愛知の史跡めぐり

愛知県の史跡を巡り、その記録を掲載します。

三河一向一揆 金龍静氏講演会

2013年12月21日 09時45分27秒 | 安城市
 12月15日(日)、安城歴史博物館にて第2回目の三河一向一揆講演会が行われました。講師は、金龍静氏です。金龍氏は、現在本願寺史料研究所副所長です。蓮如、真宗等の研究者です。現在北海道に住んでおられ、こちらには飛行機でみえられたそうです。年齢は64歳です。


 お話は、「一向一揆とは何か」という演題で、それこそ蓮如の頃から石山合戦に至るまでをお話していただきました。話の基調は、このころの本願寺派の運動を「一向一揆」と「寺内町」ととらえ、その視点で一連の一向一揆を論じていました。

17世紀に受け継がれた一向一揆
 三河一向一揆は、その点で一向一揆運動と寺内町運動が合体したものであると言っていました。つまり、事の発端が上宮寺あるいは本證寺の寺内町の不入権をめぐり、それを家康が認めるかどうかがこの一揆の本質であり、そのことで一揆が発生したからということでした。
 金龍氏の意見は話の最後にありました。一向一揆が石山合戦の後に収束したように見えますが、その後のことを徳川や秀吉などの大名との関係で一向一揆をとらえるのではなく、17世紀から18世紀に各地で行われた農民の動き、例えば東京の築地の建設(はじめ幕府の無理難題な命令として農民に強いられたが、農民たちは漁のたびに土を盛り、現在の築地になったと言う)などに運動が引き継がれているのではないか、そのことをもっと掘り起こしていくことが大切と言っていました。