早いもので、今年も今日で2月が終わる。今年は閏年で4年に1度、1日多い2月29日がある。この間、楽天イーグルスの梨田監督に初孫が生まれ、29日に生まれなくてよかった、とコメントした。理由は12年経っても3歳にしかならないと、笑いを誘った。1年は正確に言えば、365.2422日である。4年に1度、366日にしたのは、ローマのユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)である。暗殺された日「ブルータス、おまえもか」と吐いた言葉は、今も歴史に残るが、この暦はその名をとって「ユリウス暦」と呼ばれる。
ところが、端数の.2422を4倍しても.9688でまる1日というわけにはいかない。そこで、閏年は400年に100回ではなく、97回にしたのが、ローマ法王グレゴリオである。1582年に定められた暦は、グレゴリオ暦とされ、日本では明治31年にこの暦が採用された。閏は門がまえに王だが、普段の年は廟のなかで眠り、閏年に門のなかに出てくるという意味らしい。
ところで近代オリンピックが復活して、アテネで第1回大会が開かれたのは、1896年である。この年は閏年であったので、4年に1回開催されるオリンピックは、かならず閏年にあたることになる。マラソン競技は、オリンピックの種目にはなかったが、かって古代ローマの「マラソンの戦い」での勝利の知らせを、伝令する兵士にマラソンからアテネまでの約40キロを走らせた。走り終わって兵士は勝利を知らせると、その場に倒れて絶命した。この故事を記念した競技をとの声が高まり、マラソンがオリンピックの種目に加えられた。
ギリシャで選手となったのは水の運搬人であるS・ロウエス。自国の選手に栄冠を取らせたいと考えたギリシャ人が沢山いた。金持ちのアベロフ、多額の賞金と自分の娘を結婚させると約束した。床屋と仕立屋は、一生無料で散髪し、好みの洋服を贈る。菓子工場の経営者は、1000キログラムのチョコレートなどなど、マラソンはおおいに盛り上がりを見せた。このニンジン作戦が成功したのか、ギリシャのロウエスが勝利を飾った。彼は既婚者であったので、金持ちの娘と結婚することはなかったが、一生のあいだ食うに困らない賞金と賞品を手にした。