常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ネット生活

2013年07月31日 | 日記


ネットで車を買ってから、ついついとネットで買い物することが増えている。本が一番便利だ。新刊はすぐにデータ化できないから入手が難しいが、少し時間を置けば思いついたときすぐにダウンロードして読み始めることができる。三上延の『ビブリア古書堂の事件帖』などは、おそらく書店では新刊を買うことはなかっただろう。新刊がただでさえ安いのにkobo一周年記念で3割引で入手した。この手のエンターテインメントなら、一冊3時間ぐらいで読みきってしまう。電子化されたビブリア古書堂の1~3は二晩で読んだ。

音波振動歯ブラシを入手した。中国製でどんなものか不安であったが、使用してみて使いやすく洗浄効果に驚いている。値段が安いことも魅力だが、歯磨きに手でブラシを動かす必要がなく時間をかけても疲れない。何故もっと早く使わなかったかと残念がっている。歯の表面がツルツルになって、歯間ブラシを併用すれば食後の歯の衛生状態は飛躍的に向上する。

食品もネットで買うと便利で安価に手に入るものがある。築地から直送してくる冷凍しめ鯖は半身が1パックになっている。シラスの干物や素焼きアーモンドなど、美味しいものが保存も考えながら、いながらにして入手できる。便利な時代になったものだ。車をネットで買ったが、安いし新車の乗り心地を十分に楽しめる。アフターサービスは地元のディーラーで何の問題もなく対応してしてくれる。8月からは楽天市場のダイアモンド会員だ。

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稲の花

2013年07月30日 | 日記


朝の散歩道の田で稲の花が咲いた。稲の花は小さく肉眼で見てもなかなか識別できないのでつい通り過ごしてしまう。デジカメのマクロモードを使用し、さらに編集で拡大してようやく花が確認できた。極小の羽虫が花の近くに集まっているのでそこを写す。

雨にすぐあふるる流れ稲の花 木下 夕爾

稲の花の映像をはじめて見たのは小川紳介監督の映画「ニッポン国古屋敷村」である。この映画は、上山市の山村、古屋敷村に暮す住民をドキュメンタリー風に撮ったものだ。村の祭りや人々の暮らしの様子を、この村に住み込んだ小川監督とそのスタッフのカメラが丹念に追った。その中での圧巻は炭焼きの火と米の花であった。撮影の年、水田は冷害に見舞われていた。寒さでなかなか咲かない米の花をじっくり待って撮ったものであった。

至近距離に置いたカメラが撮った映像は、スローモーションで静かに開花していく様子が大画面いっぱいに映し出された。その白い花の美しさは実に目を見張るものがあった。小川監督はこの映画を撮る前には、成田の三里塚で空港反対運動をドキュメンタリーで撮っている。小川監督はこの映画を撮るためにこの地に移住した。村の住民の農作業を手伝いながらの映画作成であった。この映画が山形で封切られたとき、監督は映画館に足を運んで自らの映画作りを熱く語った。

山口県と島根県に記録的な大雨が降った。一時間に143mもの雨で観測史上最大のものである。この雨で川は溢れ、道路が冠水して寸断され、山村の人々孤立した。家が流され、水田は冠水して壊滅的な被害を受けた。ここ山形も大雨で、近隣の天童、上山で水道が濁り1週間に及ぶ断水が続いた。それでも、水田に花が咲いた。これ以上の雨の被害が広がらないことを祈るばかりである。
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光のオブジェ

2013年07月29日 | 日記


今年も東北芸工大のキャンパスに光のオブジェが登場した。夜見るとオブジェのなかに明かりが灯り一層幻想的だろうが、昼間でもなかなか面白い。今年のオブジェはどれもカラフルだ。キャンパスのグリーンのなかで、オブジェの個性が光っている。水辺に置いたオブジェが、水に写りこんでとてもきれいだ。



見たこともない巨大な亀が水から上がろうとしている。もう何万年も、その体内に抱き続けた卵を産み落とそうとしているのだろうか。どこへ向かうのか、誰も知らない。その視線は目的を見つめて微動だにしない。その大きな手はしっかりと大地をつかみ、いままさに全身が陸地に姿を現そうとする瞬間だ。足元の水が亀の動きで大きく波立っている。若い感性と自由な発想は、非現実の世界を無造作にこの空間に置いた。




花のオブジェがキャンパスの夜に浮かびあがる。アメリカ芙蓉を思わせる花びらだ。そのピンクの色が、無機質な校舎にやららかな雰囲気をかもしだす。その前を一人の女学生が通り過ぎた。無気味な亀のオブジェにも目もくれず、やさしい花にも気づかない様子だ。広いキャンパスには、彼女のほか誰もいない。

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向日葵

2013年07月29日 | 日記


向日葵が咲いた。じかじかと照りつける夏の太陽に似合う花だ。だが、梅雨前線が停滞して毎日のように雷が鳴り、スコールのような雨が降り続いている。畑ではキュウリが枯れはじめ、ナスの木がおおきくなった。

知り合いの美容師に野良猫に餌をやり、自宅や借りた部屋に猫を住まわせて面倒をみている人がいる。拾った猫は自費で不妊手術をして子を産まないようにする。猫が病気になると、獣医に見せて自費で看護に当たっている。野良猫は飼い主が面倒になって捨てたり、野良猫同士で子を産むから、実は際限がない。どうして終わりのないボランティアに打ち込むのか理解に苦しむ。しかし、彼女やその仲間の人たちがいなければ事態はさらに悪化するだろう。

もう50年以上も前に、大阪から野良猫を捕獲しに東京までやってきたネコ捕獲業者の話が新聞に載った。実はこの業者はネコの皮を三味線の業者に売ろうと考えたのである。今もそうかも知れないが、犬の捕獲は法律で禁じられているが、ネコにはこれを取り締まる法律もなかった。業者は都の衛生局に「今年からネコの捕獲を始めます」と通知し、ご丁寧にも警察に、「捕獲は夜間に行うので泥棒と間違えないように」と連絡した。

このことが、警視庁がネコの捕獲を許可したと誤って伝えられ、怒った動物愛護協会やネコ愛好家が抗議した。警視庁で業者と愛護協会が対決する運びとなった。業者2名に愛護協会40名という、まるで大衆団交のような場となった。ネコ捕獲業者は、愛護協会の剣幕にひるんで、捕獲を中止にしたので、この騒動は一夜でチョンとなった。

こんな昔のことが、ネコ愛好家に語り伝えられている。かの美容師は真面目に近所に三味線の業者がネコの捕獲に来ていると話していた。本当かどうか確認のしようもない。
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昭和の匂い

2013年07月28日 | 日記


山道の雑木林をわずかに切り開いた祠がある。コンクリートで作ったものだが屋根苔むしているので、昭和の時代のものであるらしい。灯明台があってロウソクが置かれているのを見ると、この祠に御参りする人がまだいるのであろう。大正時代の人は、「明治は遠くなりにけり」と言い、昭和の人は「なつかしい大正」といってその時代をふり返るが、平成のいまは所々に昭和の匂いをかぎ当てる。

私が結婚したのは昭和39年であるから、東京オリンピックが開催された年だ。テレビはまだ高価で買うことができなかった。バレーの決勝戦を近所の家のテレビで見せてもらったのを覚えている。東洋の魔女が金メダルを取ったことに感動した。このオリンピックを成功させるため、昭和35年から「東京を美しくする5ヶ年計画」が実施された。その中で国電四谷市谷間の外堀を実に300年ぶりに大掃除をした。この堀は水深5mあったが、そのとき底が見えるほどまで埋まっていた。ブルドーザーやベルトコンベアを使ってこの堀を浚渫したが、それほど目ぼしいものは出なかった。

鮒が30貫、古自転車や金庫などがリアカーに50台あまり上がったが、奇妙なのは市ヶ谷の駅前から四谷付近までの300mにわたって、色とりどりの財布が上がったことだ。女物男物、布製皮製、赤青黄色とまるで花が咲いたようであった。ざっと800個、財布の中には一つも金が入っているものはなかった。スリが電車のなかで仕事をし、中身を抜いてこの堀に捨てたものと推定された。昭和にはこんな影の部分もいっぱいあった。



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