人たちがいる。
明日以降の、ぼくたちの行動予定をのせておく。
学生のみなさんは、期末テストで忙しい時期に入るが、時間を上手にやりくりし、一緒に国会前に行こう!
(2015年7月13日)
◆ 14日(火)18:30 戦争法案反対!日比谷集会(於:日比谷野外音楽堂)
◆ 15日(水)13:00 強行採決反対!国会正門前座り込み行動
◆ 15日(水)18:30 強行採決反対!国会正門前大集会
◆ 16日(木)18:30 強行採決反対!国会正門前大集会
以上行動の呼びかけは「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり実行委員会」http://sogakari.com /戦争法案に反対する東大有志の会
◆ 17日(金)18:30 SEALDs 毎週金曜定例の戦争法反対集会(於: 国会議事堂前北庭エリア)
毎週19:30開始だったが、今週は開始を18:30に早め、また15日、16日も同様に18:30から集合する由。
https://www.facebook.com/events/315488835241525/
http://www.sealds.com/
以下に、昨日7月12日の東京新聞朝刊の記事をコピーしておく。
◆ 1面トップ「#本当に止める」ツイッターに呼応/安保法案反対 地方へ ママへ
◆ 30面社会面「まじ おかしい」が原動力 SEALDs/安保法案反対 大きなうねり 15日に緊急デモ
___________
◆「#本当に止める」ツイッターに呼応/安保法案反対 地方へ ママへ
【東京新聞一面トップ】
国会前で毎週金曜夜、安全保障関連法案に反対する抗議行動を続ける大学生らのグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」への共感が広がっている。
「#本当に止める」を合言葉に、ツイッターなどで参加を呼びかけ、10日は過去最多の1万5千人以上(主催者発表)が集まった。
若者の等身大の訴えに触発された人たちも、地域や年代を超えて動き始めた。
(安藤恭子)
「人の痛みに無自覚で、思考停止する人間になりたくない。だから声を上げる」。
国会前の人波の中、女子大生の一人が宣言すると、歓声が上がった。
「PEACE NOT WAR」など、英語のプラカードを掲げ、「憲法守れ!」と速いコールで盛り上げる。
今年5月に発足した。
メンバーは関西の大学生らも含め約250人。
テレビや女性誌が特集を組んだ。
ユーチューブの動画再生は1万8千回を超える。
京都でも連携する学生のデモが起きている。
合言葉の「#」は「ハッシュタグ」と呼ばれ、ツイッターの投稿を検索しやすくするための記号。
今月、50人が集まったSEALDsの打ち合わせに、仙台から駆けつけた東北大2年の女性(19)がいた。
「一人一人が自分の意思で行動しているのが魅力的」と、地元でも8月にデモを起こそうと決めた。
「地方では、学生の政治活動に偏見も根強い」というが、3.11後の原発も復興も、東北で考えるべき問題だと思う。
「東京で頑張っている姿に勇気づけられる。住んでいる街から政治へ声を上げたい」
京大大学院生で三児の母の西郷南海子(みなこ)さん(27)は「安保関連法案に反対するママの会」をつくった。SEALDsの活動に、「無理とあきらめて、見ているだけはいや」と奮い立った。
「法案を心配するママも多いから」とフェイスブックを開設。
2千人超の母親らの賛同を集め、7月26日に「渋谷ジャック」を行う準備を始めた。
法案に反対する学者らとの連携も広がっている。
6月4日の衆院憲法審査会で「違憲」と発言した3人の憲法学者の一人、小林節・慶応大名誉教授は、
メンバーを激励しようと翌5日、雨の中デモに駆けつけた。
「正しいことをするなら表に出て行かないと。自分を含め、応援する大人はたくさんいる。貴重な動きだ」とエールを送る。
___________
◆「まじ おかしい」が原動力 SEALDs/安保法案反対 大きなうねり 15日に緊急デモ
【東京新聞・30面社会面】
安全保障関連法案に反対し、世代を超えて共感を集める大学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の前身の活動は、友人同士の10人ほどの呼び掛けから始まった。
中心メンバーの一人、明治学院大の奥田愛基(あき)さん(23)は、
「そのデモに1万5千もの人が来るようになった。憲法違反の法案、まじでおかしいってみんな怒っているんだと思う」と受け止める。
10日夜、国会正門前。
「民主主義が終わってるなら、始めるしかない。強行採決とかしたら許さない」
車道にあふれるほどの若者らの中、デモを引っ張る奥田さんがマイクで叫んだ。
普段の奥田さんは、ヒップホップ音楽と映画鑑賞、デザインが好きな青年だ。
ゼミでは政治学を学ぶ。
2013年に成立した特定秘密保護法への危機感をきっかけに、大学を超えた仲間と勉強会やデモを始めた。
安保法制に反対する金曜の抗議行動は6月からで、参加者は、回を重ねるごとに増えていった。
審議がヤマ場を迎える15日には、緊急デモの開催も決めた。
メンバーの多くは、十代後半から二十代前半の若者。
大学はばらばらで、学業やアルバイトの合間を縫って活動し、全員参加の無料通信アプリLINE(ライン)で連絡を取り合う。
個人の意見を大切にし、代表を置いていない。
「副司令官」と呼ばれる中心メンバーらが方針を考え、10以上の班と連携。
金曜日の抗議行動を担う「デモ班」や、カメラを回して配信する「映像班」がある。
フライヤー(英語でチラシの意味)などは、美大生も加わる「デザイン班」が作る。
「弁論部にいるけれど、語るだけじゃだめ。行動しなくちゃと思った」と話すのは、慶応大3年の男性。
法政大3年の女性も、
「原発に意識を持ったのがきっかけで、安保法案もやばいんじゃないのって」と加わった。
SEALDsのデモの特徴の一つが、抑揚をつけた速いコール。
「民主主義って、なんだ」「なんだ!」という特徴的な掛け合いは、ラッパーとしても活動する明治学院大の牛田悦正(よしまさ)さん(22)が、海外のデモを参考に考えた。
牛田さんは、自民党の改憲草案を読んだ3年前、「国民を縛る内容」と違和感を持った。
叫び続けるのは「むかついているから」だ。
「勝手に決めるな!」
「国民なめんな」
短く刻んだ言葉に、集まった人たちの思いを乗せている。
____________
過去の投稿から
●美しい一編の詩のような「自由と平和のための京大有志の会」声明書(2015年7月11日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/915008265225193
【声明書】
戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。
「自由と平和のための京大有志の会」
http://www.kyotounivfreedom.com/manifesto/
●戦争法に反対する東大の大学人集会リポート(2015年7月11日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914862085239811
今日本は、再生の、生みの苦しみの真っ只中にあり、その暗く長いトンネルのようなところから、見事おぎゃあと、今よりはずっとマシな未来を生み出せるのかどうかの瀬戸際にあると思いながら、
次から次へと流れてくるトンデモなニュースを読み、奇々怪々の、学校の教室だったら即、君の言いたいことはいったい何なんだねと、叱り飛ばされるような答弁を聞き、
いよいよ狂気が重篤化してきた政治家たちの、浅はかでみっともない姿を見せ続けられていると、
もうこんな者共の醜態を見せられるのはうんざりだと、ほとほと嫌気が差してきました。
わたしですらこれほどなのですから、現場で暮らしておられる方々の疲弊と憤りはいったいいかほどのものかと案じずにはおられません。
ようやくまた、現場がうねり出しました。
そのうねりのひとつに、若者が中心となったものがあります。
そのことについて、教鞭をとっておられる川嶋先生が、フェイスブックで現場の状況を伝えてくださいました。
ここに転載させていただきます。
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914862085239811
東大駒場キャンパスで昨夜(2015年7月10日)開かれた、「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」。
駒場東大前の駅の階段を降りると、そこには集会を知らせる立て看板といっしょに、東大の学生、院生、教職員、OB・OGから寄せられた会への賛同メッセージがびっしりと貼られた看板が何枚も並び、学生達が足をとめ読んでいる姿もみられた。
すこしドキドキしながら、ぼく自身のメッセージをその中に探す。
政治的な立て看板が駒場に出るのは、東大では近年なかったことだという。
集会は、300人の教室をびっしり埋め、立ち見も出るほどの盛況で、報道人も多く来ていた。
夕べは同じ時間帯に、国会前で、学生団体SEALDsによる金曜定例抗議行動も、かなりの人数を集めて行われており、
途中退席して国会前に移動する人も出る落ち着かない空気が漂う中だったが、空いた席には次々また人が埋まっていく。
学生と教員、職員が手をつなぎ、共同して戦争に反対する東大人初めての行動に、参加者たちの熱気と感動が伝わってきた。
学生たちからの発言、教員たち、職員たちからも、素晴らしい発言が相次いだが、プログラムに予告された三人の先生の発言を、ぼくのメモからほんの一部抜粋してお届けする。
佐藤学氏(元教育学部長、名誉教授、学習院大教授):
湾岸戦争以来、戦争で失われた子どもの死者数は200万超。
安倍首相は普通の国、つまり戦争できる国になると言うが、戦争の犠牲となるのはいつも子どもや若者たちだ。
東大からは、学徒出陣で3,304名が出征し、そのうちわかっているだけでも1,659人が命を落とした。
実際には7割くらいは亡くなっている、と言われている。
私は、皆がそのことを記憶に刻み続けるために、東大・安田講堂の前に、戦没学徒のための墓碑を作るべきだとずっと思ってきたが、私の東大在任期間にはついになしえなかった。
私たちの学問が、一体誰のためにあるのか。
それは決して国家のためではない。
次の世代の社会と人々を真に幸福にするためにこそ、学問をしているのだということを、私たちはつねに胸に刻んでいなければならないと思います。
今日はこれから、SEALDsの国会前集会でも挨拶を求められていますので、これで失礼させていただきます。
高橋哲哉氏(総合文化研究科教授):
私はこの駒場に勤めて30年になりますが、学生と教職員が手を携えてこういう集会をもつのは今回が初めてなんです。
それだけ安倍政権に対する大学人の危機感が大きいのだと思いますが、
こういう機会に、教員と学生がともに集い、我々の学問が、今の社会に果たすべき役割を考える意義は大きいと思っています。
ナチスが作った全権委任法の第2条には、
「ドイツ政府によって制定された法律は、憲法に違反することができる」と書いてあります。
これは、安倍晋三が今やっていることと同じだ、と言わねばなりません。
2004年に、安倍晋三が出した対談本『この国を守る決意』には、
「我々には新たな決意がある。日米同盟を双務性からなる血の同盟にしなくてはならない」と書いてある。
安保法制の議論では、自衛隊員のリスクは高まらないと説明しているが、
実際に彼らが目指しているのは、自衛隊員も血を流し、リスクを確実に上げることになる「血の同盟」なんです。
また同じ本では、
「靖国参拝を我々がしなければ、国のために血を流してくれる人が居なくなってしまう」とも言っている。
つまり靖国問題も、戦争法の問題との関わりのなかで見なければならない、ということなんです。
伊藤真氏(弁護士、伊藤塾塾長):
戦争は最大の人権侵害です。
ですから、人権擁護と社会正義の実現という使命を負ってる我々弁護士、法律家たちが、こぞって戦争法に反対するのはきわめて当然のことなんですね。
政府が持ち出している砂川判決が、集団的自衛権行使容認の根拠となり得るなんていうことは、法律を学んだことがある者であれば、誰も思っていない、法律家の常識です。
そんな常識もかえりみず、本来であれば知的エリートでなければならない為政者の皆さんが、
ここまで憲法を無視して、何度でも繰り返せば嘘も真実になるだろうと、同じ嘘を繰り返し、繰り返し言い続ける。
私たちの国はこんな国だったのかと、ほんとうに驚きます。
憲法というのは、一人一人が個人として尊重される、そのために最高法規として作られた憲法が、権力者をその暴走をふせぐために縛るという、
この立憲主義の考え方は、今から800年も前(1215年)の、マグナカルタ以来の考え方なんですね。
この800年の人類の叡智ともいえるのが、立憲主義の考え方なんです。
今政府がやろうとしていることは、日本の憲法に対する冒涜であるだけでなく、まさに人類の叡智に対する冒涜であり、
こんなことが許されることは、絶対あってはならないことなんです。
私たちの憲法は、その前文の第一文で、憲法制定の目的を2つ掲げています。
「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」、
すなわち、自由のありがたさが国のすみずみまで確実に行き渡って、国民の人権が保障されるために憲法を作ったんだというのが1つ目の目的。
もう1つの目的は、
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」、
つまり二度と政府に戦争をさせない、そのために私たち日本国民は憲法を作ったというんですね。
自由と人権、そして政府に戦争をさせないということ、この二つのことは密接不可分で、決して切り離すことは出来ません。
憲法9条「戦争の放棄」というのは、自由の下支えなんです。
私たちが自由にものを言い、生活できるためにも、政府に二度と戦争はさせてはならないんだということ。
そして、その二つの目的を実現する手段が、その次に続く「ここに主権が国民に存することを宣言し」というこの部分なんです。
私たち国民ひとりひとりが主体的に行動することで、この二つの目的を実現します、そのことを明確にするために憲法を作った。
安全保障や外交を考え、国民の生命や財産を守るのは、政治家の仕事です。
しかし彼らのその仕事は、主権者である私たち国民が与えた権限のなかで、この憲法の歯止めのなかで実現する。
それが立憲主義の考え方にほかなりません。
伊藤真先生は、話のなかでこんな提案もなさり、会場の笑いを誘っていた。
「私たちひとりひとり、どんなことでも、自分に出来ることから行動に移していくことが大切です。
たとえば、東急ハンズでボールペンを買おうと思ったら、お店に置かれている試し書きの紙に『集団的自衛権行使反対』とたくさん試し書きしてくるとか、そんなことでもいいんです」
これ、いいかも!
会場の参加者からもさまざまな発言があり、内気なぼくも、勇気を出して挙手したが、時間切れで打ち切られちょっと残念だった。
立て看板にも貼られていたぼくの賛同メッセージを、再録しておく。
「東大在学中、ドイツでの通訳アルバイト中に耳にした『そろそろどこかで戦争でもおきてくれれば』との安保法制懇委員の政財界人の発言を記録し、
昨年7月にフェイスブックに公表した私の日記が、今の状況に危機意識をもつ人々や、私の大学での教え子たちの手で拡散され、フェイスブック上だけでも5,000シェアを突破しました。
政府の進める安保法制は、国民の安全のためなどではなく、
軍需産業の利益と深く結びつく安倍政権が、ワイマール憲法を骨抜きにしたナチス・ヒトラー政権の手法に学んで企んだ『戦争法』であるとの本質を、指摘しないわけにはいきません。
今、学問の良心を結集し、立憲主義と真の平和のために立ち上がってくださる東大関係者のみなさまに感謝申し上げ、私もその片隅でともに声をあげさせていただきたいと思います」
会のホームページ( http://todaijinshukai.web.fc2.com/ )からは、寄せられた東大出身の学者、文化人をはじめ、多くの大学関係者たちからのメッセージが読めるようになっている。
京都大学でも、14日に、大学人集会が計画されていると聞く。
日本中の大学に、戦争を許さないこの大きな流れが広がっていくことを願わずにはいられない。(2015年7月11日)
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過去の投稿から
◆ 5,000人以上の人々にシェアされた記事
「戦争のしくみ~ぼくが出会った死の商人と集団的自衛権 」(2014年7月2日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashim…/…/719538388105516
▼上のリンクから飛べなかった方は(環境によりおかしな現象が生じているようです)こちら↓からお試しいただくか、直接ぼくのタイムラインを7月2日まで遡ってご覧くだされば読めるはずです。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=719538388105516&set=a.417886121604079.73054558.100001480848971&type=1
◆「背後には死の商人たちがいる」キリスト教会系の雑誌Ministry2015年冬号掲載(2014年7月2日・7日の投稿記事に加筆修正し、2015年1月現在の情勢を加えたもの)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/836703569722330:0
⚫️シリーズ/戦争とファシズムを考える絵本・文学
◆いわさきちひろ『戦火のなかの子どもたち』2014年12月21日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/805178449541509
◆竹内浩三『ぼくもいくさに征(ゆ)くのだけれど』2014年12月17日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/803650489694305
◆『戦争が廊下の奥に立ってゐる(白泉)』2015年7月9日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914165385309481
◆フランク・パヴロフ作『茶色の朝』2014年9月9日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/754207961305225
◆ハンス・ペーター・リヒター作『あの頃はフリードリヒがいた』2014年9月15日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/756331754426179
◆ドイツの牧師マルティン・ニーメラーの言葉 2014年10月7日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/766686516724036:0
●「安倍政権のすすめる戦争準備」2014年12月7日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/798366890222665:0
●731部隊シンポジウム「歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題」2015年4月16日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/870883329637687
●報道特集《戦後70年・歴史家ジョン・ダワーの警告》とNNNドキュメント《9条を抱きしめて~元海兵隊員が語る戦争と平和~》2015年5月4日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/880574768668543:0
●「電車のなかの無表情な人々、鳴り続けるアラーム、ある朝の事件」 2015年5月14日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/884519304940756:0
●広場があったらなあ 2015年6月15日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/901646429894710:0
●小澤征爾さん、瀬戸内寂聴さん達の覚悟 2015年6月22日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/905066169552736
●SEALDs 渋谷集会で人々を感動させた学生達の発言 2015年6月29日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/908774725848547
●月を見上げる人形とメーテルリンクの『青い鳥』~あれから1年(2015年7月1日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/910097159049637
●君、居眠りしてる場合ですか! 2015年7月6日投稿
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/911986865527333
今朝、卒業以来もう長いこと会っていなかった高校時代の友人から、「水曜日はデモに行きます」とメールが来た。
嬉しい。
昨日はぼくも、自分がSEALDsのお手伝いをして、リーフを配っている夢を見た。
女の人が「SEALDs、知ってます。ご苦労様!」と、にっこり笑ってそれを受け取ってくれた。
みんなが今、何とかして政府の暴走を押さえるために、自分に出来ることは何かを考え始めている。
安倍政権が、多くの人々が指摘する「違憲立法」である戦争法を、問答無用で強行採決する動きが強まるなかで、日本全体の空気が大きく変わってきたようだ。
このまま自民・公明の暴走を許せば、日本はほんとうに、憲法のないファシズムの世の中に逆戻りしてしまう。
「これは1215年のマグナカルタ以来、800年をかけ培われてきた、『立憲主義』という人類の叡智への冒涜だ」と、憲法学者は指摘する。
今日13日も、朝から国会前に行き、抗議の声をあげてくれている大勢の人たちがいる。
明日以降の、ぼくたちの行動予定をのせておく。
学生のみなさんは、期末テストで忙しい時期に入るが、時間を上手にやりくりし、一緒に国会前に行こう!
(2015年7月13日)
◆ 14日(火)18:30 戦争法案反対!日比谷集会(於:日比谷野外音楽堂)
◆ 15日(水)13:00 強行採決反対!国会正門前座り込み行動
◆ 15日(水)18:30 強行採決反対!国会正門前大集会
◆ 16日(木)18:30 強行採決反対!国会正門前大集会
以上行動の呼びかけは「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり実行委員会」http://sogakari.com /戦争法案に反対する東大有志の会
◆ 17日(金)18:30 SEALDs 毎週金曜定例の戦争法反対集会(於: 国会議事堂前北庭エリア)
毎週19:30開始だったが、今週は開始を18:30に早め、また15日、16日も同様に18:30から集合する由。
https://www.facebook.com/events/315488835241525/
http://www.sealds.com/
以下に、昨日7月12日の東京新聞朝刊の記事をコピーしておく。
◆ 1面トップ「#本当に止める」ツイッターに呼応/安保法案反対 地方へ ママへ
◆ 30面社会面「まじ おかしい」が原動力 SEALDs/安保法案反対 大きなうねり 15日に緊急デモ
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◆「#本当に止める」ツイッターに呼応/安保法案反対 地方へ ママへ
【東京新聞一面トップ】
国会前で毎週金曜夜、安全保障関連法案に反対する抗議行動を続ける大学生らのグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」への共感が広がっている。
「#本当に止める」を合言葉に、ツイッターなどで参加を呼びかけ、10日は過去最多の1万5千人以上(主催者発表)が集まった。
若者の等身大の訴えに触発された人たちも、地域や年代を超えて動き始めた。
(安藤恭子)
「人の痛みに無自覚で、思考停止する人間になりたくない。だから声を上げる」。
国会前の人波の中、女子大生の一人が宣言すると、歓声が上がった。
「PEACE NOT WAR」など、英語のプラカードを掲げ、「憲法守れ!」と速いコールで盛り上げる。
今年5月に発足した。
メンバーは関西の大学生らも含め約250人。
テレビや女性誌が特集を組んだ。
ユーチューブの動画再生は1万8千回を超える。
京都でも連携する学生のデモが起きている。
合言葉の「#」は「ハッシュタグ」と呼ばれ、ツイッターの投稿を検索しやすくするための記号。
今月、50人が集まったSEALDsの打ち合わせに、仙台から駆けつけた東北大2年の女性(19)がいた。
「一人一人が自分の意思で行動しているのが魅力的」と、地元でも8月にデモを起こそうと決めた。
「地方では、学生の政治活動に偏見も根強い」というが、3.11後の原発も復興も、東北で考えるべき問題だと思う。
「東京で頑張っている姿に勇気づけられる。住んでいる街から政治へ声を上げたい」
京大大学院生で三児の母の西郷南海子(みなこ)さん(27)は「安保関連法案に反対するママの会」をつくった。SEALDsの活動に、「無理とあきらめて、見ているだけはいや」と奮い立った。
「法案を心配するママも多いから」とフェイスブックを開設。
2千人超の母親らの賛同を集め、7月26日に「渋谷ジャック」を行う準備を始めた。
法案に反対する学者らとの連携も広がっている。
6月4日の衆院憲法審査会で「違憲」と発言した3人の憲法学者の一人、小林節・慶応大名誉教授は、
メンバーを激励しようと翌5日、雨の中デモに駆けつけた。
「正しいことをするなら表に出て行かないと。自分を含め、応援する大人はたくさんいる。貴重な動きだ」とエールを送る。
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◆「まじ おかしい」が原動力 SEALDs/安保法案反対 大きなうねり 15日に緊急デモ
【東京新聞・30面社会面】
安全保障関連法案に反対し、世代を超えて共感を集める大学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の前身の活動は、友人同士の10人ほどの呼び掛けから始まった。
中心メンバーの一人、明治学院大の奥田愛基(あき)さん(23)は、
「そのデモに1万5千もの人が来るようになった。憲法違反の法案、まじでおかしいってみんな怒っているんだと思う」と受け止める。
10日夜、国会正門前。
「民主主義が終わってるなら、始めるしかない。強行採決とかしたら許さない」
車道にあふれるほどの若者らの中、デモを引っ張る奥田さんがマイクで叫んだ。
普段の奥田さんは、ヒップホップ音楽と映画鑑賞、デザインが好きな青年だ。
ゼミでは政治学を学ぶ。
2013年に成立した特定秘密保護法への危機感をきっかけに、大学を超えた仲間と勉強会やデモを始めた。
安保法制に反対する金曜の抗議行動は6月からで、参加者は、回を重ねるごとに増えていった。
審議がヤマ場を迎える15日には、緊急デモの開催も決めた。
メンバーの多くは、十代後半から二十代前半の若者。
大学はばらばらで、学業やアルバイトの合間を縫って活動し、全員参加の無料通信アプリLINE(ライン)で連絡を取り合う。
個人の意見を大切にし、代表を置いていない。
「副司令官」と呼ばれる中心メンバーらが方針を考え、10以上の班と連携。
金曜日の抗議行動を担う「デモ班」や、カメラを回して配信する「映像班」がある。
フライヤー(英語でチラシの意味)などは、美大生も加わる「デザイン班」が作る。
「弁論部にいるけれど、語るだけじゃだめ。行動しなくちゃと思った」と話すのは、慶応大3年の男性。
法政大3年の女性も、
「原発に意識を持ったのがきっかけで、安保法案もやばいんじゃないのって」と加わった。
SEALDsのデモの特徴の一つが、抑揚をつけた速いコール。
「民主主義って、なんだ」「なんだ!」という特徴的な掛け合いは、ラッパーとしても活動する明治学院大の牛田悦正(よしまさ)さん(22)が、海外のデモを参考に考えた。
牛田さんは、自民党の改憲草案を読んだ3年前、「国民を縛る内容」と違和感を持った。
叫び続けるのは「むかついているから」だ。
「勝手に決めるな!」
「国民なめんな」
短く刻んだ言葉に、集まった人たちの思いを乗せている。
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過去の投稿から
●美しい一編の詩のような「自由と平和のための京大有志の会」声明書(2015年7月11日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/915008265225193
【声明書】
戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。
「自由と平和のための京大有志の会」
http://www.kyotounivfreedom.com/manifesto/
●戦争法に反対する東大の大学人集会リポート(2015年7月11日投稿)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/914862085239811