わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

盆器(盆栽鉢) 5 (鉢の名称)

2011-09-17 22:50:51 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
10) 鉢の各部の名称

   鉢は縁(えん)、隅(すみ)又は角(かど)、胴(どう)、尻(しり)、足(あし)、穴(あな)

  などから成り立ちます。

 ) 縁: 縁の断面の形には、外側に張り出した外縁(そとえん)、縁の無い切立(きったて)

   又は単口(ひとえぐち)とも言う、及び、内側に張り出した、内縁(うちえん)の3種類が

   あります。 外縁の丸いものを玉縁(たまぶち)とも言い、持ち易いのが特徴です。

  ・ 内縁は鉢の壁より、縁(ふち)が内側になる構造の為、植え替えがし難いとも言われます。

 ) 角(隅): 隅入(入角)、 撫角 、隅切 などがあります。

  角(かど又はすみ)は、本来角ばった(90度に)物です。しかし、角が内側入った隅入(すみいり)、

  丸い角の撫角(なでかく)、角を切った隅切(すみきり)などの形ががあります。

 ) 胴: 太鼓、 鉄鉢 、反形 、碗形 、袋形 、切立下方、鋲打などがあります。

   a) 太鼓: 丸い鉢で、中央部が一番太く、底や縁に行くほど、径が細く成っている形です。

     中央部や縁部には、鋲が打ってある様な、文様が付いています。

   b) 鉄鉢: 僧侶が托鉢の際、持ち歩く鉢の形に似ている事から、付けられた名前です。

     鉄兜の様な形をしています。

   c) 反形(そりがた): 朝顔の花の様に、上部に行くに従い、径が大きく成り、反っている

     形です。

   d) 鋲打(びょううち): 太鼓の皮を張るために、太鼓の周囲には丸い鋲(びょう)が等間隔で

     並んでいます。 その様に、胴の周囲に鋲の様な、丸い飾りが付いた形の物です。

     鋲は、上段と下段の2箇所に付いた形が多いです。

   e) 袋物: 胴の中央が極端に膨らみ、高さが太鼓形より、低い形です。

   f) 切立下方: 縁が無い形を切立形と言いますが、口径寸法よりも背が高い、方形の形です。

 ) 胴の模様: 額入、窓入、胴紐(帯)、彫入などがあります

    額入: 胴の側面に額縁が、凸状に貼り付けられています。大体は胴の側面と相似形です。

    窓入: 胴の側面に窓状の凹みを付けた物で、必ずしも胴の側面とは相似形とは限りません。

        この凹み部分に、絵を施す場合もあります。

    胴紐: 胴の上部や中央部又は、下部に紐状(帯)の突起を、一周させた形です。

        紐が二重の場合もあります。」

    彫入: 胴部に彫刻した物で、山水画を彫った物や、様々な模様を浮き彫りにした物もあります。

       又、鉢を二重にし、外側に透かし彫りを施した物もあります。

11) 深さ(高さ)と大きさ

  ① 深さの呼び名: 浅、 中浅 、中深 、懸崖(けんがい)、蘭鉢 (ラン鉢)などです。

   蘭鉢が一番深く、懸崖、大深(おおぶか)、中深(ちゅうぶか)、中浅(ちゅうあさ)、

   浅(あさ)、陶盤(とうばん)と順に低くなります。

  ② 大きさ: 鉢の大きさは、外寸法(mm)が使われていますが、昔からの尺間法も依然として

    使われています。一寸=約3cmなので、5号といえば5号×3cm=約15cmの鉢と容易に

    想像できます。

   ・ 注意点は、外寸法で表示される為、どの位の樹が植えられるかは、縁(えん)の種類や、

     鉢の厚みによって異なる事です。

以下次回に続きます。
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