常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

岩波 石行寺の紅葉

2015年10月31日 | 


山形市の東部山岳の先端、岩波に最上三十三観音六番札所の石行寺には、この寺の墓石の傍らに楓の木が二本あり、この季節にみごとな紅葉を見せる。ここは龍山修験の元締めを務める役割を果たした寺であった。時雨のような小雨のなかを石行寺の行ってみたが、紅葉は目をみはるように美しかったが、カメラにその色は再現できなかった。寺のそばを流れる川が、音を立てて流れていた。

紅葉せり松その上に枝を垂れ 水原秋桜子

中国では楓樹というが、カエデの生息域は北半球の温帯のみに分布するという。葉の切り込みが浅いものをウチワカエデといい、北海道にはイタヤカエデと呼ばれる種類が多い。葉がよく茂って下に雨を漏らさないので、板屋のようであるためこの名がついたという説がある。こちらの葉は秋に黄色のになる。ウチワカエデの紅は、秋の代名詞のようになっているが、春咲く花も美しい。



石行寺の庭にもう一本、葉が深く切れ込んでいるカエデがあってこちらは黄色く黄葉していた。図鑑にてらしてみると、フカギレハウチワカエデと呼ぶのかも知れない。カエデは洋名はメイプルで、イタヤカエデも幹に傷をつけると、糖分を含んだ液が出てきて飲用になる。だが、カナダのメイプルはサトウカエデで、糖分はメイプルシロップには及ばない。イタヤカエデの樹液を売り出しても採算は取れそうもない。



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冬ばら

2015年10月30日 | 


寒気が入った時雨のなかで、冬ばらが一輪咲いていた。周りが枯れ果てていくのに、けなげに咲こうとする様は頼もしくもあり、寂しくもある。何故ならこの一輪のほかには、枝にはどこにもこれから咲く蕾をつけていないからだ。イチョウの黄葉にくらべても、その色は一見はなやかだが、どことなく寂しい気がする。

冬薔薇は色濃く影の淡きかも 水原秋桜子

先日、学校の同期会が4年ぶりに開かれた。22人もの同期生が集まり、なかには卒業以来初めて再会した人も数名いた。代表幹事のN氏があいさつのなかで、「やや残り少なになった私たちの人生の中に楽しかった思い出の一コマとして記憶に残るような集い」という表現があったが、冬のばらという比喩が似つかわしいように思う。暖かい日のあたる時間が少なくなっていく季節のなかで、けなげに花びらを開こうと努力している。そこには、言葉がなくとも通じあえる共感がある。
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イチョウ

2015年10月29日 | 日記


イチョウが黄葉しているのは美しいが、寒さは一段と厳しくなる。遠い青春の日。学び舎の庭にはイチョウの並木があったが、時雨の寒さのなかでイチョウを見ると、とうとう冬が来るかと思ったものだ。今日は午前中には日がさしてぽかぽかとした陽気だったが、午後雲が出て小雨が降りだすと急に寒くなった。気温がこれほど上下すると、風邪が流行ってくるのも無理はない。

銀杏もみぢして公園や夕明り 石塚 友二



イチョウの黄葉のわきでは、山茶花が可憐な花を咲かせている。この花も木枯らしに縁があるらしく、芭蕉の発句に

狂句こがらしの身は竹斎に似たるかな 芭蕉
 たそやとばしる笠の山茶花     野水

と野水が付けている。これは藪医者竹斎を「無用にも思ひしものを藪医者花咲く木々を枯らす竹斎」とあざけり詠んだ狂歌から句の発想を得ている。 

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干し柿のれん

2015年10月28日 | 農作業


秋が深まると、どこの家でも渋柿の皮を剥いて軒先に吊るす。干し柿のれんと呼ばれ、この地方の秋の風物詩だ。我が家では、昨日いただいた柿を夜なべしてベランダに吊るした。これからは秋風がほどよく当たり、おいしい干し柿ができる。上山では特産の紅柿から作る干し柿は、特産品として高値で取引される。

柿むくやよべは茸を選りし灯に 木村 蕪城

柿はほとんどが渋柿で、木に生ったものをそのまま食べることはできない。樽柿というのは、酒樽に柿を入れて渋を抜いたのでこの名がある。いまでは蔕に焼酎を振りかけて密閉した容器に10日ほどおく。ころ柿、吊るし柿は皮を剥いて乾燥させたもので、渋が抜けると同時に甘さが凝縮する。手の込んだ菓子に人気が集まるが、干し柿は捨てがたい秋の味覚である。

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青トマト

2015年10月27日 | 農作業


畑のトマトを倒した。最後の赤、お青の熟したトマトの収穫の後に青いトマトも収穫した。もったいなくて捨てるに忍びなかった。青トマトをピクルスにする方法は、ックックパッドにたくさん紹介されている。そのなかで一番簡単なレシピを選んだ。青トマトを半分に切って2時間ほど塩水に漬けておく。これをキッチンペーパーで水分を切り、瓶に入れラッキョウ酢を加えて保存する。一週間で仕上がるとのことであった。一日経って食べてみたがもう十分においしい。

畑には里芋と生姜が残るだけである。9月に蒔いた大根は順調に大きくなり、青菜はもう近江漬けにできるぐらいに育った。五月菜は疎抜きにして食べている。玉ねぎを植えた。ネギは十分に育ったので必要なだけ収穫できる。それともう一つ、菊の花がどんどん咲き始めた。黄もってといわれる品種で、取り立てを茹でるとシャキッとした食感と秋の香りがたまらない。

霜の葱土深々と着たるかな 篠原 温亭
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