わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸は総合芸術である 1(美術的要素)

2009-09-29 22:27:35 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
陶芸は、美術的要素と、文化的要素、科学的要素、そして実用的要素など、幅広い事項を持ち、

その知識が有用で、総合芸術と、言われているのも、最もな事です。

陶芸が、他の芸術品と、最も違う点は、実際に使用する用途(実用性)が、有る事です。

では、具体的な事を、述べたいと思います。

1) 美術的要素

 ① 美しい物、デザイン性

   出来上がった作品が、美しく無ければ成りません。

   ここで言う、「美しい」とは、単に綺麗と言う意味だけではなく、何らかの魅力を持っていると、

   言う事です。 たとえ形が歪んでいても、又傷が有ったとしても、手触り、温もりなど、

   人に安らぎを、与えてくれる物は、「美しい」物です。

   又、優れたデザインや、合理的なデザインも、「美しい」ものです。

   更に、使い勝手の良い(使い易い)物も、「美しい」ものと言えます。

 ② 絵画、書の要素

   絵や書は、一般的に、平面に描かれた芸術です。

   陶芸作品も平面だけでは無く、立体的な面を有し、その面(平面、曲面)に、

   絵や書(文字)等を、描きます。(下絵、上絵付け)

   又、絵や書には、「構図」と言う、大事な要素が有ります。どの位置に、何を、どの様に配置するか、

   と言う事で、全体のバランス感覚(美的感覚)が、必要です。

   更に、書や絵では、線が「生きている」とか、「死んでいる」とかと、表現する場合が有ります。

   1本の線を描くだけで、その人の技量(腕前)が、解かると言われています。

   それ故、絵画や書の心得があれば、より作品に、幅を持たせる事が、可能に成ります。

   尚、陶器の場合には、最初から最後の窯焚きまで、一人で行う事が多いですが、特に磁器では、

   作業が分業化し、絵付け専門の方がいます。

 ③ 彫塑(ちょうそ)、彫刻、篆刻(てんこく)の要素

  ) 彫塑は、立体的作品を作る際、材料に成る粘土などを、足して(加えて)行く方法です。

    (原型を粘土で作り、石膏型や砂型に取り、更に銅や鉄等の金属に、置き換え、完成させます。)

  ) 彫刻は、逆に一塊の材料(石や、木材、金属など)を、削り取って、作品に仕上げる方法です。

  ) 篆刻は、印鑑の様に、石や木材、金属等に、字や模様(紋章など)を掘り込む物です。

  何れの要素も、陶芸作品に、使える事が出来る、重要で必要な技法です。


以下次回に続きます。
   

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