ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

現代人と携帯電話

2009年09月24日 | ひとりごと
50才のちょいと手前ぐらいから、携帯電話なるものを使い始めました。
携帯大国日本よりかなり遅れて、ここアメリカもこの9年の間に、携帯菌がすごい早さで繁殖し続け、
今じゃもう、どんな場所や状況でも、携帯電話で話したり、テキストメッセージを送ったりしている人だらけ。

いつの頃からか、コンサートや映画が始まる前に必ず、携帯電話についての注意が流れるようになりました。
それでもうっかり忘れる人が居ますよね~。
実はわたしも一度だけ、友人のソロのコンサートで、そりゃもうしみじみバラードを歌ってる最中に……ぴろぴろろ~ん♪と超場違いな音が突然鳴り出して……床板をべりべり剥がして隠れたい気持ちになったことがあります。

今日、ピラテスのクラスの終わりがけに、インストラクターのメリッサが、いつになく厳しく、
「これからリラックスタイムに入るので、携帯電話を切ってあるかどうか自信の無い人はチェックして!」と言い、
途端にそこに居たほとんどの人が立ち上がり、鞄の中をチェックし始めました。
その人数に驚いていたら、またまたメリッサが、
「それから、早めにここから出たい人は、悪いけど今すぐ出てもらえる?マットを畳んだり歩いたりする音が耳障りになるから」ときっぱり!
3分の1ぐらいの人達が、それを聞いて出て行きました。

クラスが終わってから、そこに残っている数人とメリッサが、携帯電話のことで話をしているのが聞こえてきました。
便利な物には違いないけれど、この頃なんだかうんざりしてきた、とメリッサ。
久しぶりに逢った友人と食事に行った時、その友人に家族や仕事仲間から電話がかかり、そのたびに話を中断しなくてはならなかったこと。
その間、わずか数分なのだけど、独りで食べている時よりもっと独りぼっちのような感じがしたこと。
そういうことは、その友人に限らず、いろんな所で発生するようになったこと。

ひと昔前は今のように便利では無かったけれど、もうちょっとその時のその場の関係や気持ちを尊重できたような気がする。
便利っていったいなんなんだろうねえ……。

クラスからの階段を降りながら、わたしも携帯電話という物について考え始めました。
息子Kは起きてから寝るまで、携帯メールのやり取りで大忙し。
家族と一緒に食事している時と話している時ぐらいはやめさせているけれど、それも言われてやめるのであって、言わなければどうだか……。
旦那は携帯とパソコンメールが仕事の綱なので、しっかり使っているけれど、かかってくる電話に出るのは自分が話したい時のみ。
わたしも、人と一緒に居たり、仕事をしている時はまず出ません。
ただし、同じ人や番号で、間髪入れずに繰り返しかかってくる場合は、緊急かもしれないというので出るようにしています。

人と逢っている時、人と話している時、食事をしている時、携帯が無かった頃に戻れますか?
コメント (6)
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