未熟なカメラマン さてものひとりごと

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森の妖精 レンゲショウマに出会った その2

2013-08-07 22:11:54 | 植物

下向きに咲くレンゲショウマ その可憐さに惹かれます。

(つづき) 
カーブした遊歩道は中央に御影石が敷いてあり、とても歩きやすくなっています。お寺側の斜面には、このお寺の一番のメインであるオオヤマレンゲが目立ちます。他にもいろんな花や木が植えてありました。そしていよいよ、最初のレンゲショウマとご対面です。思った以上に株数がありました。開花状況ですが、全体の3割ぐらいでしょうか。撮影からすると一番いいタイミングだと思います。早速、三脚をセットし、いざ撮影と思いましたが、カメラを構えてじっくり見ると、どの花も微妙に傷んでいました。あっても奥の方だと覗き込むよう感じになってしまいます。それでも何枚か写真に撮ったあと、二つ目のポイントに向かいました。といっても、少しだけ登ったところです。こちらは先ほどより、開花状況は遅いようでしたが、花の状態は幾分いい感じでした。斜面に植えてあるので、三脚がなかなかうまくセットできません。

左手の斜面にキレンゲショウマを見つけました。開花はレンゲショウマに比べて遅いようで、一輪だけが咲きかけの状態でした。全部で8株ほどあるようでした。ここで、キレンゲショウマに出会えるとは、うれしい限りです。もっともっと株数を増やしてもらいたいと思いました。レンゲショウマもキレンゲショウマも本来の自生地からは、随分遠いところにあるわけですが、気候風土、条件にあっているのでしょう。今後がとても楽しみです。
境内に降りると、住職から、いかがでしたか!と声がかかりました。とても気さくな方です。
何とか撮ることができました。ありがとうございました。ところで、こちらのレンゲショウマ、いつごろから植えられているのでしょうか?と尋ねると、
意外にも4.5年前からだとのこと。最初、近所の方からもらったのが根付いたので、株数を徐々に増やした、とのことでした。
ところで、3つ目の場所、わかりましたか?と聞かれたので、わかりませんでした、というと、2つ目の先を山道に沿ってもう少し登ってみてください、とのこと。せっかくなのでそれではと、再度登った頃に、無情にも雨がぽつぽつと降ってきました
そこで、境内のテントの下で、アイスコーヒーでも飲んで一休みしようと思いました。

住職、「マッチョさん」という、写真の好きな方がおられて、随分ネットで紹介していただきました。あの方は、うちの宣伝部長ですよ、とのことでした。ブログで紹介してもらった後は、それを見た方がどっと来るそうです。ネットの効果は実に大きいと実感しました。マッチョさんのブログは私も情報収集によく見ていますよ!レンゲショウマのことは、あのブログから知りました!と答えると、住職、そうですか、それなら、ちょうどいい、この建物の向こう側で今、写真を撮られているので紹介しましょう。とここで、いきなりのご対面となりました。

 建物の裏にも1株だけ、レンゲショウマが植えてありました。これはおそらくマッチョさん専用なのでしょう!株の上には寒冷紗が張ってありました。最近買ったというカメラ、三脚も絶妙な角度で、一枚一枚丁寧に撮られている感じでした。照度を確保するため、手づくり?の反射板も見せてもらいました。適当に撮っている私とは随分違います。

 アイスコーヒーの準備できたと声がかかったので、ここでマッチョさんと別れ、再びテントに戻り住職に、これだけ広い範囲に花があると手入れも大変でしょう。業者の人にお願いされているのですか、と尋ねると、入場者に料金を取っているわけでもないので、そんな余裕はありません。もっと広げたらという人もいるけど、家族で手いっぱいとのことでした。

 山陽花の寺二十四か寺の玉泉寺、今後もぜひ訪ねて見たいと思いました。お気を付けてお帰りください、と住職に見送られながらお寺をあとにしました。



レンゲショウマからキレンゲショウマへ季節の花は移っていきます。
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森の妖精・レンゲショウマに出会った!

2013-08-05 22:44:13 | 植物

駐車場から見上げる玉泉寺本堂

私がレンゲショウマに最初に出会ったのは、数年前の夏。文化教室のお茶のお稽古の時でした。先生の自宅で栽培されているレンゲショウマが、この年に見事に開花したのでした。レンゲショウマは、8月の茶花にもなっています。見たとたん、すぐにとりこになってしまいました。下向きに咲く、可憐な花。清楚なその姿と自然の造形美に感動さえ覚えました。
それ以降、育たなかったようで、もう何年もレンゲショウマには出会っていませんでした。レンゲショウマは、福島県から奈良県にかけて自生し、県によっては絶滅危惧種に指定されています。自生地は、落葉樹林のあまり陽のあたらない湿った土地で、乾燥を嫌います。日本固有の植物で、キンポウゲ科レンゲショウマ属に属し、群生地として一番有名なのは御岳山です。そこには、5万株のレンゲショウマが咲き誇り、見ごろの時季には、「レンゲショウマまつり」が開催されています。

さて、今回のレンゲショウマですが、私がよく拝見させていただいている、とあるサイトに数年前から紹介されていました。それを見て、今年こそは行きたいと思っていました。場所は岡山県の県北、真庭市の玉泉寺(ぎょくせんじ)です。お寺のHPを見ると開花時期は、7月の終わりから8月の初めとありました。被写体としては、何といっても咲き始めの頃です。そこで、8月4日の日曜日、朝陽が差し込む前にと自宅を早朝6時前に出発しました。ナビに従い、北房ICで高速を降りて玉泉寺には7時40分ごろに着きました。駐車場は道路から少し下がったところに十分なスペースがとってありました。お寺の参道は、少し傾斜のある石段となっています。

玉泉寺はネットで調べると日本全国にいくつもあるようですが、一番有名なのが、伊豆下田の玉泉寺で、ハリスが国内で初めての米国総領事館を開設したことで知られています。最初は真言宗のお寺でしたが、後に曹洞宗に改宗されています。岡山のこの玉泉寺は、平安時代後期の建立とされていますので、その歴史で比較すると負けてはいません。山陽花の寺二十四か寺に指定されており、シャクナゲ、オオヤマレンゲ、アジサイなど季節の花が見事に咲き乱れます。

石段を登ると、境内となっており、まず左側の本堂でお参りをします。眼下に目をやるとそこには、山や田畑が広がりなかなかの眺望です。本堂でお参りした後、花はどこに咲いているのかなと、きょろきょろしていると、住職と思われる人と目が合いました。「おはようございます!レンゲショウマは咲いていますか?」と尋ねると、すかさず「咲いていますよ」と返事があり、まずは、ほっとしました。「場所はわかりますか?駐車場の横に道がありますから、登ってください。」「位置はこの方向です。三カ所ありますよ」と教えていただきました。この建物の裏山に咲いているようです。いよいよあこがれのレンゲショウマとご対面です。(つづく)



玉泉寺参道 この坂には厄除けのご利益もあるそうです。
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寄島町干拓地のアッケシソウ

2011-10-25 21:55:48 | 植物


岡山県浅口市寄島町干拓地のアッケシソウ

22日の土曜日、寄島町の干拓地にアッケシソウを見に行って来ました。毎年この時季になると地元の新聞に紅葉したアッケシソウが見ごろと紹介されています。非常に貴重で、絶滅危惧種に指定されているらしく、とにかく一度見ておこうと思いました。目指すは三郎島、自宅から約35分ほどです。今にも雨が降りそうな天気でしたが、何とか到着までもちました。
目的地に近くなると、アッケシランドと書かれた幟が何本も立っていました。駐車場は2カ所用意されていました。第一駐車場から数分歩くと、テントが張ってあり、「アッケシソウを守る会」の方たちでしょうか、お揃いの黄色い法被を着たお年寄りの方たちが、元気に、パンフレットを配ったり、ガイドをされていました。そしてすぐ前に自生地。思っていたよりも随分狭く感じました。色も、モミジぐらいの赤を連想していましたが、やや茶色がかかって、赤茶色といった感じです。説明によりますと、自生地は、この地区(AとB)とさらに西側に、C地区とD地区の計4か所あるそうです。一番大きいのが、このA・B地区で小さいながら展望台も設置されています。自生地の向こう側に水路があり、水鳥の親子がすいすいと泳いでいました。

このアッケシソウの自生地ですが、北半球に多く分布し、現在日本では、北海道、香川県、岡山県でのみ生育が確認されています。したがって、寄島町干拓地は、「本州で唯一の自生地」ということになります。アッケシソウは、塩水の入る砂泥地のみに育つ1年草で、草丈は10~40㎝、葉は肉質で、鱗片状に退化しています。花は夏から秋にかけて、一節の3花ずつ両側につき、各花の中央部に白い雌しべ、雄しべが見られます。秋には、全体が緑から紅色に変わり、その形状から別名サンゴソウとも呼ばれます。
最初に発見されたのが北海道厚岸町(あっけしちょう)の牡蠣島で、アッケシソウはその町名をとり命名されました。現在、もっとも有名なのが、北海道能取湖(のとろこ)のアッケシソウです。その群落は見事で、年間20万人の観光客が押し寄せるそうです。
 また、カルシウム、マグネシウムなどミネラルを豊富に含んでいるため、摂取すると体によく、その効能も数知れず。実際に韓国では、アッケシソウ塩として販売されているようです。




せっかくなので、C地区と、D地区にも行ってみることにしました。
一番遠いD地区まで、約400mもあります。しかしありがたいことに、無料の貸出自転車がありました。この自転車の存在を知っている人は多くありません。別に歩いてもいいのですが、お天気のことを考え、今日は借りることにしました。D地区、C地区は規模は小さいのですが、実際に中に入って近くで見ることができます。

いずれにしても、貴重なアッケシソウ、何とかこの自生地を保存維持してほしいと思うばかりです。

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キレンゲショウマ

2011-09-21 21:09:14 | 植物

ラッパ状に下向きに咲くキレンゲショウマ

お茶のお稽古で、当日の茶花は「キレンゲショウマ」と「カリガネソウ」でした。先生から「さてもさん、今日のお花は剣山のキレンゲショウマですよ!」と久々に先生も納得のいい花が手に入ったといわんばかりでした。夏場の茶花はなかなかいいものが無くて苦労されるようです。このキレンゲショウマは、名前の由来がレンゲショウマによく似ているということで付いたようですが、私にはあまり似ているとは思えません。可憐さは、やはり森の妖精と云われるレンゲショウマに軍配が上がるでしょう。でも、この花のことをいろいろ調べていると、興味深いことがいくつかわかってきました。
まず、この花の群生地ですが、西日本第二の霊峰、剣山のそれも1700㍍以上の、あるところにしか咲いていないということ。また、この花を一躍有名にしたのが、宮尾登美子さんの小説「天涯の花」だということでした。私はその小説が読みたくなって、すぐに書店で購入(集英社文庫)し、一日で読み切ってしまいました。あらすじはこうです。

お寺の前に捨てられた生後2か月の珠子は、その後養護施設で、中学校を卒業するまで大切に育てられた。花が好きなとても純粋な子どもであった。中学を卒業すると、どこかに就職先を見つけて、施設を出なくてはならないが、珠子の願いは、いつまでも施設の子といわれることのない、新しい養父母のところにもらわれていくことだった。くしくも、剣山の中腹にある剣神社の老いた宮司夫妻が、「やさしい素直な女の子」がいたら養女にもらいたいという希望を出しており、結局、珠子はこの老夫婦のもとにもらわれていくことになった。
剣神社には、電気も水道もガスもなく不便な生活であったが、巫女として立派に養父を助けた。そのうち養母がリュウマチで亡くなってしまう。ある日、山小屋の典夫から、キレンゲショウマの咲く群生地に案内してもらい、あまりの美しさに魅了され我を忘れてその場に立ちつくしてしまうほどだった。ある日、珠子は、遭難した久能を助けることになる。久能はキレンゲショウマを撮りに来たカメラマンであった。怪我が治るまで一緒に暮らすうち、お互いに惹かれるようになる。しかし、久能を心配した妻が東京から迎えにくる。きっと帰ってくると言い残して去った久能だがそれから10カ月も音沙汰がなく、珠子は以前から結婚を求められていた典夫と一緒になることをいったん決める。しかし、捨て子、施設の子と心配する典夫の親戚の声を偶然きいてしまう。それから珠子はいつまでも久能を待つことを決心する。
ちょうど、その頃、神官の資格をとることを決め、剣山に向かってくる久能の姿があった。物語はここで終わる。

という物語の内容ですが、登場人物が皆、心やさしい人ばかりで読んでいて心がなごみます。宮尾登美子さんは、剣山のレンゲショウマは実は見たことがなかったそうです。1400mの見ノ越まで車で行ったそうですが、息が苦しくて引き返したとか。この話は実話をもとに書かれたものともいわれています。先日の日曜日の朝の番組「小さな旅」で、西日本一の霊峰・石鎚山をしていましたが、キレンゲショウマが発見されたのは、その石鎚山だという興味深いコメントがありました。さて、現在、剣山は道路も随分整備され、行きやすくなっており日帰りも可能だそうです。来年の8月には是非、この目でキレンゲショウマを生で見てみたいと思うのです。

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かれんな花 ユキワリイチゲを求めて

2011-03-15 21:04:04 | 植物



朝、一番に矢掛の観照寺で臥龍梅と枝垂れ梅を見た後、先日の山陽新聞の備後版に紹介されていた、広島県府中市上下町のユキワリイチゲを見に行ってきました。自生地は国道432号松崎トンネル東の山林斜面とありました。この松崎トンネル、地図で探しましたがもうひとつよくわかりません。いずれにしても432号線を走っていれば見つかるだろうと、とにかく出かけてみることにしました。山野草を撮影しに出かけるのは実に5年ぶり。以前、同じく上下町の宇根地区に一度だけカタクリの撮影に行ったことがありました。

最近、山陽自動道の尾道付近から世羅まで、尾道自動道ができました。どのくらい時間がかかるか、試しにこのコースで目的地を目指しました。新しい道は、振動も少なく気分も爽快。高い陸橋やトンネルで変化にも富んでいます、なにぶん無料というのがいいですね。
世羅ICから降りると432号を上下方面に向けて進路をとります。しばらく走ると途中に目立つ看板があったのですぐにわかりました。
案内板にしたがって、国道からその細い道を降りると、すぐにJR福塩線が道路と並行して走っています。その線路を横切ると、すぐに芦田川支流・矢多田川に架かる橋があり、あとは、案内板にしたがって進みましたが、看板からは車で数分の距離でした。駐車場と書かれた道路の脇スペースに車を停めると、先客が帰ってきました。「全然、咲いとらんよ!看板の下に、いくつかつぼみがある程度。川のそばなので寒い寒い!」と教えてくれました。今日は、いつもになく三脚とマクロレンズを持参し、ずいぶん気合が入っていましたので、そのことばにはずいぶん、がっかりしました。

しかしここまで来て引き返せません。とにかくその場所まで行ってみることにしました。駐車場近くの歩道はきっちとアスファルトで舗装されていましたが、山の斜面は進むにつれて、刈り込みだけのあぜ道となります。しかし、こうして楽に歩けるのも散策道整備や下草刈りなど、自生地の保護に取り組む住民団体「矢多田・松崎環境保全協議会」の皆さんのおかげです。自生地は、山の斜面、幅300メートルにも及びます。その間、ずっと広範囲に自生しているわけではなく、ぽつぽつといった感じで連続しています。5月には地上から消えて無くなるそうですから、なんともはかなく神秘的です。



やはり、花は一輪も咲いていなくて、どれもつぼみの状態でした。今にも咲きそうなのですが、これは、時期的にまだ早いのか、それとも、時間的に早すぎたのか、どちらでしょう!お昼頃でしたので、もう2時間あとに来てみると、ひょっとしたらという期待もありましたが、このあとは、上下の町並みの「でこ市」を見て帰る予定でしたので、今日のところは、泣く泣くあきらめることにしました。
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