昨年の全国大会から、7位でゴールするR.ワンジル
シリーズで連載しています「全国高校女子駅伝の有名校の実力を探る」、今回は昨年の全国大会で7位となった青森の青森山田高校をデータから分析してみたいと思います。
(例によって敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから‘駅伝’を選択ください。)
先月、行われた青森県予選会では、1時間8分25秒の好タイムで優勝しました。昨年の記録を7秒も更新する大会記録でした。昨年出場した阿部千咲をケガで欠いてのメンバーでしたが、まさに青森山田高校としては過去最強のチームの誕生となりました。
(青森予選会の記録)1時間8分25秒
1区 西澤果穂 19.10 1位
2区 矢作佳南子 13.13 1位 区間新
3区 伴 末結 9.56 1位
4区 溝江愛花 10.08 1位
5区 R.ワンジル15.58 1位
1区は、西澤果穂が昨年記録した区間新と同タイム、2区の矢作佳南子が区間新で好タイムとなりました。
昨年の大会は、次のとおりです。1時間8分32秒
1区 西澤果穂 19.10 区間新
2区 榊優美子 13.29
3区 小林由依 9.46 区間新
4区 阿部千咲 10.07 区間新
5区 R.ワンジル16.00
ここで、平成25年度各都道府県代表校の予選タイム(上位)を見てみましょう。
1. (岡山)興譲館高校 1.07.29 15年連続15回目
2. (愛知)豊川高校 1.08.14 7年連続7回目
3. (兵庫)須磨学園高校1.08.16 21年連続21回目
4. (神奈川)荏田高校 1.08.23 15年ぶり7回目
5. (青森)青森山田高校1.08.25 21年連続21回目
6. (群馬)常盤高校 1.09.12 14年連続14回目
7. (大阪)薫英女学院高校 1.09.28 8年連続8回目
8. (山梨)山梨学院大附属高校 1.09.30 5年連続13回目
9. (鹿児島)神村学園高校 1.09.33 18年連続21回目
コースの形状、気象条件によって単純には比較できませんが、本年度も入賞する力は十分と思われます。
次に3000mの記録を見てみましょう。
1.R.ワンジル 8.49.32
2.西澤果穂 9.8.82
3.溝江愛花 9.43.10
4.矢作佳南子 9.43.10
5.伴 末結 9.47.82
6.阿部千咲 9.54.85
7.川村美学 9.58.09
上位5名の平均タイムは、アバウトですが9:26となりました。昨年の全国大会前の平均タイムが、9:29でしたので、約3秒タイムを上回っています。
次に、昨年の3000mの記録を確認してみましょう。
1.R.ワンジル8.51.97
2.西澤果穂 9.27.39
3.阿部千咲 9.44.46
4.沼端高嶺 10.05.39
5.矢作佳南子 10.06.73
6.川村美学 10.11.21
昨年の全国大会を走ったメンバーの内、西澤果穂、阿部千咲、R.ワンジルの3名が残っています。それでは、個々に分析してみましょう。
まず、R.ワンジルです。昨年と比較し3000mで2秒以上更新しています。昨年は、仙台育英高校のマリアム.ワイディラに遅れをとっていましたが、今年は1500m、3000mともに圧倒的記録で文字通り高校陸上長距離界最強のランナーです。全国大会も最終5区の起用は間違いないでしょう。タスキを受けて前の何人抜くかが彼女の使命です。昨年は2人を抜いて、堂々の7位入賞となりました。初の入賞に青森山田高校は大いに沸いたのでした。
次に、西澤果穂です。3000m、現在のランキングは、第10位、昨年の5000mでは15.46.74で10位の記録も持っています。3000mでは昨年と比べ自己記録を何と18秒以上更新しています。昨年の全国大会では、1区を走り全国の上位校に遅れをとることなく堂々の4位で走り切りました。この好走が流れをつくりました。また春の全国都道府県大会では1区を走り16位ながらも、高校生では上原美幸に次いで2位でした。彼女も調子を落とすことなくパワーアップしていますので、今年の大会も大いに活躍をすることは間違いないでしょう。彼女も昨年同様1区の起用と思われます。
この2トップに続くのは、本来なら昨年の全国大会に出場した阿部千咲ですが、今年の記録を見ると、あまり状態はよくないようです。未だ故障中とのことですが、早く復調して昨年の全国大会第3区・区間10位の力を取り戻し、再びチームに貢献してもらいたいものです。
そんな中、貢献度で光るのが、予選会で2区を走った、矢作佳南子です。昨年同じ2区を走った榊優美子の記録を16秒も更新しています。
タイム的にいくと、現状では予選会のメンバーそのままの布陣と思われます。2区、3区、4区でいかに持ちこたえるかが、順位を大きく左右します。決して無理をせず、しっかりタイムを刻み、個々の使命を果たすこと、それが結果につながります。
ということで、平成25年の全国大会の予想順位は、以下のとおりとなりました。
1位 豊川高校(愛知)
2位 薫英女学院高校(大阪)
3位 立命館宇治高校(京都)
3位 興譲館高校(岡山)
3位 須磨学園高校(兵庫)
6位 青森山田高校(青森)
7位 筑紫女学園高校(福岡)
これで、各校の分析は終わりにし、大会直前までに再度、今年の優勝校を予想してみたいと思います。
矢作佳南子さん、調子が出ていますね。
他の高校も、本番に向けて随分仕上がっているようです。
22日、活躍を楽しみにしております。