久しぶりに山野を逍遥。ニラ、コリアンダー、ミツバなど春の野菜を採る。丘の辺では、山ニンジン、花わさびなどを採る。土筆がたくさん出ていた。辰巳浜子の歳時記に土筆の項目が立ててある。「つくしははかまを取って酢を加えた湯で茹でます。さらして甘酢に漬けると美しいピンク色になります。平貝、小柱、みる貝、鳥貝等の辛子酢味噌の付合せ等まことに美しくて味のよいものです。鰆や甘鯛の味噌漬け等に添えればだれもが先につくしの方に箸をのばすでしょう。」このハカマを取る作業は意外に手間を要する。残しては口に残るので、一本に三つもあるハカマを一つ一つ手抜かりなく取っていかねばならない。
土を出しばかりの土筆鍋に煮る 百合山羽公