goo blog サービス終了のお知らせ 

常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

花曇り

2025年04月19日 | 日記
週末になって気温が連日夏日になっている。少し霞んで花曇りと言えそうな陽気だ。足が弱った妻を車に乗せて、満開の桜を見てきた。風が吹いても、一輪も花が落ちない不思議。もう数日で落下が始まる。室内のハーブの鉢植えをベランダに出す。タイムとラベンダーの苗を買って鉢に植えた。ラベンダーは蕾を持ち、冬を越したスミレはハチ一杯に葉を広げ、花が咲きだしている。サンショウの葉が元気に葉を広げた。まさにハーブの季節到来だ。テレビでハーブ農家の様子が紹介されていた。

花曇羨しやひとの畑作る 木村ひろし

ブックオフで星新一のショートショート『夜のかくれんぼ』を買う。睡眠用の朗読も昔話からショートショートへ。「若葉の季節」が面白い。山あいの小さな町の小さなホテルに泊まる若い女性。実はこの町にには、生贄として若い女性を小屋ごと燃やす秘密の儀式がある。この儀式を毎年行うことで、町の人々の安全を担保するためだ。その女性に好意を抱いたホテルのフロントの青年が、こんな儀式で女性を死なせては可哀そうだと、二人でひそかに列車で逃げる。そして着いたのは、その女性の住む小さな村の実家。この村にも秘密の儀式があった。よそ者の男を湖の底に沈めるというものだ。女性を救った青年が皮肉にもこの儀式に使われる皮肉運命。

夜の眠りのつく時間にはユーチューブから聞こえてくるショートショート。思いがけないどんでん返しが起きる話は新鮮だ。何時かは読みたいと思っていた星新一の短編小説。これを聞きながら眠る贅沢な時間。因みに昨夜の睡眠スコアは81点。昼のハーブと夜の星ワールドが幸せな時間をもたらしてくれる。
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村上市への旅

2025年04月18日 | 登山

今年になって山行は名所への旅という感が強い。新潟県村上市、日本海に面した古い街だ。市役所の近くに、村上城がある。臥牛山という標高135mの山に築城されている。上杉謙信が台頭する戦国時代の城である。山形で言えば千歳山に登るような気楽な散歩登山ができる。町並みは、古い町並みが残され、鮭が遡上してくる川でのサケ漁が行われ、鮭の寒風干しが名産になっている。

1667年に落雷により天守が消失、その後城主が次々と変わり、いまだに天守閣が再建されていない。こ山道はほとんど石畳が敷かれ、登りやすくなっている。道脇にエンレイソウ、カタクリ、シラネアオイなど山の花が咲き乱れ、石垣の上には桜の大木が今を盛りと咲いていた。小雨のなか、本来見えるはずの日本海は雲のような霧にさえぎられている。地形で海を想像してみる。参加者9名、一行は珍しい花を探し、その特定に余念がない。場所を変えて羽黒神社。階段の先の神社も桜が満開。しばらくぶりで、高低を伴った登山を思わせる歩きになった。臥牛山といい、羽黒神社も山形の山や山岳信仰がこの地でも共有されている懐かしがあった。
約2時間の名勝歩きを終えて、昼食は和食「ゆるり」。海の幸と新潟の米を使う海鮮丼。海の近くで食べる海鮮の新鮮さは格別だ。鮭の加工品売り場が食堂の隣にある。お土産に妻が好きな酒のカマ。以前、ここで作られた酒びたしをご馳走になったことがある。村上まで車で2時間、山歩き2時間、帰り道2時間。

gooブログのサービス終了が告知された。今日で開設から4776日、13年が経過したことになる。これを機会にブログの閉鎖が頭をよぎる。だが日々の暮らしで書いておこうと考えることのしばしば。生成AIの登場で書くことの新しいフェイズに入ったことへの興味もある。ここは他のサイトへ引っ越しして、当面継続することにした。サービスの終了は今年の12月、それまでにもっと多くの人から読まれるブログへのレベルアップも目指したい。
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サンショウの葉

2025年04月13日 | 日記
満開の桜にしとしと雨が降る。風がきたら桜が散る日もすぐそこ。穀雨がきてサンショウの葉が開き始める。もう一週間で葉桜になる。里山ソムリエの黒田三佳さんの本で紹介されたサンショウのレシピ。ボールいっぱいに摘んだサンショウをフードプロセッサーにかけ、塩ひとつまみを加えて、オリーブオイルを少しずつ加えていく。柔らかさ、塩加減は好みにあわせて。冷奴にのせたり、パスタのソースにもできる。三吉山に出るサンショウを採りに行こう。穀雨のころこそがその時期。

桜の花は人を呼ぶ。乳母車を押す若い母親、子どもと妻を桜のバックにスマホのシャッターを押す若い父親。老若男女、桜を見るのに年代も性別も問われない。萩庭朔太郎の詩「桜」から。

桜の下に人あまたつどひ居ぬ
なにをして遊ぶならむ。
われも桜の木の下に立ちてみたれども
わが心はつめたくして
花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ
いとほしや
いま春の日のまひるどき
あながちに悲しきものをみつめたるわれにしもあらぬを。

昨夜聞いた入眠朗読、「悪魔」。下水道に住む悪魔が街に出て、帽子屋で帽子に化けていたら、紳士に買われてレストラへ。紳士が席を外した間に3皿の料理をぺろり。紳士の頭の上で思わず笑い、寒くてくしゃみ。怪しんだ紳士が帽子をとろうとした瞬間、道に落ちてころころと逃げる。思わぬ追いかけっこの観衆がたくさん。やがて下水の入り口を見つけて逃げ込む顛末を聞きながら眠につく。
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桜と神話

2025年04月11日 | 日記
朝、坂巻川の桜を見に行くのが日課になった。今日は5分咲き、満開の日を迎えるまでが桜の見ごろだ。蕾が混在して、風に吹かれても落ちない強さがこの時期の桜にはある。今日はどこまで開花が進んだか、それをこの目で確認する。そして、その深い美しさを日ごとに確認する楽しみがある。日本人が桜を好むには理由がある。日本の国生みの伝説でもある神話の世界に桜が登場する。此花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)という女神がいる。この女神の依り木が桜であり、女神は桜のように美しく春に降臨する。その父は国の神であオオヤマツミノカミの神であった。  
                  

天孫としてこの国に降臨したのは、天照大御神の孫にあたるニニギノミコトであった。降臨した地は筑紫の高千穂である。その地の笠沙の岬で麗しい女神に出会う。その女神こそコノハナノサクヤヒメであった。桜のように明るく美しい女神であった。ほとんど一目惚れでニニギノミコトは結婚を申し込む。父親のオオヤマツミノカミの神は承諾したが、もう一人の娘で姉の石長毘売(イワナガヒメ)二人をニニギノミコトのもとに送った。だが、イワナガヒメは妹に比べ不美人であった。そのためニニギは姉を断り、コノハナノサクヤヒメだけを娶った。父は大きく嘆息して言った。「イワナガと二人を娶れば、永遠の命を得られたであろうに、これで天津神の御子の寿命ははかないものとなる。」

もう一つ物語がある。ニニギノミコトとの間に受胎したコノハナノサクヤヒメをミコトは疑いを持った。「お腹の子は本当に私の子か」とサクヤヒメに聞いた。侮辱に感じたヒメは「天津神の子はどんなところでも安泰に生まれましょう」と言って、産屋に火を放った。火の中で三人の子が元気に生まれた。御子の名にはいずれも火が入っている。つまり火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリリノミコト)、火遠理命(ホオリノミコト)である。ホデリが海幸彦、ホオリが山幸彦で、兄から借りた釣り針を失くし、海の中の竜宮に行き豊玉姫と結婚する話へと進んでいく。かつて、神話に親しんできた日本の人々には、コノハナノサクヤヒメや桜の花は忘れられぬものであった。
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春の花あれこれ

2025年04月09日 | 
春に花に出会うことは、人生に深い意義があるように感ずる。寒い、厳しい冬を乗り越えて春に出会う一輪の花。大げさに言えば、生きる力を与えてくれるのが花だ。フランス文学者で『花を旅する』の著者、栗田勇が花の思い出について語っている。
「長い間本を読んだりものを考えていても、知識は増えていきますが、その割になにか胸の底にすとんと落ちる、いいかえるとこれが人生の感動の瞬間だと自覚できるようなことは、なかなかないものです。さまざまな人間関係、若いときは友人や恋人がいますが、そういうものから離れたときに、自分が自分に返れる瞬間、そのきっかけになったのは、どうも花との出会いではなかったのか。逆にいうと、花との出逢いで、人との結びつきの想い出も生まれたという気がするのです」

春を待ち、花を愛でたのは俳人蕪村だ。友人の死を悼んで詠んだ詩「北寿老仙をいたむ」の書き出し。

君あしたに去ぬゆふべのこころ千々に
何ぞはるかなる
君をおもふて岡のべに行つ遊ぶ
をかのべ何ぞかくかなしき
蒲公の黄に薺のしろう咲きたる
見る人ぞなき

蕪村関連の書には花の句があふれている。散歩道で花を見ながら蕪村の句をひもとくもまた一興だ。

花に暮て我家遠き野道かな
花ちりてもとの山家となりにけり
行春や眼に会ぬめがね失ひぬ
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