ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『なんでここまで高いねん!』事情

2017年04月27日 | 米国○○事情
初めての根幹治療なるものを、60歳にして受けることになり、オロオロしながらあれこれ調べたり、人に聞いたりしてたけど、
いざ受けてみたら、なんのこっちゃない、麻酔の注射さえ全く何も痛まなかったという、なんだか狐に騙されたような治療が終わってちょうど1週間。



ビビリのわたしにとっては、まことにありがたい治療だったのだけど、一本1550ドル(まけてもらったから1400ドル)の代金はかなり痛い…。
おまけに、根幹治療をするのは専門医で、後のクラウンは別の歯科医にしてもらうことになるので、そこでさらに1100ドル。
合計2500ドル?!
いやもう、痛いのなんのって。
月々に10万円ほどの保険代を支払っているのに、ほんとに腹が立つ。
どうしてアメリカの健康保険には、歯と目の治療費をカバーしない、なんてことになっているんだろう…。
一体誰が、どういう理由で、そんなことを決めたんだろう…。
んでもって、どうしてみんな、仕方がないって思ってるんだろう…。



というわけで、さすがにわたしも、日本に帰省した際に、住民票を戻し、国民健康保険に加入して、できる限りの歯の治療をしようかな、と思い始めた。
これまでに、もう何人もの日本人の友だちから、この話を聞いてはいたのだが、1年ごとに帰省するようになったのはここ最近のことだし、帰省しても10日から2週間ぐらいしか滞在していなかったので、
歯や目の治療をきちんと受けるには、多分日数が足りないし、やっぱり無理だなとあきらめていた。

でももう、あきらめている場合ではない。
次はおいらだ!とばかりに、虫歯が続出しそうな気配ムンムンなのだ。
しかも、考えたくないけど、そいつらはかなり深い…。
もし今度痛み出したら、結構シリアスな治療になりますよと、これまでに治療してくれた歯科医から、たっぷり脅されてるのだから。



というわけで、ちょいと調べてみた。
普段は国外に暮らしているくせに、ちょっと帰ってきたからって、国保をゲットして治療?それズルくない?
などという感じもしなくはない。



「生活本拠(拠点)がある」場合は、住民票を戻せる。
「生活拠点がある状態」というのは、目安として、日本に1年以上住む場合を言う。
けれども、
「生活拠点」については、民法上で定義されているわけではなく、あくまで一つの判断材料でしかない。
なので、
例え「短期の一時帰国」であったとしても、実家に洋服や生活用品などを置いている、といった客観的事実があり、
『ここが私の生活拠点だ』と主張すれば、それは認められる。
さらには、
国保の支払いも、もしその月の1日から加入して、その月の終わりより早く転出した場合は、保険料はゼロ円?!
えぇ〜!?

例えば、今年の7月下旬に帰省しようと思っているわたしの場合、8月中旬まで滞在するので、7月には10日しかいないけど、8月にまたがるので、1ヶ月分の支払いになる、のかな?
【7月1日に転入した場合の、保険料の例】
7月30日に転出:0円
7月31日に転出:7月分のみ請求
8月15日に転出:7月分のみ請求
8月31日に転出:7月、8月分の請求



今回の巨額(我が家にとっては大げさな言い方ではない)の治療費を見て、さすがに夫も本腰を入れて、歯の保険を調べてくれた。
けれども、とにかくややっこしい上に、入ったところでさほど助けにならない予感がヒリヒリとするようなものばかり。
そこで、我らの新しい歯科医、ハギギ先生のところに相談に行った。
ハギギ先生はわたしのことを、初対面の日から「My love」と呼ぶ。
まさか夫の前で、そんな呼び方はしないだろうなと思ってはいたが、ツルッと口を滑らせたらどうしようとなどと、しょうもないことを心配しながら、二人の意見のやりとりを聞いていた。
聞いているだけでクラクラしてきた。
マジで保険加入はあきらめたまえ、と言わんばかりのややこしさである。
とりあえず、来月3日のクラウン治療の際に、左側の詳しいレントゲンを撮り、どんな治療が必要かをきちんと把握してから、それに一番合う保険を選ぶ、ということになった。
別れ際に、夫が、「実は彼女はこの夏に、日本に帰省するのだが、そのクラウン治療をここではなく、日本で受けるということは可能だろうか」と言い出した。
え、そんなこと言ってもいいのかな?と、ちょっとヒヤッとしたのだけれど、
「もちろん。もしそうしたいなら、その時まで用のクラウンもどきを被せておくこともできるよ」とハギギ先生。
「どういうふうにもアレンジできるから、自分たちで話し合って、一番いい方法を決めたらいいよ」
「ここの患者さんで、日本や韓国から移住している人たちは、帰省した時に向こうで治療を受けている人がいるからよくわかる」
などなど、30分も時間をとって、わたしの歯を診てくれたり相談に乗ってくれたりしたのに、「そんなの払わなくていいよ」と言ってくれた親切なハギギ先生に大感謝!


明日から、またググッと暖かくなるらしい、というか、暑くなるらしい。
今は日本ハナミズキと八重桜が、どこでも満開で、いろんな標識が隠れてしまっている。


うちのぼたんちゃんも満開!


春の野原、いや、うちの放ったらかしの庭。
コメント
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