ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

2009年09月08日 | 家族とわたし
大きなお風呂に入っていた。
どこかの温泉みたいだったけど、でもやっぱりそうじゃない気がする。
だって、もうそろそろお湯から上がろうという時になって、湯の表面にぷかぷか浮かんでいるゴミみたいな物を手ですくってきれいにしようと躍起になっていたから。
そのゴミがまた、どうしてだか父の写真だとか、すごく変なのでは、軍隊の勲章みたいなのとかで、濡れてしまったな~とか思ってて、
それがなんだかとても悲しくて、そのうちにどんどんもっと悲しくなって、お湯の中なのに体がお腹の内側から固まってきて、
フウッと気がつくと目が覚めていて、マットレスの上で乾いたミイラみたいに節々を固くして眠っていた自分に気づいた。

ふうっと息を吐いて体の緊張をほぐしたら、ああ、今日は父の誕生日だと思った。

お風呂に入ると必ず、「こっこは~おっ国ぃを何百里ぃ~、離れて遠~き満州の~」などと軍歌を次々に歌い、タオル風船で遊んでくれた。
兵隊になったわけでもないのに、歌好きの父はよく軍歌を歌っていた。

きっと、明日は父の誕生日だなあと思いながら眠ったわたしに、夢の中で逢いに来てくれたんだろう。
夢の中で父と逢えたような逢えなかったような……父は笑っていたかしらん。
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父の二度目の誕生日

2009年09月08日 | 家族とわたし
ブログを始めてから二度目の父の誕生日。去年の記事を読んでみた。
77才を78才に変えて、同じものをここに載せようと思う。
亡くなった父には、新しい話題を作ることができない。
でもいつか、娘のわたしの手で、彼の人生を書いてみたいと思っている。
彼の、ハチャメチャで行き当たりばったりの、それでいて周りの人達に愛された生きっぷりを書けるだけの甲斐性ができたらの話だけど。



生きていれば78才。もう丸9年、わたし達のアメリカ人生と同じ年数が経っていく。

父は好き勝手に生きているように見えて、実は気が弱くて優しい男だった。
人のことが気になって仕方がないのに、すぐに面倒くさくなって、結局は我がままのし放題。
人も自分も傷つけたくないばかりに、加えて頭の回転が早かったので、小さなことでも簡単にウソをつく癖が治らなかった。
けれどもそれなりにチャーミングだったのだろう、
結婚を5回、亡くなる2週間前に発覚した、わたしの母の前の非公式の国際結婚を入れると実に6回、
そこにつなぎのガールフレンドを混ぜると……途切れなかったなあ、あっちの方は。

彼の娘であったが故に、いろんなことを体験させられたのだけど、それでもなぜだか憎めない不思議な人。
わたしの方もやっとこさ生活がまともになり、ちょっとランチデートでもしようかと誘ったら、そりゃもう嬉しそうな顔してやってきた。
大阪と大津の中を取って、新しくなった京都駅で待ち合わせたのだけど、
6人目の奥さんのお尻にしっかり敷かれていたので、デートは極秘、計画するのはなかなか難しかった。
3回目のデートの直前、奥さんから電話がかかってきた。
「あなたのおとうさん、昨日、救急車で病院に運ばれたよ」

スキルス性胃癌、ステージ4、余命2ヶ月。
旦那の生徒に、大阪の成人病センターの外科部長がいて、本人への告知を条件に転院が許された。
告知なんかしたら、それだけでもう死んでしまう。それが家族の心配だったけれど、時間が無かった。
たまたま、カメラ検査で大腸癌の可能性大ありと宣告されていたわたしが、その告知の役を引き受けた。
愛娘が癌?!それがいい?クッションになって、自分の癌をスルッと受け入れてくれた。
癌との闘いが始まった日から終わりの日まで、わたし達は泣いたり笑ったり、くやしがったり喜んだり、苦しんだり安心したり、
ありとあらゆる感情の渦にもまれながら、今日一日を生きて明日を迎えることだけを祈った。

モルヒネが入り、意識が混沌とし始めた頃、父はさかんに「上六に行こ。上六の天ぷら食いに行こ」と言い出した。
夜中にいきなりガバッと起きて、どうしても行くと言って聞かない父を車椅子に乗せ、
薄暗い病棟の廊下をグルグルグルグル、どうか上六に行った気分になっておくれ、と祈りながら回り続けた。
1回目はうまく誤摩化せた。2回目は少しぐずり出し、3回目にはとうとう怒り出した。
怒って暴れる父のすっかり痩せ細った肩を掴んで、車椅子の背に押さえつけながら、わたしはものすごく腹を立てていた。
なんでこんなことになったん、なんで?なんで?なんで?!

亡くなる直前の、下顎呼吸が始まった父を抱きしめて、わたしは約束した。
「お酒いっぱい飲ましたる!天ぷらも思いっきり食べさしたる!」

だから父の命日と誕生日には、遺影の前にお酒と天ぷらをお供えする。

食い道楽で口うるさかった父はきっと、
「この酒、ちょっと深みが足らん。こんなペシャッとした衣の天ぷら食えるかいな」と文句をたらたら言いながら、
まあしゃあないな、という顔をして食べているに違いない。

パパ、誕生日おめでとう。
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静かな祝日

2009年09月07日 | ひとりごと
今日はレイバーデイでお休みです。日本でいうメイデイ、労働の日です。
といっても、どこそこで集会があったりというのはあまり聞かなくて、どちらかというと、子供の学校の新年が始まる直前の最後の連休になるので、家族でどこかに出かけたり、嵐の前の静けさを楽しんで家でゆっくりすることが多いようです。

さて、旦那とわたし、昨日のエネルギッシュな一日とは対照的な、とてもゆるゆるとした時間を過ごしております。

昨日、やっとうちの家の一部になってくれた、旦那母の作品『夕暮れの蛍』。玄関から入るとすぐに目にとまる正面の壁に掛けました。

 


庭の一画をせっせと耕して作ってミニ菜園。なぁ~んちゃって……。いただいたシソと三つ葉を植えただけなんでした!
少し掘るだけで、アメリカンサイズの超巨大ミミズさん達がニョロッと顔を出すので、かなり気をしっかり持たなければなりませんでしたが……。




あまりにおっきいので、抜く気になれなかった雑草さん。葉っぱ一枚にデカ頭で名の知れたわたしの頭ふたつ分が余裕で入る大きさです!




多分最後のムクゲの花。咲き終わったところにでっかい実が生っています。いっぱい楽しませてくれてありがとう!

 


午後はジェーンがやって来て、ふたりで連弾の練習をします。
前回のリハで長過ぎると注意があったので、まずは繰り返し部分をカットしてテンポを上げ、それでどこまで縮められるか試してみます。
明日から学校が始まります。わたしの仕事も新年を迎えます。
体調を整えながら、気を引き締めて、次々にやってくるコンサートを無事に楽しく終えられるよう、生徒達とともに頑張ろうと思います。
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爆裂五人娘!

2009年09月06日 | 友達とわたし
いや~楽しかったのなんのって
モンスター役を買って出たまうみおばさん、大モテでした。娘の母親になりたかったわたし、感無量っす

今日はお昼過ぎから、コネチカット州*ニューヨーク州*そして同じくニュージャージー州の西側から、三組の家族が遊びに来てくれました。
お父さんがアメリカン、お母さんが日本人のご夫婦ばかり。そして三組とも娘のみの家族。うらやましいぞぉ~!
4才から6才までの可愛い女の子達が集合。最初はちょっと恥ずかしかったけど、すぐに気持ちもほぐれて仲良くなりました。
到着時間がバラバラだったので、家の案内ツアーもバラバラ。
そこで、一番に着てくれたC家の一人娘Eちゃんに、S家の皆さんを案内してもらうことにしました。
するとS家のママT子が言うことにゃ、「Eちゃん面白いよ。三階のこの部屋はちょっと汚いけどな、とか、このつい立ての向こうに荷物がいっぱいあるねん、とか言って、かなり渋い案内してくれた」って……。
Eちゃん、最初に案内した時ずっと黙ってたのに、心の中では思ってたのね、お兄ちゃん(K)の部屋汚な~って……。
恐るべし5才。ちゃ~んと見て、ちゃ~んと思うことを思って、それをちゃ~んと言葉にできるのね。感動しちゃいました。
 
男組はビールを飲み飲みバーベキューの火起こしに、女組はただただひたすらに話に花を咲かせます。
F家のワンちゃんコア君は男組。うちの縦長の庭を気に入ってくれたようです。
三組のお母さん達、今年の夏に子供達と一緒に日本に長く里帰りしていた人ばかり。
日本語がおぼつかなくなりかけていた娘達が、みるみるうちにうまくなって、しかもそれが思いっきり関西弁だったり、
いろんな制度や決まりが変わっていて、そのために思いもよらなかったことで無茶苦茶面倒なことになってしまったり、
家族が事故に遭って入院してしまったり、本人がとても深刻な病気にかかってしまったりと、出てくる出てくる、てんこ盛りの話が。

出張料理のクラムチャウダー、ポテトサラダ、美味そ~なビールがテーブルに並び、こちらの用意した甘酢大根のサラダとバーガーでパーティ開始!
大人8人はキッチンで、子供5人はリビングで、それぞれワイワイがやがや、「バーガーが冷めるぞ~早よ食え~とっとと食え~」と、いきなりうるさく仕切り出した旦那に呆れながら、お土産の吟醸酒で乾杯。
するとリビングの方からも、乾杯!の声が聞こえてきました。やっぱ女の子って可愛いわぁ~!

旦那がコストコで買ってきた巨大パンプキンパイとアップルパイ、そしてバニラアイスクリームを組み合わせた超アメリカンデザートを食べた頃にはお腹がパンパン!
こりゃちょっと運動せにゃ~、とばかりに、わたくし、モンスター役にならせていただきました。

あの年頃の女の子って、どぉ~してあんなに追いかけっこが好きなんでしょう?疲れ知らずの五人を相手にエンドレス鬼ごっこが始まりました。
子供達は真剣に頭を付き合わせて相談しています。「わたしがまうみの後ろに行くから、Pちゃん、横で待ってて」「やっぱりSちゃんと一緒に」
いやはや、わたしはただお茶碗洗ってるだけなんやけどなあ……。すっかり聞こえてしまっている彼女達の作戦。でも知らんふり知らんふり。

食後にゆっくりしたい大人のために、子供達には映画鑑賞してもらうことにしました。
ところがうちには『千と千尋の神隠し』しかありません。双子のPSちゃん以外のEちゃん&Aちゃん&Sちゃんは恐くて観たく無い映画なのでした。
でもまあ、5人一緒だし、なんとかなるだろうとデッキにセットすると……あれ?静かだなあ……やっぱ友達と一緒だと大丈夫なのかもね。



やっぱり恐そうだわ……。電気をつけてもう一枚。



映画が終わるとまたまたエネルギー全開。いや、全壊と言った方がいいほどのパワーです。
旦那も、五人娘肩たたきをしてもらってました。写真を撮ったけど、動きが激しくてうまく撮れてません。残念!

家猫は、そろそろ帰りそうだと思って下に降りてきて、階段の途中から顔を覗かせては見つかり、ダダ~ッと追いかけられておりました。
彼女の食事はキッチンに置いてあるので、今日は昼からついさっきまで断食状態でした。
三階に上げておいてあげれば良かったと、今頃気づいているトホホな飼い主。ごめんよぉ~

大人も子供も、みんなそれぞれにくつろいでもらえたようです。ホスト冥利に尽きる幸せです。
また来ておくれね~みんな!女の子ちゃん達も、おばちゃん、体力強化して待ってるからね~、また遊んでね~
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小さな驚きと日だまり猫

2009年09月05日 | ひとりごと
昨日いただいたラズベリー、今朝のうちに食べてね、と教えてもらっていたので、さっそく無花果ヨーグルトと一緒にいただくことにしました。
昨日はバタバタしていて気に留めなかったのだけど、お店で売られているラズベリーには無い、緑色の小さなヘタがついてます。
それを指でつまんでクイッと引っこ抜くと……あぁ~、だからああいう穴が空いてたのかぁ~と納得!



これはおもしろいと思い、ウィキでラズベリー(木いちご)を検索してみると……、

『品種により鮮やかな赤色や紫、黒紫色で直径1~2センチメートル程度の果実をつけ、優れた風味・甘味・酸味がありジャムや洋菓子、ハーブティー、リキュールなどによく用いられる。

果実は小さな球形の実の集合体で、一つ一つに種子が入っている。種はゴマ程度の大きさで、種ごと食べられるが、種は固くてやや口当たりが悪い。
この集合果は木質の果床からまとまった状態で外れるため、球状の集合果の内側に果床の跡の空洞がある』

写真のヘタにくっついている尖った白い部分が、木質の果床なんでしょうね。
こんなに柔らかで崩れ易い実だもの、市場とかでパック詰めされている実は、よほど注意深く果床を抜かれたものなんだろうなあ。
もしそうだとしたら、あの妙に高い値段も納得できるかも……なんて、いろいろ想像しながらいただきました。


今朝は、今年最後のゆったり土曜日。
この夏はとうとう旅行というものが無かった夏になりました。
でも、引っ越しという、暮らし所のでっかい移動(旅行)があったので、これも良し!としましょう。

ふと後ろを振り向くと、日だまりで身繕いをする家猫がおりました。
わたしがのんびりしていると、彼女も安心するのか、猫時間をゆったりと楽しんでいます。


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ハウスウォーミング・パーティ

2009年09月04日 | 友達とわたし
なんてきちんとしたもんじゃなくて、とりあえずこんなとこに引っ越したよ~という報告お茶会をしました。日本人女性限定のお茶会です。

昨日、しかもペンシルバニアのコンサート会場から電話をかけて、急にお誘いしたN子さんも来てくれました。嬉しかったなあ。
今日のお客さまは4人、みんなテニス焼けして健康そのもののお母さん達。K子さん、Kちゃん、K江ちゃん、N子さん。
野菜作りの達人、和菓子作りの達人、テニスの達人、みんなそれぞれ強者ぞろいです。こちらに来て9年半のわたしなどひよっこ中のひよっこ。
20年近い人から30年近い人まで、もうすっかり地元に根付いて暮らしている女性ばかり。


手作りの生八つ橋にはみんなびっくり仰天?!横にいらっしゃるのはスクワッシュの一種で、皮ごとスライスして生でいただけるそうです。楽しみ!



庭ですくすく育っているシソを根っこごといただきました。無事に育てられるかどうか……なんたってわたし、ですから……。



そしてもちろんミョウガ!これからの季節、お吸い物に最高っ!英字の新聞に包まれている姿がなかなかオツです。



ラズベリーまで庭でできちゃってるのだそうな……一度庭見学に行かせてもらわにゃ~!春には畑作り指導に来てもらいます。さて……。



果物の盛り合わせも嬉しい!



ほんでもって美味そ~なクラッカーとディップ!



そしてホストのわたしは、ペンシルバニアから戻ってすぐに、「アホの一つ覚えやな」と天の父から笑われそうな、またまたバナナケーキを焼きました。




普段、お茶とコーヒーは旦那がいつも入れてくれるので、もっぱら飲み役のわたしは上手に入れることができません。
なので、半ば無理矢理に、紅茶とウーロン茶でお茶会をしました。
5人であれやこれやいっぱいしゃべって、いっぱい食べて、あんまり楽しかったので、肝心の家の中を案内するのをすっかり忘れてしまいました。
旦那に、「みんなにどこまで見てもらったの?」と聞かれ、「え?一階の台所でずっと居た」と言うと、「そんなんハウスウォーミングにならへんやんか」と呆れられてしまいました。
ま、これでどこに居るか分かってもらえたんだし、これからもちょくちょく集まろうとみんなで決めたので、また今度、他の所も見てもらおっと。


話の中にふと、老後のことが出てきました。こちらで一生を終えると腹をくくりつつも、急な事故や病気に遭ったらどうしようか、という不安があります。
すると、彼女達の友人(アメリカン)の間に起こった実際の話をしてくれました。
二件の話とも、急な病気、しかも深刻な病気と事故でした。
それらに見舞われた二人の女性はもちろん気の毒だったけれど、その二人を支えるべく、友人知人がインターネットで支援を募り、
それに賛同した多くの人達が、食事の準備、子供達の送り迎えなどを、助っ人が重なったり同じメニューが続かないよう上手に手配して、見事に1ヶ月から2ヶ月に渡った入院や治療期間を乗り切ったそうです。
そして特に素晴らしかったのは、その支援に名乗り出た人達は皆、お礼やお返しを全く期待していなくて、助けてもらった側も、そういうことに頭を悩ませることも無かったこと。
困っている人がいたら助ける。自分がそうしたいからする。だからお礼とかお返しなんてことは全くいらないし考えることもない。
それこそがボランティアなんだから。前にもどこかで、これとそっくり同じことを言っていた人がいました。
いつか自分が困ったら、きっと誰かが助けてくれる。
そういう確信を持ちながら暮らせるっていいね。わたし達5人、ちょっぴりしみじみ頷きました。



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レオの離れわざ

2009年09月03日 | 音楽とわたし
9月7日まで夏休みの生徒達。それをいいことに、朝からレッスンさせてもらい、お昼過ぎに一路ペンシルバニアに向かった旦那とわたし。
Leo Kottkeのコンサートが旦那の実家の近くの野外コンサート場であるというので、両親と一緒に聞きに行きました。
Leoのギター演奏を聴いたのは、もう何年前になるんだろう。なんとも軽やかで、シャープで、それでいて繊細で、
彼の皮肉たっぷりの話と、どこか哀愁を漂わせる歌声と、どれもこれもが心地良くて、いっぺんにファンになってしまいました。

まずは両親の家に着き、母の作ってくれた野菜料理と手作りのパンに舌鼓を打ち、カフェオレのアイスクリームを大慌てで食べて出発。
着いた会場は山の中。舞台の周りでは鈴虫とカエルが合唱しています。
スポットライトに浮かび上がる一脚だけの椅子と、6弦と12弦ギター。
多分、彼の演奏スタイルから発症した腕の病気と難聴を抱えながら、40年近くも演奏し続けているレオの、
そんなことは微塵も感じさせない、人とは思えない卓越したテクニックとレオ色のメロディとハーモニーにどっぷりと感動しつつ、
彼の辛めの皮肉と人生観に大笑いしたりしんみりしたり、休み無しの1時間40分の素晴らしいコンサートでした。

彼は知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない、多分日本ではほとんど知られていない偉大なギター奏者です。

http://www.myspace.com/61328137

http://www.youtube.com/watch?v=QVTdeiPr1Fs

http://www.youtube.com/watch?v=gJthGsBB5YQ&feature=related

もしも時間があったなら、↑に行ってみてください。ほんの少しだけだけど、彼の演奏の一部が聴けます。
ワンクリックしたらすぐ飛べるようにしたいのですが、どうしたらできるのか知らないパソコン音痴ゆえ、面倒おかけしてすみません。

ちなみに彼の名前はLeo Kottkeといいます。わたしはいつも、レオ・放っとけって読んでしまって、ひとりでクスクス笑っています。
日本ではレオ・コッケと呼ばれているそうです。こっちの発音と全く違うので、しばらく気がつきませんでした。

あらら、ギターにはちょっとプライドを持ってる旦那が、なにやら弾き出しましたよ。しばらくはレオ研究が続くのかもしれません。
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さぶいと食いしんぼとボヤ

2009年09月02日 | ひとりごと
8月の真ん中頃に、いきなり蒸し暑っつぅ~い日が続き、慌てて窓用クーラーやら扇風機やら団扇やらを地下から引っ張り出しまして、
それなりに熱帯夜みたいな夜も数日経験し、やっと夏っぽくなったなあとうんざりしていたのも束の間、
お~さぶっ
なによ!この寒さは!そんな、いくら9月に入ったからって、こんないっぺんに肌寒ならんでもええやん
わたくし、恥ずかしながら、急に暑くなるとオロオロし、急に寒くなるとムカムカする傾向にございまして……その場に居合わせた人は今頃大きく頷いていらっしゃるかと思われ……いい年こいてるんですけどね

そこで、気分直しに、おなじみコストコの超お買い得フルーツ売り場に行って、秋の味覚を買ってまいりました。

これはえっと、豊水っていう種類だったっけ?二十世紀よりも甘くてシャリッとジューシーな梨です。



そしてこれ。無花果(ムカカ)、イチジクです。買ってからすぐにムシャムシャ食べちゃって……ヨーグルトと一緒にいただくのが流行っております。

 

どちらのパックも600円以下です。少し前までは、でっかいサイズの白桃10個パックが、やっぱり600円以下で手に入りました。
バカ食いしちゃイカン!と自分を戒めてはいるんだけど、すぐ横を通っちゃうともう~どうしても我慢できません。気がついたらカートの中に……。
旦那にため息つかれながら、「買うてしもたもんはしゃあない。けど、朝だけに限定して食べること!」と叱られてる最中も心の中はニコニコ、ど~しよ~もない果物食いしんぼです。


さて、今日のお昼に、もう少しで小火を出してしまうところでした。
昨日のお蕎麦の残りを食べようと鍋に火をかけたわたし。同じタイミングで、ランチ用のピザをトースターに入れた旦那。
わたしがあまりに寒そうな様子なのを見て、「庭に出て太陽に当たってきたら?ものの数分で暖まるよ」と言うので、それもいいなと外に出ました。
お日様の光は夏のそれとは違って痛くなく、ふんわりと柔らかで気持ちが良かったので、ついつい庭の奥の方まで足を延ばし、
わたしにつられて外に出て来た旦那と、未来の庭計画なんかをあ~だこ~だと言い合っていると、フン?フフン?なにこの焦げた匂い?
どっかでバーベキューとかしてんのかなあ……休みでもないのに……。
のんびりと勝手口のドアを開けると、がっび~んっ!なんじゃ~このモクモク煙は
「もぉ~、トースター壊れるやん!ピザ焦げまくりちゃうん?!」
「え?あれ?別にオッケーみたいやけど……」
「へっ?じゃあなによ?」
「あ~っ!まうみの蕎麦やんかぁ~!」
「どっひゃ~ん!お許しを~!」



天高くまうみ肥ゆる秋……みなさまも、くれぐれも、食べ過ぎと小火にはご注意くださいませ。
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決められた時間の中で

2009年09月01日 | 音楽とわたし
先週の土曜日にあった公開リハーサル。
セントラルパークでの写真撮影は雨のため中止になり、リハーサルをするために借りていた教会の表玄関と来賓室で行われました。
ドレスを持ってくるようにって言われていたけれど、そもそもドレスなんて持ってないし、相方のジェーンもそんなん着る柄じゃないってんで、
そいじゃてきと~にとてきと~な服を着て行ったら……見事に上下黒の、パンツスタイルの、さも示し合わせたようなペアルック(←言い方古っ!)。
ま、ドレスだらけの中に居ると、それなりに違う意味で目立ってました。

4時からのリハーサルに合わせて、お客さまも続々と部屋に入って来られ、緊張感も漂い始める中、2枚の用紙とボールペンを手渡されました。
ここに、各演奏を聞いて、いいと感じたこと、修正した方がいいと思われることなんかを記入してください、とのこと。
第1回目の、本番1ヶ月前のリハーサルということで、出来具合は85%で良し。アンサンブルばかりなので、演奏準備にかかる時間も懸案のひとつでした。

ジェーンとわたしが選んだのは、ドボルザークの『レジェンド』から3番と5番、『スラビック舞曲』から8番の計3曲。
ソナタ形式によくあるような、急緩急の三部構成っぽく聞こえるように選びました。
問題は演奏にかかる時間。CDの演奏と全く同じテンポで弾いたとしても、2分強オーバーの12分。(持ち時間は基本的に10分なのです)
それを先日は、少し遅めのテンポで弾いたので、13分もかかってしまい、プレジデントのアルベルト氏から警告のメールをいただいたのでした。
ところが彼は、安直にと言ったら語弊があるかもしれないけれど、3曲を2曲にしたらいいじゃないか、としつっこく提案してきて、
いくら3曲をひとつの楽曲のように捉えている意味を説明しても、テンポの違いを説明しても、ただただひたすら2曲にしろよ~と押してきます。
まずは曲のいろんな部分を曲想や全体の雰囲気を壊さない程度にカットしてみて、テンポも仕上げのテンポまで上げてみて、
その状態で時間を許容範囲の11分まで縮めることができるかどうか試させて欲しいとお願いしているんですけど……。

もちろん、我々が協会のディレクターをやってるからって、好きなことをさせてもらえる、なんて全く思っていません。
ディレクターだからこそ、決まりをちゃんと守って、どちらかというと皆の模範になるような態度を示すべきだと思っています。
アルベルト氏の強硬な態度は多分、そういうところの不公平さを他のメンバーが感じないように、との配慮なんだと思います。

今週中になんとか時間を見つけて、ジェーンとふたりで削り作業に取り組まなければ。ほんでもってテンポを上げて、どこまで時間を縮められるか?

みんなと一緒のコンサートはある意味気楽でいいけれど、公平な演奏時間ということが引っかかって、曲選びにかなり苦心しなければなりません。
まあ、10分持ち時間があったって、結局は5分少々で終わるグループもちらほらいるのだけれど……。

決められた時間の中で、弾きたい曲を弾く。なかなか厳しいことではありますが、
キラキラとほとばしる感情の糸を、ふたりして紡いだり解きほぐしたり、アンサンブルはやっぱり楽しい!
できたらこれを機会に、ジェーンとふたり、いろんな連弾曲や2台ピアノ曲を仕上げて、どこかでコンサートを開きたいなあ、なんて夢見ています。
彼女は24才、タイ人のお父さんと中国人のお母さん、ご両親ともお医者さんで、彼女にも医学の道に進んでもらいたかったのだそうです。
でも、彼女はどうしても音楽の方に進みたくて、それで悩んで悩んで、長い間の葛藤の末、看護士の資格を取り、趣味で音楽を学ぶという形を選択しました。
わたし達は母と娘ほどの年齢差があるけれど、ピアノを弾いている間、お互いの気持ちがスルスルっと分かり合えるいいコンビです。

さてと、ちょっとまた練習しとこっと。


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