九月の末日になってようやく秋晴れになった。予定していた禿岳への登山も行けそうだ。考えてみれば、今年もあと3ヶ月しかないということだ。一年の経過が、これほど早いとは、想像を超える。昨日、大雪山で初冠雪のニュースが届き、わが畑では蒔いた大根が少し伸びて、疎抜きをとってきたので、今日はケンチン汁が食べられる。
夜は虫のおとろへしるし九月尽 相馬 遷子
アパートで相次いで2件の訃報があった。一つは独り暮らしの老人である。ひと頃弱っていたが、最近は自電車を押して買い物に行く姿を見かけたので、元気になったなあと思っていた矢先、突然連絡が取れなくなった。部屋にカギを掛けてまま、誰に看取られることもない孤独な死であった。もう一人は、まだ60前の女性である。秋がきたというのに、悲しい報せがふたつ続いた。