写真は近所のお庭に咲いたカラスウリの
花。話の内容とはまったく関係はない。
身体によい習慣の話が続く。純ココアの
存在を教えてくれたのは、我が家に出入
りしていた郵便局の営業の人である。イ
ンフルエンザが流行の兆しを見せていた
寒い季節のことであった。仕事を休めな
いこの人は、毎朝、純ココアに熱いお湯
を入れてコップ一ぱい飲むということで
あった。これを習慣づけると、いくら寒
い外へ出ても一冬風邪を引かずに過ごせ
るということであった。妻は、人の話に
影響されやすい性格もあるが、幼いころ
の体験で、ココアに好印象を持っていた。
祖母の兄弟が、ブラジルに移民し、当時
としては珍しいココアを送ってくれた。
これを秘蔵した祖母は、孫たちが遊びに
行くと砂糖をたくさん入れたココアを飲
ませてくれたという。子どもであった妻
は、世の中にこんなにうまい飲み物があ
るのかと思ったという。10年以上も前に
純ココアの話を聞いて、生協の売り場の
棚で純ココアを見つけ、これを買うのが
習慣になった。普通、ココアにはミルク
や砂糖が入って甘い飲み物だが、純ココ
アには混ぜ物は一切入らず、ココア本来
の味がする。
ココアの原料はカカオ豆である。カカオ
は中央アメリカから南アメリカの熱帯地
域の原産で、樹高4~10mで樹齢4年に
なると幹に白い花をつける。果実は、15
~30㌢の長楕円形で、なかに20~60個
の種子を持つ。これがカカオ豆だ。種子
はバナナの葉に包んで発酵させてできる
のがカカオマス。ここから油脂を取り出
しカカオバターができる。油脂を除いた
カカオマスは、乾燥させて粉末のすると
飲料のココアになる。この粉末にカカオ
バターを混ぜ、砂糖を加えてものがチョ
コレートだ。
注目すべきはココアに含まれる栄養素で
ある。ココア100g当たりのエネルギー
271カロリー、食物繊維23.9g、ビタミ
ンのほか、カリウム、マグネシュウム、
リン、鉄分、亜鉛などのミネラル分が豊
富である。これならば、冬風邪を引かな
い身体になるのも不思議はない。さらに
大脳皮質を刺激し、集中力や記憶力を高
める効果も確認されている。これはこの
時代、大いに見直すべき飲み物である。