常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ドッグデーズ

2024年07月28日 | 日記
ドッグデーズは土用の暑い夏を指すらしい。シリウス星はオオイヌ座にある星で、冬空に輝く第一の輝星である。ただし、夏は太陽の側を回って見えない。暑い夏の太陽にこのシリウスの光が加わって暑くなるという話が語り継がれてきた。このオオイヌ座の名をとって、ドッグデーズと呼ばれる。中国ではこの星を天狼と呼ぶ。ただこの呼び名は、暑さに犬も気が変になるという意味もある。加えて、激しい雨や雷、大洪水の夏は、人間の心もおかしくなる。

古事記のスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治は有名だが、オロチを揖斐川の支流ととらえ、退治は治水事業とする説もある。最上川は山形を背骨にように貫く大河だが、そこへは無数の支流が流れ込んで最上川の本流となる。最上川を巨大なオロチだとすると、その治水も大事業になる。ここに住んで60年を超えたがそれほど大規模な洪水に出会っていない。今回の鮭川から遊佐、酒田にかけての洪水は、100年規模の大洪水と言ってよい。オロチに酒を飲ませて、だまし討ちにするような小手先の工事では到底かなうことはない。自然の猛威に前に、人類はただ茫然とするほかはない。

宮沢賢治は人間が未熟で解決できない苦悩を修羅として「春と修羅」という詩を書いた。その一部を引く。

いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾しはぎしりのゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
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大雨

2024年07月26日 | 日記

昨日、雨のなか所要で外出した。家にいるときは、さほど感じなかったが傘をさして車に乗ろうとして雨のあまりの強さに驚いた。傘を車にしまうほんの少しの時間、雨は容赦なく衣服をたたく。あっという間にずぶ濡れになった。最近の雨の傾向は、極地的な線状降水帯、竜巻、雷、雹、洪水などなど、農作物への被害も年々おおきくなっている。今回、山形県で線状降水帯ができ、この1週間大雨続きだが、被害が出る地域は大体決まっている。地形が風の道や気圧の谷を形成する役割を果たしているようだ。海から吹いてくる風が、山の間の狭いところ通るらしい。線状降水帯ができるのも海と陸地の地形の関係がありそうだ。

世にも暑にも寡黙をもって抗しけり 安住 敦

子スズメがたくさんみられるようになった。人が近づいても警戒心がない。トンボの生まれたばかりのも、警戒心がなく近くに指を出すと止まってくる。猛暑は願いさげだが、小鳥のさえずりを聞きながらゆく夏を惜しみたいとつくづく思う日々だ。
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大暑

2024年07月24日 | 日記

昨日、大暑。34、35℃という気温が続いている。一年で最も暑い日々だ。だが、この季節も3週間ほどで立秋を迎える。暑いさなかにも、一瞬冷たい風が吹き、秋を思わせる時間がある。過ぎ去れば、猛暑の日々も過去のものになる。願わくば、農家の作物がこの夏を乗り越え、実りの秋を迎えて欲しい。

白居易の詩に「苦熱」がある。まさに、大暑の日々をしのいでいるさまが活写されている。

頭痛み汗巾に盈つ
連宵復た晨に達す
苦熱に逢うに堪えず
猶お頼るは是れ閑人

この暑さのなか、白居易は救いを暇な時間があることを告白している。まさに高齢者が、暑さをしのぐために、高い山やクーラーのある図書館に集まるようなことである。

ベランダの鉢も、通常の水では足りず、水不足を訴えている。カサブランカが咲き始めたが水不足で咲ききれず、やむを得ず切り花にして水たっぷりの花瓶に移した。たちまち、大きな花が咲いた。ミントが予想を超えて成長している。あらゆる葉の付け根から、新しい芽が出て、コンテナいっぱいに広がっている。ミントティーにしても飲みきれないほどの量だ。
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2024年07月21日 | 日記
蝉の初音を聞いてから10日ほどになるが、昨日、歩道とベランダに腹を見せて
起き上がれずにいるのを2匹見つけた。そっと手にとって起き上がらせてやると、生きかえったように飛び去った。これから、蝉の大合唱が始まるが、蝉が生きているのは土を出て、長くて三週間であるらしい。成虫になるまで、地中で6年もかかるのに、あまりに短い生だ。蝉が教えてくれるものは、死と無常の姿だ。山折哲雄が「無常」について語っている。

無常には三つの考え方がある。
①地上に永遠なるものはひとつもない
②形あるものは必ず壊れる
③人は生きて、やがて死ぬ
この社会は、生きることに光をあて、死をあまり意識しないようすることを優先してきた。そのやり方が不透明になってきている。「メメントモリ」の考え方を取り戻すことが、ますます重要になってきている。

ハーブをベランダで育てて、花が楽しめるようになっている。ラベンダーやミントの香りが、気持ちを平穏にしてくれる。アロマの香りに包まれて、夜の睡眠が深くなった。薬の力で眠り、血圧を下げる生活がだんだん疑問になってきている。それよりも、目覚めとともにベランダのハーブの元気を確かめ、水やりをしながら、花の香り楽しみ、ハーブティーでくつろぐ。朝日を浴びて散歩を終え、部屋の掃除をゆっくり。ラジオ体操の体幹の筋トレ。味噌少なめの味噌汁にはワカメとキノコ、チーズとカキ貝。玄米とひよこ豆入りのご飯。一の朝はこうして過ぎていく。

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美女と野獣

2024年07月18日 | 日記
梅雨の末期は大雨と猛暑になるが、こちらではオリーブの実がなり、コスモスが咲き、トンボがたくさん飛んでいる。一見、秋を思わせるような風景だ。朝の風が結構冷たい。昨日医院に薬をもらいに行った。血圧の基準が変わったことについて聞いてみる。「今までとは変わりないです。130以下でないといけない。160はこの値を超えたら即治療ということで、130以下に血圧をコントロールすることは全く変わっていない」という説明であった。だが、高齢者も若者と同じく、130以下にというのはどうも納得いかない。昔は高齢者が160という値は、高血圧にカウントされなかった。確かに、脳溢血などのリスクは増えるが、なんでも薬で下げるやり方が正しいのか。もっと運動療法やリラックスできる生活環境など、はば広く考えるべきではないか。

夜、睡眠の朗読を聞いた。話は「美女と野獣」。フランスの民話。王子がわがままで、魔女から野獣にされた話。この呪いは、美女と相思相愛にならななければ永久にとけない。一本のバラが物語のキイになっている。バラをお土産に欲しいといった美しい少女が、魔法のお城に出かけていく。美女が野獣を愛することできるか。この難問が、ハッピーエンドに至るまで、話はいろいろにふくらませられる。デズニーのアニメになって大ヒットもしている。最後は死にかけている野獣を思いやる美女の一粒の涙。その涙が、魔女の魔法をとき、王子と田舎の娘の婚姻となる。こんな話も、眠りを誘うネタになっている。
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