ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

JRパス

2010年05月05日 | 家族とわたし
危ない危ない、すっかりうっかり忘れていました
もうあと10日で出発だというのに、毎日の予定をこなすだけでひぃ~ひぃ~言っていて、旅行中の要、JRパスを手に入れるのを忘れていました
前回初めて利用したJRパス。思いの外重宝したので、今回もぜひ!ということで、飛行機の発着も成田にして、大胆にも新幹線で動き回ろうと計画したので、このパスが手に入らなかったらどえりゃ~ことになってしまいます。
慌てて旅行会社に連絡をしようとパソコンを検索したら……あれ?ネットで買える?

前回(約3年前)の時も、もしかしたら既にそうだったのかもしれませんが、その時はチケットを購入した旅行会社でないと注文できないと思い込んでいたので、これにはびっくり?!
さっそくそのA-Kind Inc.という所で調べてみました。
すると、1週間前までならギリギリ間に合うとのことでホォ~っと一安心。
しかも、いろんな旅行会社の価格と比べてみても、ここが一番安かったのでほっぺがユルユル~。
ひとり$480はなかなか痛い金額ですが、行き先は関西が多いので、新幹線の往復を何回かすると、簡単に元が取れてしまいます。

これでやっと、旅行の用意らしいこと(チケットとJRパスを手に入れる)だけは完了しました。
あとは、嵐のようなリハーサルの合間を縫って……いやいや、それは無理!急に増えた新曲や、変更だらけの古い曲の練習だけで精一杯。
パッキング……できるかなあ……。お土産、いったいいつ買いに行けるやら……。
今週末は、本番までの自分が疲れ切ってしまわないように、かなり本気で身体も頭も休めたいのだけど……。
あ~!!なんでわたしはひとつしか身体を持ってないのぉ~!!がぉ~!!
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

社会人T

2010年05月04日 | 家族とわたし
思いっきりの親バカですが……。

Tがどうやら、正式にオグルヴィの方から認められたようです。

今日、今現在のTのボスであるダンとのお茶会があり、「オグルヴィのような、いわゆる人選においてはとても厳しい会社に派遣して、たった2週間で社員として雇いたい、という要請を受けたのは初めてのことだ」と言ってもらったそうです。

今日のお茶会のことを知っている旦那とわたしは、昼過ぎになにか連絡が来ないかどうかと、期待半分、あきらめ半分の気持ちで待っていました。
けれどもなにも連絡はなく、し~んとしていたので、今回がだめでも、頑張ったこと、きつい課題を時間外だったにせよきちんとやり終えたことは絶対に無駄にはならないから、などと、慰めの言葉をあれこれ考えていたりしていたのです。

今日は最後のふたりの親子生徒のレッスンがキャンセルだったので、早めに夕飯を作りながら帰りを待っていると、

「コンピューターのパーツ、着いてる?」と大声で聞きながら家に入ってきたT。
「いや、今日はなにも着てないよ」
「そんなはずないわ!トラッキングしたら配達完了って出てたんやから」
「そんなこと言うても着てないもんは着てない」
「あ~も~、なんでやねん!めっちゃ楽しみにして帰ってきたのに!」

ああ、そうか、がっかりした気分をコンピューター作りで紛らわそうということか……かわいそうに……。

「あっ!?箱を紛失したから明日配達って書いてある?!UPSのくせにぃ~もぉ~!!」
かっかかっかと怒りながら台所に入ってきたT。

冷や奴の生姜をすりながら、別にどうってことないけどちょっと聞いてるだけ、みたいな感じに聞こえるように注意して、「ほんで今日はダンと会うたん?」と聞いてみました。
「え?あ、うん。会うた。けど、ムカつくなあUPS」(まだ言うか君……)
「ほんで、どやったん?なんか言わはったん?」
「うん。一応……」
「で?(ああ聞きにくい……)どんなこと言わはったん?」
「えっと、オグルヴィみたいなとこが、たったの2週間で雇いたいって言うてきたのは、プログラマーを派遣する会社をやり始めてから初めてのことやって」
「へ?」
「いや~、天才のオレさまにとっては当たり前のことなんやけどさ~、なんちゃって」

口が減らん若者の戯れ言と聞き流していただけますでしょうか。
けれどもこの甘ちゃんの母は、あの最初の1週間の、途方も無い難問に挑戦している最中の、顔色も自信も失いながらも、会社に遅くまで居残り、意地を張って分厚い壁を押し続けていた息子を見ているので、これぐらいの戯れ言を言うのは許してやろうと思ったりします。

おめでとうT!!

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お絵描きの時間

2010年05月04日 | 家族とわたし
エクアドルに1ヶ月の間旅行に行っていた旦那姉(姉といってもわたしより6才年下ですが)アードリィ一家が戻ってきました。
彼らの車をその間うちに駐車してあったので、うちにもう一晩泊まり、リアルライフに戻るのを延ばしました。
アードリィはこの旅行前まで、一家の大黒柱として働き、夫のエリックが家事と育児(もうすぐ6才になる娘エメラ)を担当していました。
ところが心機一転、アードリィが仕事を辞め、しばらくの間充電期間を置き、その後の暮らしの立て方を考えようということになりました。
まあ、そういうことができるのは、我々の暮らしとはずいぶん違って、蓄えがきちんとあるからなんですが……。

わたしと旦那は、お互いに違う事情で、だんだんと疲れがたまってきていて、ちゃんと眠れない夜が続いていました。
昨日はさすがに、これではヤバいというぐらいにヘトヘトになっていて、わたしから旦那に鍼の治療をおねだりしました。
足がつることが異常に多くなり、後頭部と首の痛みも日に日に増し、楽譜を読もうにも読めない状態で、
なのでアードリィ達が来ているというのに、愛想もできないトホホなわたし……。

鍼が効いたのか、首の痛みにかけては相当な経験のあるアードリィの矯正マッサージが効いたのか、パソコンとピアノの練習をばっさりやめて早寝したのが効いたのか、
今日は昨日の悲惨さに比べると、かなり人間に戻れたような気がします。

ほんの少し、リハーサルと仕事の間に時間ができたので、エメラと玄関ポーチで遊びました。

お絵描きをするエメラ。



こっち向いて、というと、こんな顔。



ポーチ前の垣根にも新芽がいっぱい出ています。



なにを描いているのかな~と覗くと、温かいスープが入ったポットが上手に描かれていました。彼女の髪の毛も風に吹かれて湯気のよう。



ビルディングも描いたよ~とエメラ。



最後にちょっとおすましして。



昨日の雨もすっかり上がって、吹く風が気持ちいい日になりました。
ほんの少しのひと時だったけれど、楽しい時間をありがとうエメラ。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱帯夜の落としもの

2010年05月03日 | ひとりごと
昨夜は今年初めての熱帯夜。

まだ春が始まったばかりだというのに、三階の住人T&Kはクーラーをガンガンつけ、二階の我々も薄い綿のブランケットでも暑くて寝苦しさに唸っていました。
夜中に降り出した雨はまるでスコールのよう。太い線が雲から地面に向けて一直線に落ちているのが目に見えるような大雨です。
一階の雨漏りは大丈夫だろうか……などと心配しながら、起きてはうとうと、また起きてはうとうととしていました。

明け方過ぎに雨は上がったけれども、ネトネトに湿った空気と寝不足で気分は最悪。
毎朝起きがけに最高潮になる頭蓋骨と首の境目の痛みも、いつもより強い気もします。
多分、我々同様起き辛かったT。ギリギリだったのか、ドタドタと階段を下りていく音を聞いてもまだ、わたしはベッドから起き上がれないのでした。

コーヒーと、昨日とうとう行けたコリアンマーケットで買った、野菜とお豆入りの蒸し餅を朝食にして、いざ仕事に行かんと外に出た旦那、「ああ、かわいそう!」と叫びながら、また家の中に入ってきました。
どうしたのかと外に出ると、



なんてことでしょう?!鳥の巣が車の屋根に落ちていました。



きれいな緑色の卵の殻が粉々に砕け散っています。落ちる前にふ化していて飛び立てるぐらいに育っていたことを祈るしかありません。



この大きな松の木のどこかに巣を作り、子育てをしていたのだと思います。
この巣で暮らしていた鳥達に比べたら、昨日の夜の不快さなんて贅沢な不満だった、と反省しました。

どうか無事でいておくれよ~!



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつ果てるかもしれない命

2010年05月02日 | 世界とわたし
NYのタイムズスクエアで日産パスファインダーに積まれたプロパンタンクとガソリン缶が発見されたニュースをぶっ通しで報道しています。



Tシャツを売る露天商の人が、このSUVの中にある箱から煙が出ているのを見て警察に通報、車の中からガンパウダーの臭いがしたそうです。


 
時刻は夕方の6時半頃。



わたし達は、ACMAの演奏ミーティングも終わり、学校の外に出て、あさちゃんがこちらで知り合った日本人の女性を待ちながら立ち話をしていました。
その女性がいくら待っても来ないので、あさちゃんは何度も携帯で連絡を取ろうとしたのですが通じません。
かなり時間が経ってからやっとその当人から連絡がきて、ペンステーションでずっと地下鉄E線が来るのを待っていたのだけど、全く来なくて、それでもうあきらめて家に戻りました、とのこと。
たまたまE線が週末の修理や工事で動かなかったのか、それともこの騒ぎで止められたのか、それは定かではありませんが、
なにはともあれ、あの時マンハッタンに居た、特にタイムズスクエアに居合わせた人達に、何事も起こらなかったことを感謝したいと思います。

こういう事件が起こると必ず、今わたし達が暮らしている世界の、いつもはあえて考えないようにしている目に見えない不気味な運命を思い出さされます。
昨日だって、もしいくつかの偶然が重なって、たまたまその場に居合わせていたら、「プロとアマチュアの違いってなんだろうねえ」なんて話しながら歩いていたら吹き飛ばされていた?!、なんていう可能性もあったわけで、やっぱり一日一日、心して大切に生きなきゃいかん!と、無事に生かせてもらっている幸運を感謝しながら言い聞かせています。






コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一本きりりと通っているなにか

2010年05月01日 | 音楽とわたし
今日はあさちゃんの伴奏者としてのデビューの日。
彼女の歌の邪魔にならないよう、できれば気持ち良く歌ってもらえるよう、そしてわたしの心も織り込ませつつ気持ちを合わせて演奏したいと思いました。

天気の良い日は、夜明けを待たずに、鳥たちの歌がにぎやかに始まります。
どちらかというとうるさいぐらい。
旦那いわく、中に一羽、旦那の名前を連呼するのがいるそうな……三回呼んで休み、また三回……ほんまかいな?
ちなみにわたしの好きな鳥は、「てっぺん禿げたか!」って鳴きます
今日は暑くなるよ~、夏だよ~。
気温は30℃を超え、案の定、チューリップの花は一気に開ききってしまいました。
昨日、あさちゃんと練習している間からワインを飲み始めた旦那、わたし達も合流してからもピッチが下がらずに飲み過ぎ……。
ちゃんと眠れずにごそごそごそごそ、わたしも疲れやら頭の付け根の痛みやらでやっぱり眠れず、朝は最低のさわやか度。
あさちゃんが熟睡できたのがせめてもの慰めです。

午前中、旦那は仕事、わたしもレッスンひとつ、あさちゃんはTの運転でIKEAに。あともうちょい足りない物を買いに出かけて行きました。

会場に着いてもあさちゃん、余裕のよっちゃん。発声練習とかしなくてもいいのか?
わたしが歌う時なんかはもう、喉を守ろうと必死で、それでも恐くて恐くて……なので、やっぱちゃうな~と思ってしまいました。当たり前か。
あさちゃんはよく、自分が歌う歌の歌詞の意味を、ていねいに説明してから歌います。
そうすることで、ドイツ語などの理解しにくい詩の意味を把握して、その場面を想像したり感じたりしながら聞けるので、
彼女の声のひびきそのものだけではなく、彼女が表現する事柄を具体的に感じ、楽しむことができます。
今日は『鱒』の歌詞の説明を英語でやったあさちゃん。
彼女の話し声はとても低くて、どちらかというとハスキーな方でもあるので、歌声とのギャップがすごくてこれも楽しいのです。
伴奏をしていて、とてもいい気持ちがしました。
彼女はわたしに背を向けて歌っているのだけれど、彼女の声の響きが会場中の空気の粒に溶けて、わたしは抱かれているように感じました。

彼女のブログに、こんなメッセージが書かれています。

『歌をうたうにあたって私がいつも考えている事も「空間」!これ以外にありません。
空間をいかに鳴らすかということが音を創造する上では本当に重要なのです。
音を出す前に空間を「感じ」、空間と「調和」して響きを「運ぶ」。
小さい空間は小さいなりに、今日のように1000人の大ホールは大ホールなりにその空間を響きで満たす事が出来たらといつも望んでいます。
とくに声は息に音を乗せて運ぶものですから、いかに遠くへ息を流し、空間を超えて遠く向こう側に届けるかのイメージを持つ事がポイント。
というわけで「大きな声」ではなくて、「響きの豊かな声」を求め、日々学んでいます。
(なんたってからだが小さいのでね~。鳴らさにゃ。)』


わたしはこの『響きの豊かな声』に優しく抱かれて至福の時を過ごすことができました。
ありがとう~あさちゃん!!

演奏会の後、旦那と彼女と三人で近くのイタリアンの店に行った時、
「アマチュアとプロの違いって、なんかこう、一本きりりと通っているなにかがあるかないか、なんだよね」とあさちゃん。
「例えば今日ショパン弾いたすっごくうまい人も、バッハをきれいに弾いた人も、テクニックもあるしうまいしいいんだけど、足りないんだよ、これが」と言って、胸の前でこぶしを作り、一本の棒をなぞるような仕草をするあさちゃん。
「自己陶酔してるってこと?」
「ううん違う。プロだって自己陶酔して演奏してる人いるもん。でも、そうしながらも、内面からほとばしり出る何かがあるんだよねえ」
いったいそれってなんなんだろう……。

あさちゃんのアパートに行き、彼女が今日買った荷物を運びついでに本棚を組み立て、家に戻る車の中でもずっと、このことを考えています。
いったいそれってなんなんだろう……。


コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする