私は名言を読んだり、集めたりするのを好んでいる。日々読む新聞や本の中に、これはという言葉を見つけると、スマホのノートに書きためて、時々開いてその言葉に励まされたり、癒されたりする。名言や格言を収めた本も少なからず持っている。シャクナゲの花を撮ってきて、開いた寺山修司の『ポケットに名言を』のなかにこんな記述があった。
「ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは人間だし、花を愛するのも人間だもの。」太宰治「女生徒」
この土、日には、弘前の花見が最後であるらしい。知人が何人も、あんなに遠くまでバスを連ねて花見に行く。先週、花見山で、一緒に登った仲間の反応を見ても、この格言はこの季節の人間の心理を突いたものである。
自分で集めた名言を、眺めてそれに触発されて、ブログに日記を書く。昨日、仙台で詩吟の「東北地区吟詠大会」が開かれた。優秀吟コンクールの地区予選会で、和歌の部で出吟したが、残念ながら予選通過は叶わなかった。日々の練習で自分をそこまで高めることのできないもどかしさが会を終わってからさざ波のように胸中に広がった。ピアス『悪魔の辞典』の日記の記述。
日記 自分の生活の中で、自分自身に対して顔を赤らめずに物語ることのできる部分についての日々の記録。