頂上に近づくにつれて山並みが広がります。
「ひろしま県民の森」を起点とする登山コースで、毛無山に登ってきました。山頂で食べることを楽しみに4個(2人分)のおにぎりを用意しての出発です。自宅を8時に出発すると、ひろしま県民の森公園センターには、2時間後の10時頃に到着しました。公園センターの駐車場は、登山者の車でいっぱいで、申し訳ないと思いながらも道路の脇に停めさせてもらいました。とにかく初めてなのでまず情報集めです。もちろん事前にコースは調べていましたが、具体的にどこから登るという、詳細なことはウオーキングMAPを手に入れるか、訊ねないとわかりません。
ところで、この毛無山、日本全国・地図に載っているものだけでも26もあるそうです。その中でも一番有名なのが、山梨県と静岡県の県境にまたがる天子山塊の最高峰・毛無山です。標高は1946m、山麓からの標高差は何と1100mもあります。岡山県では新庄村の毛無山(けなしがせん)1218mがあります。
県民の森でトイレを借り、受付で「ウオーキングマップありませんか?」と尋ねると、「10円です!」とのこと。え?お金摂るの、と思いましたが、公共の施設ではなさそうなので仕方ありません。この「ひろしま県民の森」起点の登山ルートは、いくつもあり、中でも毛無山コースは一番初心者向けのコースです。登山口と頂上との標高差は、約350mしかありません。往復だけではもったいないので、出雲峠を廻って帰る2時間半のコースにしました。
きれいな受付の女性から登山口の場所を教えてもらい「今日は天気がいいから絶好の登山日和ですよ!気をつけて行ってきてくださいね!」と声をかけてもらい、いよいよスタートです。橋を渡り左に進路をとって進むと、そこには多くの登山者の姿がありました。女性の割合が7:3ぐらいで多いようでした。少し歩くと右に折れるように山道をあがって行く3人連れの姿がありました。よく見ると、案内板に「毛無山2.2K」の表示がありました。これだけ人が多いのに毛無山に行く人がほとんどいないのに驚きました。
緩やかな傾斜のあるブナ林の登山道を、黄色の落葉が覆っています。そのせいか地面がやわらかく感じられ、足への負担も少なく心地よい感じがします、時おり見上げるときれいに黄葉した落葉樹に陽が射して、ついついカメラを構えてしまいます。当初、すぐ前を歩いていた賑やかな3人組はいつのまにか見えなくなり、後方から何組かの登山者が追い抜いていきました。中には、クマよけの鈴をつけている人もいました。そういえば、クマに注意との看板を途中で見たような気がしました。実際、クマに突然出会ったらどのように対処したらよいのだろうと、ふと考えたりもしました。
ブナ林を抜けると木々の背丈はだんだん短くなり、急に視界が開けてきます。頂上はもうすぐそこでした。所要時間は約50分。頂上は、360度のパノラマ、遠くに道後山が見えます。天気のいい日は大山も見えるようですが、この日ははっきりとはわかりませんでした。次々と登山者がやってきて歓声を上げたり、記念写真を撮ったりしています。
私たちは早速、お昼にします。「あ~、家で作ったおにぎりはどうしてこんなにおいしいのか。コンビニとは全然違うね」と舌鼓。「今度、来るときはコーヒーを沸かす器具を買ってこようか」と話も弾みます。山並みを眺め、写真を撮ったあと、すぐ下山にかかります。当初の予定どおり出雲峠まで廻って帰るルートにしました。想像以上の急な下り坂です。途中、小学生と親らしい一団に会いました。中にはどう見ても5.6歳ぐらいにしか見えないちびっこもいて、つい「がんばれー」と声をかけてしまいます。
急な坂道を下ると、ススキが茂る原っぱが見えてきました。出雲峠です。木のベンチもあって何組かのグループがここで休憩をしていました。遊歩道を公園センターの方に進むと、沿う形で渓流が流れています。その音は徐々に大きくなり小川となりました。左手の山には陽が射し、山が紅く染まっています。わずかですが、リンドウやナデシコを見ることができました。カエデ類も多く、もう少しすると見事な紅葉をみることができるでしょう。公園センターの駐車場に着くと、出発してからちょうど3時間を経過していました。
この「ひろしま県民も森」、個々のレベルにあったいろいろなコースを楽しむことができます。次回はもう少しだけ難易度の高い山に挑戦し、頂上でできたてのコーヒーを飲んでみたいと思いました。