常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

新そば

2024年11月10日 | グルメ
秋の楽しみに新そばがある。おりしも天童高原の交流センターで新そばまつりが開催されている。高原で栽培されたそばを収穫して手打ちしたかおり豊かな新そばが賞味できる。山の仲間に誘われてはるばる天童高原まで行ったきた。急に寒気が来て上の面白山は樹々に雪が積もっていた。新そばと言えば思い出すのは大久保のあらきそばである。

栗の屋に新そばとあり紙白し 清水公照

奈良東大寺別当の高僧もあらきそばの栗の柱の傍らで新そばを味わった。奈良といえば蕎麦はあまり食べず饂飩が主流だ。あらきそばの太うちは、うどんに匹敵する太さだ。新そばと紙に書いただけで、その年に初獲りの甘い蕎麦が口中に広がる。天童高原の新そばは、細切り麺。年に数回の催なので、そば切りも職人さんではないかも知れない。細麺だが香りは高く、蕎麦に甘みがある。あらきそばの向こうを張る新そばであった。食べた後、スキー場の上の山道に行った紅葉を見た。板そばの写真も添える予定でああったが、つい食べるのに夢中になって忘れてしまう。山の紅葉をしっかりとカメラに収めて帰路に就く
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おでん

2024年11月03日 | グルメ
11月は寒気とともにやってきた。スーパーに買い物に行っておでん種を見つけ急におでんが食べたくなった。秋になるといち早くコンビニにおでんの旗が立ち季節を告げる風物詩になっている。空の雲や樹々の色で季節を感じるのでなくコンビニの旗やおでんを炊く匂いに冬を感じる。なんとも情けないような気がする。冬になっておでんが食べたくなるのはおでん屋に青春の思い出があるからだ。最近はラーメン屋の行列ができるがあまりおでん屋に人が集まる景色は見ない。若者たちがあまり食べなくなったのだろうか。

おでんはそもそも田楽からきている。コンニャクを湯がいて味噌をつけた簡単ものだが、発展して出汁を入れた醤油鍋に、コンニャク、大根、はんぺん、がんもどき、豆腐、くし刺しにした銀杏、卵など煮込んだものに変化していった。大鍋の汁は変えることなく使うのおでん屋の自慢だ。「大根、豆腐」などと注文すると、店の親父さんが、「へい」と言ってドンブリに熱々の汁に注文した品を入れてくれる。燗酒を飲みながら、湯気の立つ大根をフーフー引きながら食べると身体中が温まる。裏口が開いて鍋を差し入れる主婦がいた。何も言わず親父さんは鍋にたっぷりの汁と煮だった具材をを入れて渡す。その家では今夜はおでんで夕食という贅沢するのがすぐに見て分かる。

旧県庁の近くに「ふくろ」というおでん屋がある。学生時代からの馴染みで、コンパと言えば安くて腹いっぱいになるこの店に集った。就職してからも、この店が行きつけのようになった。会社帰りのバスを待つ間に店に寄ると、おでんをよそりながら親父さんが色んな話をしてくれた。東京で空襲にあったという。命からがら逃げた話も生々しかった。東京に店をたたんで、山形で開業したという話だ。まだ西も東も分からない若者におでんの修行時代の話をしてくれた。そんなひとときが私の青春時代を豊かにしてくれた。関東炊きということも親父さんから聞いた話だ。京都にもおでん屋があるが、このやり方は関東炊きと呼ばれ関東が本場あったらしい。
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春の味

2024年03月27日 | グルメ
春の雪の日のあとは、気持ちのいい青空。車のタイヤ交換をする。冬タイヤから、夏のタイヤに替えると、運転も軽やかになる。青空に誘われて、近くの空き地にフキノトウを探した。日かげでは、まだ出始めたばかりのフキノトウを10個ほど、フキ味噌にして春の香りを味わう。やはり摘みたてのものは、春の懐かしい香だ。この季節に出会える春の味覚だ。渡辺隆次に『山のごちそう』という本がある。この人は画家で、1ページ分を18個ほどの成長途上のフキノトウが描きわけてある。フキ味噌の作り方も丁寧に紹介されているが、珍しいフキノトウの漬物が紹介されている。

「味噌と酒粕の同量を、少々の酒でよく合わせ、漬け床を用意する。そこへさっと茹でたフキノトウを冷まして水気を切り。床へ漬けこむ。数時間後が食べごろだが、取り出すのを忘れあめ色に馴染んだものもそれなりにイケる。土の香りを失わないために、砂糖や味醂は使わない。」とある。これはおそらく酒の肴にうってつけだろう。この春は、こんなフキノトウの食べ方も試してみたい。

知人から朝どりのニラをいただいた。路地ものが出るはずもないが、ハウスのなかで育てたものということであった。卵とじにして食したが、この食感はやはり春の一番採りでなければ得られない。野菜作りとしていた時分、一番に伸びてきたニラを思い出す。
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塩麹

2023年01月16日 | グルメ
麹には古い歴史がある。紀元前から用いられたもので、中国から伝えられたと言われている。和食に欠かせない、味噌、醤油、酒は麹を使って初めてできる。麹のよさは、古くから語り伝えられている。米を蒸し、麹菌を加えると、菌糸をのばして生育する。こうしてできるのが、米麹だ。この時、麹菌は酵素を生産する。多種類の酵素を生産するが、そのなかで大きな働きをするのが、澱粉を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素だ。アミラーゼは澱粉を分解して糖を作り、プロテアーゼはたんぱく質を分解してアミノ酸を作り出す。食物の甘みや独特のうま味のもとがこの酵素の働きで生成される。

麹がおいしいというのは、すでに体験済みである。塩麴をまぶしてつけおいた鶏の胸肉はやわらかく、これを食べる度に感動する。高価な米沢牛や三元豚の肉に負けないおいしさだ。今日、格安の素材、エノキ茸のタラコ合えを試してみた。市販のエノキ1パック。タラコ1/2腹、塩麹小匙1。エノキは食べやすい大きさに切り、タラコ一腹を皮から出し塩麴小匙1杯を混ぜておく。エノキはフンワリと皿に盛り、ラップし 電子レンジ1分加熱。エノキが温かいうちに調理済みのタラコをかけ、まぶす。食べてみて、びっくりするような美味しさだ。コストパフォーマンスがよく、食べておいしいのであれば、さらにバリエーションを広げてこれからの食生活を豊かなものにしていきたい。
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山形セルリー

2023年01月03日 | グルメ
正月2日に食べるわが家の定番はトロロ汁である。北海道の生家の風習をそのまま受け継いでいる。長芋と長生きが語呂合わせになって縁起のいい食べ物とされてきた。何よりも、食糧難の戦後、麦飯にトロロ汁を掛ければ何杯でもお代わり自由であった。縁起ものというより、飢えたお腹を満たす格好の食事であった。今年は、正月の食卓にセロリが初めてのった。山形のJAでは、山形セルリーと命名してブランド化を図っている。恥ずかしながら、このセロリを気にはかけていたのだが、実際に食するのは初めてである。食べてみて食感といい、香りといいセロリの常識を変える食べものであった。とにかく美味しい。

セロリの葉は生食には用いられない。この野菜は薬用に使われ、イタリアの農村で改良されて、食用野菜になった。その香りはスープにするのがふさわしい。根に近い茎の部分を薄くスライスしてサラダにする。他の野菜を一緒に用いることで、セロリの特性が生きる。だが、山形セルリーは、芯の方の葉も、茎の部分もそのままガリガリと食べておいしい。マヨネーズをつけて食べるのもあり。こんな食材を何故もっと早く用いなかったのか、ただ残念だ。

セロリのスープのレシピ。セロリ数茎を小口切り、玉ねぎ3個薄くスライスしてオリーブオイルで炒める。玉ねぎがカサが減るまで炒め、しんなりしてきたらセロリを加えて炒める。セロリが柔らかくなったらそば粉を大さじ1杯を加え混ぜ合せる。更に鶏ガラスープ6カップを加えて30分煮込む。煮汁を少しボールにとってブルーチーズ100gを入れてどろどろにする。火はすでに弱火、チーズが入ったら、塩と胡椒で味付けをしてできあがり。チーズに塩味があるので味見をしながら調整する。
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