わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉の失敗と対策 9 (釉の幕、透水性)

2009-02-06 22:41:54 | 失敗と対策
1) 織部釉の皮膜に付いて 

  織部釉の表面に、鈍い皮幕が出来きた場合、これを除去する方法を述べます。

   釉に出来る膜は、酸化皮膜で、緑色が、曇って見えます。

  a) 塩酸の3~5%水溶液に作品を1~3時間浸す。

    塩酸は、強酸性ですので、取り扱いに、注意して下さい。

    (塩酸は、薬局で買えます。)

  b) 「トチ渋」に浸す。

    「トチ渋」は、椚(くぬぎ)の実の「へた」を集め、水を注いで、2~3週間放置した物で、

     茶色の液体に成ります。

    この「トチ渋」に5~6時間浸して置くと、表面の皮幕が無くなります。

     但し、冬場には、液を暖めて使います。

     又、液に漬けた物を、一日位してから、水洗いすると、渋が貫入に入り、

     貫入が浮き上がって見えます。

 c) 酸化皮幕は、実際に使用していると、次第に皮幕が無くなる場合が有ります。

   これは、繰り返し、洗剤などで洗う結果、幕が少しずつ、薄くなると思われます。


2) 透水性に付いて

  本焼きした作品から、水が漏れると言う、話を良く聞きます。

  但し、作品に穴が開いて、水が「ポタポタ」と漏るのでは無く、作品の底の部分が、

  底の形に、濡れます。

 原因は、

  ① 土の焼き締りが少ない。

   a) 粗めの土で、土が十分焼き締まっていない。

   b) 焼成温度が低い。

   c) 焼成時間が短い。

  ② 釉に貫入が入っている。

    貫入は、釉の小さな、「ひび」です。

    その「ひび」から水が、少しずつ漏れ出てきます。

    作品の壁からも、染み出てきますが、蒸発して、漏れた事が解かりません。

    高台内や底は、蒸発が遅いため、濡れた状態に成ります。

  ③ 壁の片方のみに、施釉し、片側は無釉である。

    特に、「ベタ底高台」等、底の部分に、施釉しない場合に多いです。

  ④ その他

    花瓶や花器など、常に水を溜めておく器は、水漏れが、顕著に出ます。

 対策

  ① 土の種類、焼成温度、焼成時間変えて、対処するのが、一番良い方法です。

  ② 実際には、上記の方法を取る事は、困難な場合が殆どです。

    その際には、水漏れ防止剤を、使います。

  ③ 昔からある方法は、「米の研ぎ汁」や、「おもゆ」で煮る方法です。

  ④ 今は、市販されている「シリコン」を、使います。

   ・ 食器用と、それ以外(花瓶など)で使用する、二種類の「シリコン」が有ります。

   ・ 食器用は、無害ですが、それ以外は有害ですので、食器には、必ず食器用を使う事。

   ・ 又、食器用は、無臭ですが、他はやや「きつい」、臭いがします。

    但し、「シリコン」が染み込み、乾燥すれば、臭いは無くなります。

  ⑤ 使い方は、筆で塗ったり、器を漬けたり、内側に流し込み、直ぐに流し出したりします。

    一晩すれば、使える様に、成ります。

  ⑥ 湯呑みや、茶碗など、短時間のみ、水(汁、お茶)が入るものは、「シリコン」を

    使う必要は、有りません。

    蛇足ですが、皿などは、使う直前に、一度水に付けてから、盛り付けると、

    汁などの吸い込みが少なく、汚れも少なくなります。

  ⑦ 高台内に「カビ」が入る場合でも、「シリコン」を使うと、予防できます。

    又、陶器類は、どうしても、水を吸い易いです。

     「カビ」が出ない様に、十分乾燥してから、仕舞って下さい。

    尚、 「カビ」を取る最も良い方法は、素焼する事です。

 陶芸釉薬の失敗と対策 
  
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