常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

寒雀

2025年02月21日 | 日記
寒い日が続く。青空の日は、雀たちが鳴きかわしながら木の枝で遊んでいる。近づいてカメラを向けると、ぴたりと鳴くの止め、羽を膨らませおとなしい。一時雀を見なくなったが、最近はあちこちで群れて遊んでいるので繁殖も正常であるらしい。

寒雀一羽こぼれて皆こぼる 佐藤南山寺

越冬ツバメが歌になったことがあるが、鳥に詳しい柴田敏隆氏によると、避寒のために日本に渡ってくるシベリアに住む別種のツバメがいるらしい。寒い冬の日、冬眠しない鳥たちがどうやって寒さをしのぐのか不思議なことだ。木のウロなどに入り、身体を寄せ合って寒さしのぐのだろうか。夜明けとともに餌を探す姿はいかにもけなげだ。
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貴重な晴れ間

2025年02月15日 | 映画
昨日夕方から待ち遠しい晴れとなった。今日はどこを見ても雲一つない青空。明日からまた寒気が居座るらしいから今日の晴れ間は貴重だ。まだ散歩道に雪が残っているが、太陽をいっぱい浴びて風に吹かれながら朝の散歩を楽しんだ。今年の2月は寒い。この次の寒波はそれほどの低温ではないが25日ごろまで続くらしい。だが、春の予感にピクセルのヘルスケアの数値も改善してきた。睡眠スコア81の良好、脳年齢も54歳から60歳台を上下している。一日の過ごし方も、ハーブたちへの水やり、妻の服薬管理、朝散歩、アロマの吸引で一日の元気をもらうなどやるべき事が固まってきた。ブックオフや書店をまわり、気になる本を見つけることも大事な日課。就寝前に妻と見るアマプラ映画。題名を見ながらどれをみるか、一日の最後に決めるのも楽しい。

先日観たのは、田中裕子主演「いつか読書する日」。題名に惹かれてこの映画を選んだ。この主人公は早朝の牛乳配達、自転車をこいで通うスーパーでレジを担当。坂道の多い街を走り回る姿はエネルギーにあふれている。50歳で独身の主人公美奈子には大切に胸しまっている男性がいる。同級生で市役所のこども課に勤務する高梨槐太。画家の息子だ。末期の癌患者である妻がいる。夫の介護をうけるその妻は、夫の心の内を見抜いて、自分の死後美奈子と結婚することを勧める。彼女はその旨を書いた同じ手紙を遺書のように残す。二人はその手紙を読みお互いに心を開く。結婚を暗示しているシーンがあるが、大雨で増水したダムの近くで子どもが溺れたのを見つけた槐太は、増水した川に飛び込む。少年は救急隊に救われるが、助けようとした槐太溺死する。死体となった槐太の顔には微笑が残っていた。

悲しい出来事の後も美奈子の牛乳配達は続く。母のところへ配達して、「これからどうするの」という問いに、美奈子の答えは。「本でも読む」。不思議に元気がもらえる映画だ。田中裕子の演技のたくましさがかいま見える。
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眼力

2025年02月13日 | 読書
立春を過ぎてから日が経つのが早い。寒気は入りっぱなしだったが、晴れや気温の高い日も混じるようになった。室内に入れたクンシランが花を咲かせ、アマリリスの葉のわきに花芽が二つのび始めた。あと10日ほどで花を見られるかも知れない。予報では、明日から寒冷前線が南下、全国的に気温が下がり雪になるらしい。

最近はニュースをテレビよりネットで見る機会が増えた。ネット上には役に立つ科学に裏打ちされた情報となんの根拠もない情報が混在している。そこを見極める力が求められる。先日兼好の『徒然草』を読んでいたらその辺の極意のようなものが記るされていた。第194段。「達人の、人を見る眼は、少しも誤る所あるべからず」この段で兼好は「ウソ」に対する反応の仕方を10のパターンに分けて人の眼力を測っている。

1ウソをその通り真実として受け取り騙される人
2ウソを信じ切り、その上にまたウソを重ねる人
3何とも思わず無関心な人
4多少不審に思い、信用するでもなく、信用しないでもなく思案している人
5真実らしいとは思わないが、人の言うことだからそんなこともあるかもしれ 
 ないと、放っておく人
6いろいろ推測し、分かったふりをして、利口そうにうなずき微笑するが実は
  全くわかっていない人
7推測してウソを見破り、ウソに違いないと思いながら自分の推測が間違って  
  いるかもしれないと、不安に思っている人
8当たり前のことだと、手を打って笑う人
9ウソだとわかっているが、知っているとも言わず、わかったことについてあ  
  れこれ言わず、知らない人と同じふりをしてやり過ごす人
10ウソの意図をはじめからわかっているが、それを小馬鹿にせず、その人と心を合わ
  せて、人をだますことに協力してしまう人

兼好はこれらの人を愚かと言っている。兼好のウソへの反応の分類はみごとというほかない。いま自分の心のなかにこの分類項目が多く含まれていることに驚かされる。眼力ある達人の前では、これら愚かな人の真意を見抜くのは、手の平の上のものを見ることのように簡単だと語っている。眼力はメディアリテラシーと言い換えてもいい。ウソの情報のなかには何らかのサインが隠されている。その意味読み取ることができることが眼力があるということだ。
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春を待つ

2025年02月10日 | 日記
昨日、待ちわびた雪晴れ。今朝になってまた雪。しかし、気温が上がってボタン雪になった。ふんわり、ふんわりと落ちてくる雪は親しみが持てる。滝平二郎の切り絵と詩が懐かしい。

舞うや 浮かぶや 牡丹雪。
連れて もつてて
あわやとみせて、
あとはすげないふりをして。
別れのあとのわびしさは、
見上げる空のなまりいろ。
すがるものとてないままに、
ただ黙々とボタン雪。

昨日のアマプラはテレビドラマの連作「深夜食堂」。昭和の一膳飯がなつかしい。温かい炊き立てのご飯に削りおろしたかつお節をのせ、醤油をたらす。同じく炊き立てのご飯にバターを埋め溶け出すのを待って醤油をたらす。猫まんまとバターライス。登場人物もお茶漬けシスターズ。演歌歌手を目指す少女。計9話。どの話にも昭和の世相が映されてなつかしい。
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最高の人生の見つけ方

2025年02月08日 | 映画


立春から雪が止まない。あまりに降り続く雪に妻が体調を崩し、ひたすら日の光を待っている。昼近くなってやっと青空が見えた。山形市のラインに豪雪対策本部の設置がアナウンスされた。大雪は高齢者の生活を直撃する。買い物を控え、冷蔵庫に残った小松菜とありあわせの野菜を混ぜて煮物にする。車の屋根の雪を除き、道にでる道をつける。雪ごもりの楽しみは映画。アマゾンプライムは救世主と言っていい。

昨日が「最高の人生の見つけ方」、そして今日は「東京タワー~オカンとボクと時々、オトン~」。人生の見つけ方は同名のアメリカ映画を日本版にリメイクしたコメディだ。主演吉永小百合、天海祐希。普通の主婦の幸恵と実業家で富豪の女社長マ子は末期がんで偶然病院の同室となる。二人は余命半年。異なった人生を歩いて、考えも価値観も異なっているが、お互いの苦悩を知り友情を深めるようになる。病院の外で散歩中に知り合った少女が倒れた。救急隊が少女が運ばれて行くが、薬手帳が落とされていた。その中に少女は死ぬまでにやり遂げたいリストを書いていた。

夫に自分の病気を告げることもできない幸恵。死ぬまでにやりたいことのリストを書き始めるが何も思い浮かばない。少女が残した手帳を見ながら、これをやりぬこうと思う。幸恵の決心を聞いたマ子は呆れるが、「私それにのる」と答える。マイジェット機で最初に向かうのはアメリカの飛行場。二人が無謀な挑戦をするのは飛行機からのスカイダイビング。映画ならではの設定だが、吉永と天海の演技力が見ごたえを感じさせる。エジプトのピラミッドから、東京の大ホールで桃色クローバーゼットのライブでスポットを浴びながら歌って踊る。圧巻はマ子の逆上がり。父のいる施設でそれを成し遂げるのだが、認知症の父はマ子の頭を「偉い、偉い」といいながら撫で続ける。父のやさしさに初めて触れたマ子は「お父さん」と泣きながら抱きつく。

マ子は巨額の遺産を幸恵に残して死んでいくが、「東京タワー」のオカンも癌の抗がん剤治療に苦しみぬいて死ぬ。二本続けて末期がんの死の場面が痛々しい。雪の日の物語にしては、やるせない気持ちになる。
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