年が明けて、まだ始動もしないうちに1月が終わる。それにしてもこの月はいろんなことが目まぐるしく起こった。能登の大地震で明け、松本仁志のセクハラ騒動。自民党の裏金に、トヨタ自動車の検査不正。日本に君臨してきた権威が、音を立てて崩れ始めている。残された月日の少ない高齢者は、この世にどんな思いを残して去っていくのか。昨年は同世代の多くの人が世を去った。昨夜、寝つきが悪くて読んだ本。宝島新書『Chat GTPは神か悪魔か』。そのなかに、政治をAIに任せる話があった。
「デンマークでは2022年5月に「人工党」という政党が立ち上げられ、「政策はすべてAIに任せる」という政治思想を掲げている。またノルウェーでは、AIを活用して政治を行い、重要な政策判断をAIに評価させている。裏金を使って政策を金に歪められている日本ではAIを使うべき。AIは平和でそこそこの成長があり、生活レベルが維持される政策を出してくると思われるので、今の政治よりマシ。」としているのは、精神科医の和田秀樹氏だ。月曜の裏金集中審議を見ても、この国の政治家が現実の問題にあまりに危機感がないことがわかる。これほど渦まく政治不信のなかで、これから聞き取りをし、使途不明の裏金について「政治活動の自由と国民の知る権利のバランス」など意味不明のことが語られている。今年はこの政治不信がどこへ向かうのか、衰えた視力と聴力をフル動員して確めなければならない。