隆盛を極めた宋の時代には、皇帝、貴族、文人等がお茶を飲む為の、最高の茶器として、青磁が
珍重されます。更に龍泉窯から、多くの作品が、我が国にも輸出されました。
⑧ 「砧青磁」「天竜寺青磁」「七官青磁」その他
) 砧(きぬた)青磁
我が国で一番有名なのが、龍泉窯で焼かれた、国宝の「青磁鳳凰耳花生」銘萬声の、砧青磁です。
その他、鎌倉円覚寺伝来の、重文の「袴腰(はかまこし)香炉」が著名です。
砧とは、布や衣を叩く為の道具で、手に持つ部分が細く、途中から太い円柱形をしています。
この形に似ている事からとか、千利休が「ひび」の入った、青磁を見て、謡曲「砧」の砧を打つ
響きに掛けて、名付けたとも、言われています。
a) 胎土はかなり白く、たっぷり掛けられた釉は、半透明感のある、澄んだ青緑色をしています。
釉は柔和な光沢を持ち、明るい光の下では、一段と華やぎ、器形も均整が取れ、ゆったりした
おおらかさを、感じさせます。無文を基本にしますが、彫刻を施したものも在ります。
花瓶や香炉のみに、使われる名前です。
b) 砧青磁は、我が国に多く運ばれ、日本各地の遺跡から、大量の破片が出土しています。
c) 我が国では、青磁と言えば、砧青磁の色を理想として、この色を目指している方も多いです。
(故板谷波山は、青磁の制作で、文化勲章を受けられています。その他、宇野仁松、諏訪蘇山、
川瀬忍、塚本快司など、多くの人々が、青磁を手がけて、独自の綺麗な青磁を、作ています。)
) 天竜寺(てんりゅうじ)青磁
a) 濃い黄緑色の青磁で、浮き牡丹文などの刻文や、貼り付け文のある物も多く、装飾に主眼を
置いた、新しい作品とも言えます。
b) 元代後期から、龍泉窯で焼かれた青磁で、厚手に作られ、大皿(大盤)、花瓶、香炉など
大型作品も多いです。東南アジアなどに、大量に輸出されています。
c) 名前の由来は、室町時代、足利尊氏が始めた、貿易船の「天竜寺船」や、京都の天竜寺に伝わる、
青磁の香炉に、由来するとの説があります。
) 七官(しちかん)青磁
濁った青緑色(又は、黒みがかったで透明な緑色)の青磁で、侘茶(わびちゃ)の席で、珍重され、
古渡(こわたり)、中渡(ちゅうわたり)、新渡(しんと)と、作品に、時代の差があります。
a) 明中期頃より、龍泉窯は衰退して行き、地方の日用雑器を焼く、窯に成ってしまいます。
これらは、龍泉窯青磁の最終段階で、退廃的な雰囲気が、漂っている作品です。
b) 珠光(じゅこう)青磁は、茶人の村田珠光(足利義正に仕える)が好んだ青磁の茶碗で、
くすんだ鶯色をしており、櫛で彫った文様があります。
どちらかと言えば、下手の部類に属す青磁とも言われています。
又、人形手と呼ばれる、黄色っぽく、人形の文様のある青磁もあります。
) 飛(とび)青磁
元時代、龍泉寺窯で焼かれたと思われる、鉄分を含んだ顔料を、散らした斑文のある青磁です。
斑文の位置は、一見バラバラの様ですが、計算されているのは、確実です。
鴻池伝来の、国宝「飛青磁花生」や、福岡藩黒田家伝来の、重文の「飛青磁花生」が有名です。
茶人によって、花生として、大変珍重されている物です。
中国の青磁の話は、ここで終わりにし、次回より朝鮮の青磁について、お話します。
珍重されます。更に龍泉窯から、多くの作品が、我が国にも輸出されました。
⑧ 「砧青磁」「天竜寺青磁」「七官青磁」その他
) 砧(きぬた)青磁
我が国で一番有名なのが、龍泉窯で焼かれた、国宝の「青磁鳳凰耳花生」銘萬声の、砧青磁です。
その他、鎌倉円覚寺伝来の、重文の「袴腰(はかまこし)香炉」が著名です。
砧とは、布や衣を叩く為の道具で、手に持つ部分が細く、途中から太い円柱形をしています。
この形に似ている事からとか、千利休が「ひび」の入った、青磁を見て、謡曲「砧」の砧を打つ
響きに掛けて、名付けたとも、言われています。
a) 胎土はかなり白く、たっぷり掛けられた釉は、半透明感のある、澄んだ青緑色をしています。
釉は柔和な光沢を持ち、明るい光の下では、一段と華やぎ、器形も均整が取れ、ゆったりした
おおらかさを、感じさせます。無文を基本にしますが、彫刻を施したものも在ります。
花瓶や香炉のみに、使われる名前です。
b) 砧青磁は、我が国に多く運ばれ、日本各地の遺跡から、大量の破片が出土しています。
c) 我が国では、青磁と言えば、砧青磁の色を理想として、この色を目指している方も多いです。
(故板谷波山は、青磁の制作で、文化勲章を受けられています。その他、宇野仁松、諏訪蘇山、
川瀬忍、塚本快司など、多くの人々が、青磁を手がけて、独自の綺麗な青磁を、作ています。)
) 天竜寺(てんりゅうじ)青磁
a) 濃い黄緑色の青磁で、浮き牡丹文などの刻文や、貼り付け文のある物も多く、装飾に主眼を
置いた、新しい作品とも言えます。
b) 元代後期から、龍泉窯で焼かれた青磁で、厚手に作られ、大皿(大盤)、花瓶、香炉など
大型作品も多いです。東南アジアなどに、大量に輸出されています。
c) 名前の由来は、室町時代、足利尊氏が始めた、貿易船の「天竜寺船」や、京都の天竜寺に伝わる、
青磁の香炉に、由来するとの説があります。
) 七官(しちかん)青磁
濁った青緑色(又は、黒みがかったで透明な緑色)の青磁で、侘茶(わびちゃ)の席で、珍重され、
古渡(こわたり)、中渡(ちゅうわたり)、新渡(しんと)と、作品に、時代の差があります。
a) 明中期頃より、龍泉窯は衰退して行き、地方の日用雑器を焼く、窯に成ってしまいます。
これらは、龍泉窯青磁の最終段階で、退廃的な雰囲気が、漂っている作品です。
b) 珠光(じゅこう)青磁は、茶人の村田珠光(足利義正に仕える)が好んだ青磁の茶碗で、
くすんだ鶯色をしており、櫛で彫った文様があります。
どちらかと言えば、下手の部類に属す青磁とも言われています。
又、人形手と呼ばれる、黄色っぽく、人形の文様のある青磁もあります。
) 飛(とび)青磁
元時代、龍泉寺窯で焼かれたと思われる、鉄分を含んだ顔料を、散らした斑文のある青磁です。
斑文の位置は、一見バラバラの様ですが、計算されているのは、確実です。
鴻池伝来の、国宝「飛青磁花生」や、福岡藩黒田家伝来の、重文の「飛青磁花生」が有名です。
茶人によって、花生として、大変珍重されている物です。
中国の青磁の話は、ここで終わりにし、次回より朝鮮の青磁について、お話します。