昨日、山行に選んだ山は米沢と喜多方の境界にある飯森山である。山麓には洪水への備え、飲料水の確保、潅漑用水としての利用を目的とした日中ダムがある。このダム湖畔に飯森山への登山道の入り口がある。このコースは尾根道を行くが、沢コースもありいずれもベテラン登山者に人気のある難コースである。この山の頂上からは飯豊連峰の眺望がすばらしいと案内書に記載されている。歩行距離16キロ、登山道は最初から急登で、この山に入った人の証言ではかなりハードな山行でああるとのことである。
何故、このようなハードな山行が計画されたのか。わが山の会でもメンバーの高齢化が進み、元気な人たちのための企画としてこの山が選ばれた。sさんは以前からこの山の存在を知りぜひ行ってみたいと今回の山行を楽しみにしていた。我が会では2度目の企画である。果たして登れるか、今の自分の力を試してみたいという動機が、今回の計画に参加した理由である。参加者5名、内女性1名。天気予報では曇り、午後から降雨の可能性。激しい雨の降る可能性が少ないようなので、この山行は実施された。準備を完了して登山道入り口から登り始めたのは午前6時。なるほど、最初から急な登りだ。
約1時間で見晴らし台に着く。木や雑草が伸びて見晴らしはあまりよくない。尾根道から登ってきた後を振り返ると、霧のなかに折り重なるような山並みが見える。飯豊に続く山の懐はさすがに深い。山道で行き会う登山者は皆無、静寂そのものの登山である。どこにでも見られる花もなく、ブナの林が続いている。驚いたことは、この季節にもうナメコが出ていたことだ。ムラサキシメジ、アミタケなど秋のキノコが山道の脇にでている。
急な勾配に苦しみながらも、4時間半で鉢伏山の頂上に着く。トンボが驚くほど多い。先行したsさんはすでに飯森山へ向かったのか、見晴らし台に行く前から姿が見えない。残りの4名は飯森山へ行くことをこの時点で断念、sさんが戻るのを待ちながら弁当をとることにする。
sさんが向かった飯森山が少しガスをかぶりながら、頂上の姿を見せている。この時点で今日の山行はここまでにすることを決断する。すでに足の疲労を感じ、目的にチャレンジしても下山時間が遅くなるという判断である。いつもは足の疲労はそれほど感じないが、履いてきた革靴が重い。そんな」話をしているうち、sさんが飯森山の頂上から戻ってくる。sさんのペースは、鉢伏山まで3時間、そこから飯森山まで1時間半ということであった。驚くほどのハイペースである。もう元気な人と同行するのは無理だな、という気持ちがこみ上げてくる。ここからの下山は、自分のペースが極端におそくなっているのに気づく。これから楽しい山行を続けていくためには、無理な計画は避けるべきというのが率直な感想だ。
登山 ブログランキングへ