代表的な、中国の青磁についての話を、続けます。
青磁とは本来、釉の名称である為、胎土は、磁器土、半磁器土、粘土(陶器)など、様々で、必ずしも
磁器を表すものでは、ありません。
② 古越磁(こえつじ)
) 戦国時代から、後漢後の、呉、西晋(せいしん)、東晋(とうしん)と五世紀にかけて、
南京の江南地方を中心に、多くの墳墓が作られ、そこから特色ある青磁が、出土します。
これらの青磁を、古越磁と呼びます。
特に我が国では、六朝時代(西晋、東晋、宋、斉、梁、陳)の越州窯の作品を、古越磁と呼びます。
) 古越磁は、前回お話した様に、最初は、副葬品の明器(めいき)として、作られました。
青銅器を模した、重厚で厳格な形から、次第に丸みを帯びた、軽やかな形へと変化し、
釉も改良が進み、滑らかに熔け、安定した色になって行きます。
) 五世紀以降、短命な王朝(宋、斉、梁、陳)が続きますが、青磁の需要が大きくなり、窯場も
拡散し、作品も多様化します。 胎土は白っぽく、釉は黄色みを帯びています。
・ 形は優美で、細身のものや、蓮弁や蓮花の文様が流行します。
更に、六世紀に成ると、器表面は華やかな、貼り付け文で、飾られる様に成ります。
又、実用と言うより、装飾の為に、細い紐状の耳が、肩に複数個付いた壷なども、多く
出土しています。 これらの作品には、暗褐色の青磁釉が、掛けられています。
) 我が国に、中国から最初にもたらされた、青磁の器は、東京国立博物館所蔵の、青磁四耳壷と
言われています。奈良法隆寺伝来で、香料を入れる容器(丁子=ちょうじ)として、
使用された器です。重文に指定され、高さは26.4cmで、唐時代(618~907年)前半に
作られた物と、思われています。
・ 肌理(きめ)の細い、ねっとりとした胎土に、灰色かかった青緑色の青磁が、かかっています。
) 唐の後期になると、実用的な青磁が、大量生産される様になります。
王侯貴族や僧侶以外の、一部庶民にも、行き渡る様に成ります。
それに連れて、陶磁器(越州青磁)の輸出に、本格的に取り組み、世界各地へ運ばれて行ます。
我が国でも、多くの遺跡から、この時代の、青磁が出土しています。
③ 秘色(ひしょく)青磁: 釉肌は、萌黄(もえぎ)色、璧玉(へきぎょく)色、翡翠(ひすい)色を
しいます。 長らく、その正体が不明でしたが、近年明らかに成りました。
唐及び、その後の五代時代の越州窯(越窯=えつよう)で、焼かれた作品群です。
以下次回に続きます。
青磁とは本来、釉の名称である為、胎土は、磁器土、半磁器土、粘土(陶器)など、様々で、必ずしも
磁器を表すものでは、ありません。
② 古越磁(こえつじ)
) 戦国時代から、後漢後の、呉、西晋(せいしん)、東晋(とうしん)と五世紀にかけて、
南京の江南地方を中心に、多くの墳墓が作られ、そこから特色ある青磁が、出土します。
これらの青磁を、古越磁と呼びます。
特に我が国では、六朝時代(西晋、東晋、宋、斉、梁、陳)の越州窯の作品を、古越磁と呼びます。
) 古越磁は、前回お話した様に、最初は、副葬品の明器(めいき)として、作られました。
青銅器を模した、重厚で厳格な形から、次第に丸みを帯びた、軽やかな形へと変化し、
釉も改良が進み、滑らかに熔け、安定した色になって行きます。
) 五世紀以降、短命な王朝(宋、斉、梁、陳)が続きますが、青磁の需要が大きくなり、窯場も
拡散し、作品も多様化します。 胎土は白っぽく、釉は黄色みを帯びています。
・ 形は優美で、細身のものや、蓮弁や蓮花の文様が流行します。
更に、六世紀に成ると、器表面は華やかな、貼り付け文で、飾られる様に成ります。
又、実用と言うより、装飾の為に、細い紐状の耳が、肩に複数個付いた壷なども、多く
出土しています。 これらの作品には、暗褐色の青磁釉が、掛けられています。
) 我が国に、中国から最初にもたらされた、青磁の器は、東京国立博物館所蔵の、青磁四耳壷と
言われています。奈良法隆寺伝来で、香料を入れる容器(丁子=ちょうじ)として、
使用された器です。重文に指定され、高さは26.4cmで、唐時代(618~907年)前半に
作られた物と、思われています。
・ 肌理(きめ)の細い、ねっとりとした胎土に、灰色かかった青緑色の青磁が、かかっています。
) 唐の後期になると、実用的な青磁が、大量生産される様になります。
王侯貴族や僧侶以外の、一部庶民にも、行き渡る様に成ります。
それに連れて、陶磁器(越州青磁)の輸出に、本格的に取り組み、世界各地へ運ばれて行ます。
我が国でも、多くの遺跡から、この時代の、青磁が出土しています。
③ 秘色(ひしょく)青磁: 釉肌は、萌黄(もえぎ)色、璧玉(へきぎょく)色、翡翠(ひすい)色を
しいます。 長らく、その正体が不明でしたが、近年明らかに成りました。
唐及び、その後の五代時代の越州窯(越窯=えつよう)で、焼かれた作品群です。
以下次回に続きます。