常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

歩く楽しみ

2024年10月31日 | 日記
十月が終わる。季節感が狂わされてしまったがカレンダーは残り2枚になる。テレビのコマーシャルには暖房器とスノータイヤが登場して冬が近くなっていることを知らされる。樹々の黄葉も次第に目につくようになった。ここへ来て歩く楽しみが見つかった。歩き方を意識して変えている。高齢になると歩く時前方を意識して足も前足、腕も前に振る癖がついている。ユーチューブで教わったのだが後ろ足を意識する。腕は後ろへ振るように意識する。このことを実践するだけで歩幅が広くなり姿勢がよくなる。歩くのが楽で長く歩いても疲れない。自然と歩きたくなりモチベーションが上がる。

西脇順三郎の詩の一節を諳んじてみる。「寂しさ」

武蔵野を歩いてゐたあの頃
秋が来る度に
黄色い古さびた溜息の
くぬぎの葉をふむその音を
明日のちぎりと
昔のことを憶ふ
二三枚の楢の葉とくぬぎの葉を
家にもち帰り机の上に置き
一時野をしのぶこともあった
また枯木の枝をよくみれば
既に赤み帯びた芽がすくみ出てゐる
冬の初めに春はすでに深い
樹の芽の寂しさ

歩くことの心の豊かさ。詩人に心には黄色い落ち葉のなではやくも春に萌えでる若葉の景色が見えている。そんな豊かさをたっぷりとあじあわせてくれる詩だ。
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いつまでも記憶に留めたい風景

2024年10月29日 | 登山
長井の熊野山に登った。思いがけない眼下の雲海。長井盆地はすっかり雲海の下である。朝の霧が深かった。雲海の上には長井ダムとその上に尖った祝瓶山。この季節にこのような風景が突然に現れる。長い山登り生活で山の神様がご褒美にくれた至福の風景だ。しっかりと心の眼に焼き付けていつまでも記憶に留めておきたい。少し紅葉が見られたたが、今年は紅葉が遅れている。それだけに暑い、夏のような9月であった。秋らしい景色は遅れても、山の会の今年の計画も次第に終わりを迎えようとしている。山中で多くの人がこの山を訪れていた。聞けば米沢の山の会の今年の納会だという。どの顔もこの山の眺望を満喫して満たされた笑顔が溢れた。今年の山行は11月3回、12月2回ですべての計画が終了する。

今回の山行グループに23歳の大学生が加わった。自分と同じ巳年生まれという。実に5周り、60歳の年の開きがある。自分の孫と話しているような雰囲気だ。山を愛する子持ちは年齢に関係ない。老人の山歩きを後ろで支えてくれる。こんな経験もあと何回できるか分からない。夜はピオニーの森のコテージで焼肉と芋煮を楽しむ。参加者12名、内男性は4名である。いつもの晩酌よりも酒を過ごしすぎて夜の雨音も知らずに寝入ってしまった。春の花見と秋の芋煮。これを実行してくれるのは力強い女性メンバー。高齢の私はただ食べて飲むだけ。楽しい一日を過ごしことができた頭が下がる。ピオニーとはシャクヤクの花のことらしい。広い花壇に多くのシャクヤクが来年の花のために力をためる時期だ。温泉があるが、ここは5,6人でいっぱいになる。そんな大きな風呂ではない。翌日は縄文の広場で藁ぶきの長者屋敷をみる。自然のなかにたたずむ住まいは現代のものと共通したものがある。やはり寄り添って自然のなかで命をつなぐ生活は、4000年の前と本質的には変わらない。
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冷凍食品

2024年10月23日 | 日記
気温が下がって平地の樹々も紅葉を始めた。季節を動かす時間は早い。月山や鳥海山が初冠雪となり、北海道からは初雪のニュースが届く。朝の散歩で樹々の紅葉が次第に濃くなっていくのが分かる。せめて秋の深まりを色の変化に見て取るのを楽しみにする。秋から冬にかけての食品が気になる。冷凍庫を整理していたら、だいぶ前に作ったオクラの冷凍が出てきた。味噌汁に入れて食べてみたが味は全く変わっていない。自分が野菜作りをしていたころのものだからもう5年以上が経つ。冷凍という食品保存は乾燥や塩蔵に比べても優秀な技術であることの証明だ。

最近は旬のものを食べるとこともいいが冷凍したものを食べる機会が多くなった。業務スーパーで買うことの多いものに、ひよこ豆、カボチャ、牡蠣、オクラ、エンドウ豆、玉ウドンなどがあり毎日の食事に取り入れている。鯖缶やツナのオイル缶など缶詰も愛用しているが、食品の値上がりの防波堤になる缶詰。冷凍と缶詰が高齢者の食卓のキーワードになっている。牡蠣はこの中で一番の高級品であるが特に最近の値上がりが痛い。

ネットで冷凍食品を検索してみるとイオンで買える冷凍野菜にすりつぶしカボチャ、オーガニックブルーベリー、オーガニックブロッコリーがあった。マックスバリューも近所にあるので試して食品の種類も増やしてみたい。

注目している食品に季節外れの豊漁魚がある。カツオ、ブリなどとれなかった季節に意外な水揚げニュースになる。スーパーで気にかけてみているが店頭に並ぶほどではない。こちらは買い得品をネットでさがすべきなのか。通常の運輸ルートでは季節外れの豊漁品はなかなか近くのスーパーの売り場に並ぶときはない。
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秋深まる

2024年10月21日 | 日記
一気に気温が下がった。朝の散歩も長袖にして一枚多く着る必要がある。霜が降りても不思議がないような寒さだ。夜の強風で銀杏がたくさん落ちた。拾って鬼皮を剥いて冷凍にする。この冬食べるほどの量になった。霜と言えば「月落ち烏啼いて霜天に満つ」。楓橋夜泊の詩を思い出す。寒山寺の鐘の音が船中に泊まる旅人のところまで聞こえて来る。秋の夜は寂しく暮れていく。マイナンバーカードの電子証明書の期限が来て、更新のために市役所まで行く。端末3台での対応だが、更新の人が多く待ち時間は30分ほどであった。待っている人がしきりにこぼす。「紙の保険証がなくて困るね。デジタルは随分不便だよ。」今日は妻の電子証明、あと二月もすると自分の更新にも来なければならない。せめて一度に手続きが終えたいのだが。ついでに総選挙の期日前投票を済ませる。

24節季の霜降が数日後の迫った。あまりに暑い秋であったので、今年がもう2ヶ月と少しとは気が付かないでいた。スーパーで秋刀魚を買う。比較的安く買えたがいかにも小ぶりだ。塩焼きにしても煙や油があまりでない。かっての庶民の味はもう味わえないのか。せめて大根おろしだけはたっぷりとすった。

秋刀魚焼く官舎ありけり夕煙 檀上堅
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雨の温身平

2024年10月18日 | 登山
飯豊山の麓、温身平へ森の散策に出かけた。例年であればここのブナ林は紅葉の見ごろの筈だ。晴天後の気候が崩れてあいにくの雨になった。山の天気は目まぐるしい。ひとつ山を越えるごとに雨が止み、その先の山では篠つく雨。散策路の駐車場で雨は止んだ。紅葉しているはずのブナ林は少し色が変わったくらいで今年はかなり遅れている。歩き初めて10分、雨になった。持参した傘をさいての散策だ。途中ヤチダモの巨木を見た。かなりの老木と思えるが、幹回りは5年前より成長して5.3mとなっている。

森の散策で雨になるのもまんざらでもない。雨で木々がイキイキとして元気がもらえる。何よりこんな雨のなかに深い森にやってきたという満足感もある。
この記事を書き始めて3日も経った。高齢者には家事に思わぬ時間を取られる。ブログのカレンダーを見ると10月の投稿数はまだ五つしかない。少し淋しい気がする。雪国のブナの森には個性がある。大きく育ったブナの大木に頼もしさがあり、その少し奥に中くらいの林が幹を折り曲げて林立している。ブナの家族を見る思いだ。ブナは比較的短い寿命だ。300年も経たないうちに風で倒れたり立ち枯れも出てくる。それだけに実を生らし、幼木の生育のために数年置きに豊作を繰り返す。この地方ではブナの森を白い森と呼ぶ。シラカバではないがブナ林は全体としては白く見える。ブナは一本一本の木の美しさよりブナの森全体の美しさが賞賛される。

森を育てるという営みは世紀をまたぐ長い時間が必要だ。林冠を切って光を与えると林床の低い草木を繁茂させる。やはり植林による二次林の造成が必要になる。そこには林業に携わる人々の知恵と技術がある。見渡す限りのブナの二次林を見たことがある。世界遺産の白神山地のブナは見ずじまいだがその美しさは命のあるうちに一度は見ておきたいものだ。
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