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虚勢

2008年04月15日 | 日記・エッセイ・コラム
いてまうぞぉ~、こらぁー!
 
午後6時15分、仕事を終えて車に乗り込む。
レンタルDVDを返却し、家までの道のりを
急ぐ。
家の近くまで帰って来ると、
いつものようにコンビニに立ち寄り、
ビールを購入する。
 
歩道に気をつけながらコンビニの駐車場へ。
ちょうど目の前が空いている。
ラッキー。
ドリンクホルダーに準備しておいた空き缶二つを
手に取り、
颯爽と車から飛び降りる。
いや、飛び降りない。
ドアを開けて、そっと降り立つ。
 
ゴミ箱に空き缶を丁寧に捨て終わると、
ドアに手をかけ中に。
まさにその時、中から物騒な声が聞こえてきた。
 
 
「いてまうぞぉぉぉぉぉ! こらぁぁぁぁぁぁ!!」
 
 
店内に響く恫喝。
僕は勿論、他の客も一瞬止まったように見えた。
視線は彷徨いながらも、
全員の意識は、その人影に集中しているように思えた。
 
「殺すぞぉ!」
 
「アホか、今からやったら無理やし!」
 
「オレ、関係ないしぃ!」 
 
大声で恫喝し続けているのは、
高校生だった。
しかも相手は
 
“携帯電話”
 
「・・・・・・・」
 
ナニを言っていいやら。
ちょっと恐いし、へんな空気になっても丸く治める度量もないし、
彼が店内で大声で喋っている事を
注意する事は出来なかった。
 
そんな大声男を仲間と思しき男女二人が
ニヤニヤしながら見つめている。
 
その昔、
初めて大阪へ行ったとき、弟が豚まんを買って
電車の中で食べた。
腹が減っていたのかと聞くと、
 
「なめられないように」
 
彼なりに考えての事だった。
 
 
昨日の三人連れを見ていて、あの豚まんを思い出した。
 
注意こそ出来なかったが、
誰もが微笑ましく、あの馬鹿三人組を笑って
見守っていたように思える。 
 
 
よく言えば・・・・ね。
 
 


コメント
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