3) 近年は焼成時間が短くなっています。
② 素焼きの時間も短くなっています。(前回の続きです。)
) 素焼きでの爆発事故の原因。
) 素地に含まれる有機物が燃える温度。
) 素焼きで「ひび」が入り易い温度。(素地の熱的変化と、結晶水の放出)
a) 素地に含まれる水の量は、成形水量と結晶水に分かれます。成形水量は可塑性を増す
働きがあり、成形方法によって増減する事ができます。大気中に放置すれば、徐々に蒸発し
乾燥が進みます。
b) 結晶水は素地内で化学的に結合した水で、大気中では絶対に蒸発する物ではありません。
一般に素地の中に14%程度含まれており、粘土物質では450~500℃の加熱で粘土の結晶が
破壊されて、結晶水が失われると言われています。尚、粘土の成分によって、結晶水が抜け
出る温度も変化します。結晶水が抜けるこの状態の粘土質を、メタ・カオリンと呼びます。
吸熱反応ですので、この温度範囲内では、温度上昇が鈍くなり勝ちです。
市販の粘土を使う場合、この間に温度を急上昇させても、ほとんど問題に成りません。
但し、素地によっては、急上昇させると、分解温度で収縮が起こり、素地の内部と外部の
温度差によって歪(ひずみ)が発生します。この歪を解消する為に、亀裂が入る場合もあり
ます。
c) 上記温度範囲は、素地の粒子の細かさ、密度、温度の上昇速度によって変化します。
即ち、粒子が細かい程、更に温度上昇が遅い程、低温で分解が進みます。
d) 石英を多く含む素地(蛙目粘土など)では、550~650℃の間で大きく膨張します。
石英は珪酸(SiO2)の原料として、砂状や塊状として存在します。
石英は573.3℃で長さ方向で、0.45%、体積で1.35%膨張します。但しこの現象は可逆性で、
冷える際には、同じ量減少します(冷め割れの原因)。それ故、石英を多く含む土は、
この温度範囲では、慎重に温度上昇させる必要がります。
e) 尚、素地がガラス質に変化し始めるのは、約980℃程度からです。それ故、素焼き後に
施釉するのであれば、この温度以下で終わらなければ成りません。
) 冷め割れ現象。
窯焚きは温度を上昇させるだけでなく、窯を冷ますのも窯焚きの重要な要素になります。
素焼きのみならず、本焼きに付いても言える事ですが、ここでは素焼き時に付いてのべます。
600~500℃の間で、肉厚が厚く、石英を多く含む粘土などでは、急冷すると「冷め割れ」を
起こします。これは上で述べた様に、石英の結晶の形態が変わり、容積が急減するからです。
他の成分との間に歪(ひずみ)が発生する為で、この歪を解消する為に、「割れ」が発生
する物です。その為、急激な冷えは悪い影響を与えます。
何度も述べますが、市販の粘土類は、様々なトラブルを回避する様に、調合されていますので、
上で述べる事柄は、ほとんどありません。それ故、素焼きの時間も3~4時間で終わらす事も
可能に成ってきています。但し、素焼きでは素地の生乾きによる水蒸気爆発に気を付ければ、
従来の半分程の短時間焼成も可能です。
② 素焼きの時間も短くなっています。(前回の続きです。)
) 素焼きでの爆発事故の原因。
) 素地に含まれる有機物が燃える温度。
) 素焼きで「ひび」が入り易い温度。(素地の熱的変化と、結晶水の放出)
a) 素地に含まれる水の量は、成形水量と結晶水に分かれます。成形水量は可塑性を増す
働きがあり、成形方法によって増減する事ができます。大気中に放置すれば、徐々に蒸発し
乾燥が進みます。
b) 結晶水は素地内で化学的に結合した水で、大気中では絶対に蒸発する物ではありません。
一般に素地の中に14%程度含まれており、粘土物質では450~500℃の加熱で粘土の結晶が
破壊されて、結晶水が失われると言われています。尚、粘土の成分によって、結晶水が抜け
出る温度も変化します。結晶水が抜けるこの状態の粘土質を、メタ・カオリンと呼びます。
吸熱反応ですので、この温度範囲内では、温度上昇が鈍くなり勝ちです。
市販の粘土を使う場合、この間に温度を急上昇させても、ほとんど問題に成りません。
但し、素地によっては、急上昇させると、分解温度で収縮が起こり、素地の内部と外部の
温度差によって歪(ひずみ)が発生します。この歪を解消する為に、亀裂が入る場合もあり
ます。
c) 上記温度範囲は、素地の粒子の細かさ、密度、温度の上昇速度によって変化します。
即ち、粒子が細かい程、更に温度上昇が遅い程、低温で分解が進みます。
d) 石英を多く含む素地(蛙目粘土など)では、550~650℃の間で大きく膨張します。
石英は珪酸(SiO2)の原料として、砂状や塊状として存在します。
石英は573.3℃で長さ方向で、0.45%、体積で1.35%膨張します。但しこの現象は可逆性で、
冷える際には、同じ量減少します(冷め割れの原因)。それ故、石英を多く含む土は、
この温度範囲では、慎重に温度上昇させる必要がります。
e) 尚、素地がガラス質に変化し始めるのは、約980℃程度からです。それ故、素焼き後に
施釉するのであれば、この温度以下で終わらなければ成りません。
) 冷め割れ現象。
窯焚きは温度を上昇させるだけでなく、窯を冷ますのも窯焚きの重要な要素になります。
素焼きのみならず、本焼きに付いても言える事ですが、ここでは素焼き時に付いてのべます。
600~500℃の間で、肉厚が厚く、石英を多く含む粘土などでは、急冷すると「冷め割れ」を
起こします。これは上で述べた様に、石英の結晶の形態が変わり、容積が急減するからです。
他の成分との間に歪(ひずみ)が発生する為で、この歪を解消する為に、「割れ」が発生
する物です。その為、急激な冷えは悪い影響を与えます。
何度も述べますが、市販の粘土類は、様々なトラブルを回避する様に、調合されていますので、
上で述べる事柄は、ほとんどありません。それ故、素焼きの時間も3~4時間で終わらす事も
可能に成ってきています。但し、素焼きでは素地の生乾きによる水蒸気爆発に気を付ければ、
従来の半分程の短時間焼成も可能です。
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