常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

2021年06月16日 | 日記
昨日、午後になって雷がなった。空を見ると雨雲が移動していて、局地的に雨を降らしている。日没のころに陽ざしが出て、この夏一番の夕日が見えた。上空に寒気が入って、地上の温度が上がると、大気が不安定になる。落雷や雹の被害が各地に出ている。5月の霜、6月の雹。青果や果実に大きな被害が出る。今年のサクランボの生産は3割減というニュースが流れている。

山の仲間が朝どりのキュウリを届けてくれた。さっと洗って味噌をつけて食べる。取り立てでなければ味わえない瑞々しい味だ。早くも梅が出まわってきた。水上勉は梅干しを漬けた。毎年のように漬けるので、梅干しがたまっていく。そのことに水上はこんなことを書いている。「これらのぼくの作品がぼくの死後も生きて、誰かの口に入ることを想像する。ろくな小説も書かないで、世をたぶらかして死ぬだろう自分の、これからの生の短いことを考えると、せめて梅干ぐらいのこしておいたっていいではないか。」(水上勉『土を喰う日々』)

これは水上の謙遜である。梅干に作品と言っているのは、自分の小説と同じく考えているに違いない。晩年、目や手が不自由になっても、パソコンなどの電子機器を駆使して、作品を書き続けて執念をみれば、後世に伝えたい作品は梅干しだけではないことは自明のことである。

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