でも、わたしにとっては、胸の中がフルルと揺れるような、嬉しい驚きに満ちた偶然のできごとなのでした。
髪の毛が短くなったので、またイヤリングをつけてみる気になりました。
昨日の朝、洋服の色に合わせて、普段あまりつけない金色系統のイヤリングを選びました。
わたしの耳にはピアス用の穴が空いていません。
今から20年近く前に一度、決死の覚悟をして耳鼻科に行き、麻酔と消毒をしっかりして穴を空けてもらったというのに、
哀しいかな、わたしの体は傷をつけられると膿みやすく、半年待っても穴の中がずっと乾く事なく膿と血で埋まっていて、けれどももう待ちきれなくなったわたしは、旦那がお土産で買ってきてくれたピアスをなんとかして入れようと耳たぶを思いっきり引っ張り、向こう側が見えないままの穴に無理矢理突っ込んだ瞬間、世界がグワ~ンと歪んだのでした。
意識はあるのだけれど、目の前が真っ暗になり、Kが観ているテレビから聞いたこともない言葉が奇妙な音で聞こえてきて、這いつくばりながら助けを呼ぼうと思うのだけど、吐き気がひどくて声も出せずに、洗面所の床の上でそれはそれは恐ろしい時間を過ごしたのでした。
後から計算すると約半時間。目が少しずつ見えるようになり、それとともに耳も普通に聞こえるようになりました。
そんなことがあって、もう恐くてピアスをする気持ちになれず、2ヶ月もすると穴もすっかり塞がってしまいました。
こちらではクリップ式をつけている人はほとんどいないので、売り場に行っても見つけるのに一苦労します。
やっとのことで気に入ったのを見つけても、耳たぶが分厚いわたしは、あまりきつく挟むとすぐに、耳どころか頭まで痛くなってしまい、それが嫌さについ緩めにつけて落としてしまうことが多いので、バタバタと動き回らなければならない日はなるだけつけないようにしていました。
昨日は、ショートカット記念にということもあって、久しぶりにつけてみようと思いました。
こないだの誕生日に自分で買ったイヤリング。シルバー系がほとんどのわたしには珍しい色ですが、昨日の洋服に合うと思ったのでつけていきました。
まず高校のリハーサルに行って、昨日の記事にも書いたように爆弾を落とし、それから家に戻って練習をしてからランチを食べ、また高校に戻りました。
その後、もう少し買い足りないお土産を買いに行った店の鏡に映る自分の顔を見てびっくり!
あれ?イヤリングが片方無い?!
それからはもう買い物どころではありません。床をじろじろ点検しながら、自分が歩いた所、立ち止まって物色していた所をうろうろと歩き回りました。
誕生日というのでいつもより高価な(といっても二割引で$16ですが……)物だったし、それを初めてつけた日に無くしたのがショックでショックで……。
ずいぶん探しました。鞄の中に滑り落ちているかもと、試着の部屋に入って鞄の中身を徹底的に調べ、自分も洋服を脱いで探しましたが見つかりません。
がっかりして、もしや駐車場の車の周辺に落ちているかも、と車に戻りましたがありません。車の中にもありません。
まあ、これがクリップ式人間の運命だ……と自分で自分を慰めながら仕事に行き、家に戻って夕飯を作っている間もとりあえず残った片方だけをつけて、失ったもう片方のイヤリングの弔いをしていました。
そして一夜明けた今日、再び高校のリハーサルに行ってきました。
リハーサルを終え、事務所に寄って入出のサインを済ませ、駐車場まで行った所で、あ、車のキーを置き忘れてきた!と思い出し、もう一度建物の中に戻りました。
演奏会場に入りピアノの所まで戻りましたが、キーはそこには無く、おかしいなあ、鞄とコートを置いた椅子の上だったかなあと、そちらも探しましたが見つかりません。
その椅子の隣に座っていた男の子に、「ここに車のキーが置いてなかった?」と尋ねながら椅子の下を覗き込んでみると、キラリと光った物が目に入りました。
え?!まさか?!
大げさだけど、胸がドキンとしました。
だって昨日、店の床を何十分もかけて探していた光りだったんです。
屈んで拾い調べてみると、誰かに踏まれたのか、クリップのところがグイッと曲がってしまってましたが、その他は無事、なんとかなりそうです。
車のキーは、いつもは絶対に入れない鞄のポケットに入っていました。
小さな小さな、そして別になんの変哲もない普通のイヤリングなんだけど、とても特別なものになったような気がします。
髪の毛が短くなったので、またイヤリングをつけてみる気になりました。
昨日の朝、洋服の色に合わせて、普段あまりつけない金色系統のイヤリングを選びました。
わたしの耳にはピアス用の穴が空いていません。
今から20年近く前に一度、決死の覚悟をして耳鼻科に行き、麻酔と消毒をしっかりして穴を空けてもらったというのに、
哀しいかな、わたしの体は傷をつけられると膿みやすく、半年待っても穴の中がずっと乾く事なく膿と血で埋まっていて、けれどももう待ちきれなくなったわたしは、旦那がお土産で買ってきてくれたピアスをなんとかして入れようと耳たぶを思いっきり引っ張り、向こう側が見えないままの穴に無理矢理突っ込んだ瞬間、世界がグワ~ンと歪んだのでした。
意識はあるのだけれど、目の前が真っ暗になり、Kが観ているテレビから聞いたこともない言葉が奇妙な音で聞こえてきて、這いつくばりながら助けを呼ぼうと思うのだけど、吐き気がひどくて声も出せずに、洗面所の床の上でそれはそれは恐ろしい時間を過ごしたのでした。
後から計算すると約半時間。目が少しずつ見えるようになり、それとともに耳も普通に聞こえるようになりました。
そんなことがあって、もう恐くてピアスをする気持ちになれず、2ヶ月もすると穴もすっかり塞がってしまいました。
こちらではクリップ式をつけている人はほとんどいないので、売り場に行っても見つけるのに一苦労します。
やっとのことで気に入ったのを見つけても、耳たぶが分厚いわたしは、あまりきつく挟むとすぐに、耳どころか頭まで痛くなってしまい、それが嫌さについ緩めにつけて落としてしまうことが多いので、バタバタと動き回らなければならない日はなるだけつけないようにしていました。
昨日は、ショートカット記念にということもあって、久しぶりにつけてみようと思いました。
こないだの誕生日に自分で買ったイヤリング。シルバー系がほとんどのわたしには珍しい色ですが、昨日の洋服に合うと思ったのでつけていきました。
まず高校のリハーサルに行って、昨日の記事にも書いたように爆弾を落とし、それから家に戻って練習をしてからランチを食べ、また高校に戻りました。
その後、もう少し買い足りないお土産を買いに行った店の鏡に映る自分の顔を見てびっくり!
あれ?イヤリングが片方無い?!
それからはもう買い物どころではありません。床をじろじろ点検しながら、自分が歩いた所、立ち止まって物色していた所をうろうろと歩き回りました。
誕生日というのでいつもより高価な(といっても二割引で$16ですが……)物だったし、それを初めてつけた日に無くしたのがショックでショックで……。
ずいぶん探しました。鞄の中に滑り落ちているかもと、試着の部屋に入って鞄の中身を徹底的に調べ、自分も洋服を脱いで探しましたが見つかりません。
がっかりして、もしや駐車場の車の周辺に落ちているかも、と車に戻りましたがありません。車の中にもありません。
まあ、これがクリップ式人間の運命だ……と自分で自分を慰めながら仕事に行き、家に戻って夕飯を作っている間もとりあえず残った片方だけをつけて、失ったもう片方のイヤリングの弔いをしていました。
そして一夜明けた今日、再び高校のリハーサルに行ってきました。
リハーサルを終え、事務所に寄って入出のサインを済ませ、駐車場まで行った所で、あ、車のキーを置き忘れてきた!と思い出し、もう一度建物の中に戻りました。
演奏会場に入りピアノの所まで戻りましたが、キーはそこには無く、おかしいなあ、鞄とコートを置いた椅子の上だったかなあと、そちらも探しましたが見つかりません。
その椅子の隣に座っていた男の子に、「ここに車のキーが置いてなかった?」と尋ねながら椅子の下を覗き込んでみると、キラリと光った物が目に入りました。
え?!まさか?!
大げさだけど、胸がドキンとしました。
だって昨日、店の床を何十分もかけて探していた光りだったんです。
屈んで拾い調べてみると、誰かに踏まれたのか、クリップのところがグイッと曲がってしまってましたが、その他は無事、なんとかなりそうです。
車のキーは、いつもは絶対に入れない鞄のポケットに入っていました。
小さな小さな、そして別になんの変哲もない普通のイヤリングなんだけど、とても特別なものになったような気がします。