常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

八月終る

2024年08月31日 | 日記
台風が四国、近畿あたりをゆっくり進むうちに八月が終わろうとしている。自民、立憲の党首選から総選挙へ。暑い夏が終わり熱い政治の季節が始まろうとしている。台風の中心の気圧が下がっているが、ここへ向けて吹き込んでくる湿った空気がまた恐ろしいほどの雨を降らそうとしている。八月が終わってもいtもの秋らしい季節がななかやってきそうにない。新しい月は長月というが、金田一春彦先生によれば長雨月からきている、とされている。ただでさえ九月は長雨が降るのに、台風の迷走で大雨が3日も続き、500㍉、700㍉という聞いたこともない雨量の雨になっている。先月新庄、酒田で降った雨が400㍉で驚いたのにたちまちこの雨量を凌駕してしまった。月を越えても台風はまだ東海のあたり。これから関東、東北で大雨が懸念される。

昨日、トウモロコシを買った。今年4回目になる。薄皮をつけてガスの魚焼きで回しながら5分ほど焼く。甘く香ばしい焼きトウモロコシは秋の定番だ。子どものころ炭火で焼いたトウモロコシは今も美味しいものとして記憶の底に残り続けている。『朝鮮詩集』から金尚鎔の「南に窓を」から

南に窓を切りませう
畑が少し
鍬で掘り
手鍬で草を取りませう。
 
雲の誘ひには乗りますまい
鳥のこゑは聞き法楽です
唐もろこしが熟れたら
食べにお出でなさい。

なぜ生きてるかって、
さあね。

少しばかりの畑に植えたのは豆。草取りの作業は、収穫を売るためにはどこでも必須だ。南に窓があるのは、秋から冬、太陽の恵みを得るにはなくてはならない知恵である。暑い夏も、あっという間に終わりに近づいた。
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ドライハーブ

2024年08月29日 | 日記
台風が九州の方で猛威をふるっている。高齢になってできることは何もない。せいぜい外出を避けて室内でじっとしていることか。それでもベランダで育てているハーブの徒長した枝を刈り込んだり花を採って室内の小瓶に活けて楽しんだりする。切り取った枝を束ねて壁に吊るした。玄関先にほのかな香りが漂ってほっとする時間。枝の曲がり具合に個性があり何かいとおしさを感じる。高齢になって趣味が女性的になっている。山に入ってキノコを探すような元気はなくなっている。

ハーブのいいところは苗から花、枝や葉の香りを楽しんだ後は枝はドライにしてお茶やポプリにして楽しめる。植物全体を成長に合わせて全部楽しめるのがいい。乾燥したハーブはエキスが凝縮してフレッシュのものよりも香りが濃いらしい。夏の間せっせと伸びた枝や葉はドライにすることで保存でき冬の間、フレッシュなもののない季節に身体のケアもできる。オレガノはギリシャ語の山の喜びを意味し幸福のシンボルとされている。ギリシャには婚礼で新郎新婦がオレガノで作った冠を被る風習があったらしい。オレガノで作ったドライは過熱してしても風味がとばないため煮込みの香りづけに用いられる。
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米不足

2024年08月27日 | 日記
昨日、この地方では一番大手のスーパーのコメ売り場を見に行ったら張り紙があり、入荷できなく申し訳ありませんと断り書きがしてあった。売り場にはパックご飯が段ボール入りで置かれていた。農協系の産地直売の店に電話すると、品切れで新米が出るまでの入荷はないとのこと。毎日行っている業務スーパーは2週間ほど前から欠品で、入荷は未定という。ネットの売り場では、販売はしているがいずれも10月中旬入荷となっている。なかに3日後着のものもあるが、5キロ3000円と2倍近い値段になっている。今不人気の大阪の知事が政府の備蓄米の放出を要請というニュースが流れた。いろいろ情報を集めてみると、昨年の不作、外人客のおにぎり人気が原因だという話は嘘であるみたいだ。政府は主食の不足についての取り組みどうなっているのか明らかではない。新米が出回ってくれば、米の不足感は解消するという見解のようだ。

コンビニに行けばおにぎりもあるし、パックになったご飯もある。カップラーメンやうどん、スパゲッティなどしばらく米がとぎれても明日食べ物がなくなるという心配はない。だが日本人が米を食べられないというのはいかにも異常だ。おりしも外人客が、日本のおにぎりをおいしそうに食べているニュースが流れている。自民党の総裁選挙で、米不足という問題解決を説く候補者はまだ現れない。日本の米をどうするか、この国の政治はこの問題のビジョンを示すことが基本となる。


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クエン酸

2024年08月24日 | 日記

永井荷風の日記『断腸亭日乗』を拾い読みする。昭和18年8月の記述には、出されたお触れ「婦女子は百姓袴(モンペ)を着用すべき」に触れ、赤坂、新橋辺の芸者のモンペ着用の姿がスケッチされている。その秋の記載には、草むらに鳴くコウロギを題材にした詩を掲げている。思わず荷風の詩を読み入る。そんな荷風日記も、昭和25年ころから、その姿が一変する。一日ほぼ一行、その日の気候と浅草に出かけて、踊り子の楽屋を訪ねたり、食事のことだけが記されるようになる。自分が書いているブログの、気がつけば3日も4日も空きができている。つい、書くことを先延ばすことが普通になってきた。成毛眞氏の「面白くないものを毎日投稿するくらいなら、3日ごとに真剣に書いたものを投稿する方がいい」という話を読んでからその傾向が始まった気がする。

しかし実を言えば高齢にると真剣になることがつい億劫になる。今日載せるべき写真を加工し、いざ文章をつける段になった。少しアイデアをと感がえているうちに一日延ばしになっている。書こうとする内容にどんどん興味が薄れていく。そんな傾向にクエン酸が待ったをかけてくれる。クエン酸には疲労回復、抗酸化作用、腐敗防止などの作用がある。落ち込んだとき、やる気を起こしてくれのがクエン酸である。自分のとり方は市販のポッカレモンを強炭酸水で割って飲む。

ローズマリーの芳香は記憶力を高め、頭脳明晰にする力がある。鉢に植えた苗からのびる新しい枝をとって熱湯で作るローズマリーティー。ドライにして作るポプリ。サシェにして鞄に入れて香りを楽しむこともできる。レモンとローズマリー、ペパーミントで作るアロマスプレー。ハンカチにローズマリーの香油一滴たらして香りを楽しめば、萎えた気分を高揚させ、やる気を起こしてくれる。これからは、こんなグッヅに支えられて、充実した一日をおくることを心掛ける。
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処暑

2024年08月22日 | 日記
明日あたり処暑を迎える。台風とともに暑かった夏が終わろうとしている。予報では残暑が厳しいということだが朝夕の風に秋を感じる。草むらの虫の音が主役の座を奪おうとしている。ボードレールの「秋の詩」。

われらまもなく冷たき闇に沈むらん。
いざさらば、束の間なりしわれらが強き夏の光よ!
われすでに聞く、中庭の甃石に
悲しき響を立てて枯枝の落つるを。

村上春樹の短編『蛍』を拾い読みした。友だちがくれたコーヒー瓶に入った蛍を逃がす場面が短編の締めくくりになっている。夏の終わりに近い季節には蛍の寿命は尽きるのか、どうか、それさえはっきりしない。瓶の中を登ったり落ちたりするが尾の先の光はその寿命を示すかのようにか細い。

「蛍は何かを思いついたようにふと羽を広げ、その次の瞬間には手すりを越えて淡い闇の中に浮かんでいた。そしてまるで失われた時間を取り戻そうとするかのように、給水塔のわきで素早く弧を描いた。」

そして蛍は闇のなか飛び去って行った。その後、蛍がどうなったか、主人公は知るべくもない。それは、これから巣立っていく彼自身の人生の軌跡のようにも思える。向日葵の花が夏の光を浴びてうつむき加減だ。風の向こうにおびただしい数のトンボたちが飛び回っている。
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