常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

行く秋

2016年10月31日 | 日記


今朝、冷え込んでこの地で初氷が観測されたという。道を歩くと、木々の紅葉が一段と美しくなり、驚かされる。畑でツルムラサキの芽につく葉が氷り、昼頃にはそれも融けてもう食べられそうもない。三株植えたものを抜こうとしたが、根のあたりの主株は太く、そこからはい出した蔓が1m近く伸びている。先端の柔らかい部分だけを採って食用にしていたので、株がこれほど大きなくなるとは想像を越えている。

行秋を踏張て居る仁王哉 漱石

山門の仁王が顔を真っ赤にして踏ん張っている仁王を詠んだ漱石の句だが、ツルムラサキが蔓を縦横に伸ばし、それに対応するように根を地中に張り巡らしている様は、畑のなかの仁王さまのようでもある。今日はおきくなってきたコマツナとコリアンダーを収穫。最後の秋ナスを採ってきた。玉ねぎの定植と豌豆の種まきを終える。あとは、ゆっくりと葉ものを収穫しながら、雑草の整理と来春に向けて畑の手入れをするばかりである。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

散歩

2016年10月30日 | 日記


近頃、散歩から遠ざかってしまった。畑仕事に時間を取られたり、最近では買ったスマホが珍しく、そちらに時間をかけることが多いせいかも知れない。しかし、そんな現象面ではなく、根底に少しづつ、身体を動かすことに負担を感じるようになっているように思える。いわゆる加齢が根底にあるらしい。

本棚の見てみると、歩くことをテーマにした本がたくさんある。以前は、何か思い立って始めようとすると、そのことについて本を買い集め、先ずそれを読むことから始めるのが習いであった。これだけ歩く本を持っているのは、よほど真剣に歩くことを考えて時期があったらしい。それが段々とエスカレートして山歩きをするようになった。それだけでも、歩くことに関心を持ったことは正解である。

だが、一度立ちどまって考えると、歩くことが少なくなっていく日常には、自然の時間の流れに押されれてしまっている自分がある。松永伍一『散歩学のすすめ』のページを開いてみた。そこには60歳の鴨長明が少年と連れ立って、散歩する文章が引用されていた。

もしうららかなれば、峰によぢのぼりて、
はるかにふるさとの空をのぞみ、木幡山、
伏見の里、鳥羽羽束師を見る。勝地は主
なければ、心をなぐさむるにさわりなし。

鴨長明のこの心境こそ、今の自分にもっとも必要なものではないか。本は、読む年代によって、違ったテーマを提示してくれる。一冊の本を、その置かれた環境のなかで再読して見ることの重要性をあらためて認識した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山頭火

2016年10月28日 | 日記


朝寒夕寒物みななつかし 種田山頭火

昭和5年秋、山頭火の四国での行乞の旅は、秋晴れとしぐれと変わりやすい空のもとにあった。山頭火の『行乞記』の10月28日の項を見ると、

「山道が二つに分かれてゐる、多分右がほんたうだらうとは直感したが、念のため確かめたいと
 思って四方を見まはすけれど誰もゐない、ただ大きな牛が草を食んでゐる、そして時々不審そ
 うに私を見る、私も牛を見る、私はあまり牛といふ動物を好かないが、その牛には好感が持て
 た、道を教へてくれ、牛よ。」

こんな文章に俳句が添えられている。

秋はいち早く山の櫨を染め 山頭火

山頭火は姿は僧に変えているが、真正の僧ではなかった。僧のするように行乞をしても、その施しで、宿に泊まり、焼酎を飲んだ。同宿の人と、包み隠すこともなく煩悩を語った。そんな山頭火の道にも、季節は深まる。

しぐるるや道は一すじ 山頭火
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小春日和

2016年10月27日 | 日記


雲一つない秋晴れ。小春日和とはよく言ったものだ。あまりにもったいない天気なので、畑仕事に汗をかく。ヒヨドリが、餌をもとめてベランダへ顔を出し始めた。久しぶりに裏山の公園に行って見ると、そこは秋の景色に彩られていた。のんびりとカメラを持参して散策する人やベンチでで語らうカップルの姿があった。

玉の如き小春日和を授かりし 松本たかし

これからは三寒四温。ほぼ一週間単位で、晴天と時雨もようが交互にやってくる。好天のもとで、玉ねぎの定植や豌豆の種まきを終わらせ、大根の成長を待つ。秋野菜は不思議なもので、霜が降りそうな気温でも旺盛な成長をみせる。野菜はスーパーでなく、畑で調達する生活にやっと馴れてきた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月山初冠雪

2016年10月26日 | 日記


富士山の初冠雪が報じられた日、地元の月山も初冠雪である。昨年より9日遅い初冠雪だ。このブログの過去記事を見ると、一昨年は10月30日であった。昨日、寒気が入って最低気温が村山で1.1℃、米沢で2.5℃と冷え込んだ。一夜明けて、今日の気温は25℃を超える夏日、気温の乱高下についていけず、風邪をひく人も多いようだ。

わが歩む落葉の音のあるばかり 杉田 久女

この季節、低山では紅葉と落葉が楽しめる。山道で落ち葉を踏む音は、日常にはなくなった懐かしい音だ。乾燥した道では、足元が紅葉に染められ、落ち葉が足元を柔らかくして、安心して歩くことができる。やがてくる新雪を踏んで歩く前に、山歩きをさらに楽しくしてくれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする