秋晴れに恵まれた10月15日。京都東山の「粟田神社」は、例大祭を迎えました。
そこで奉納されたのは、古式ゆかしい式庖丁です。
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11時から始まった例大祭。来賓および氏子の方々が列席し、まずは神事が厳かに始まりました。
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先に行われた神幸祭は、剣鉾や神輿が境内に姿を現し、賑わいをもたらすもの。神社本来の御祭礼である例大祭は、厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
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神事の後、行われたのは、式庖丁の奉納です。
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庖勝一條流の家元、富田勝雄さんが、その技を披露なさいます。
「富田さんは、『京懐石 京とみ』のご店主で、よくランチに天ぷら食べに行くんだ~美味しいの!う!いつもと雰囲気違う…」と、ミモロがよく東京のお友達を案内するお店で、いつもにこやかに迎えてくださる富田さん。でも、この日は、お家元のお姿…かっこいい…と密かに思うミモロでした。
さて「式庖丁」というのは、平安時代から現在まで伝承された食の儀式。烏帽子、狩衣、袴姿で、まな板の上の魚や野菜に、直接一切手を触れず、庖丁と真魚箸だけでさばき、めでたい形に盛り付ける技。平安時代から江戸時代までは、宮中の祝いの席で披露されていたそう。今は、「穢れ」避けるために、食材に直接手を触れない技は、神様への奉納にふさわしい儀式として、京都では、いろいろな場所で奉納されています。京都では、他の流派として「生間流(いかまりゅう)」が知られます。
拝殿にて行われる式庖丁。まずは和ろうそくに火を灯す「燭光の儀」から…
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次にまな板の邪気を鈴の音で清めます。
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続いて、まな板の上の絹を取り、布巾で清め、この日、奉納される鯛がまな板に置かれます。
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鱗と内臓を取った鯛…それを庖丁と金属製の長い箸を使い切り分けてゆきます。
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いよいよ家元の富田さんの登場です。
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刀のように鋭く研がれた庖丁と長い箸を、鮮やかに扱い、鯛を切ってゆきます。
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「どんな風になるんだろ?」ミモロは、まな板の上をじっと見つめます。
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しばらくすると、鯛の頭と骨が、身から離れました。「わ~すごい!」と思わず声と拍手が上がります。
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ミモロもビックリ!鯛は、3枚におろされたのです。「すごいね~手を直接鯛を触っていないのに…」とまるで手品を見ているような心地に…。
鯛の頭と骨は、黒塗りのお盆の上に、立てられてました。
「あれ?」とミモロは、拝殿の向こう側に目をやります。
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するとそこに、富田さんをじっと見守る2人の女性の姿が…
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「あ、奥様とお嬢さんだ~」といつもお店で顔を合わせるお二人です。富田さんの晴れ姿を後ろから見ていらしたのです。正面から見るのではなく、その後姿を…。「いいね~」と思わずつぶやくミモロでした。
三枚におろされた鯛は、庖丁で細く切られ、さらに何度か庖丁で切り分けられています。
「何してるんだろ?」と、富田さんの所作にミモロは興味津々。
刻まれた鯛の身は、次々に黒塗りのお盆の上に置かれます。
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やがて庖丁と箸が納められ、式庖丁が終了しました。
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まるで舞を見ているような雅な所作…。日本の伝統の技のひとつです。
鯛が乗ったお盆は、神職により、本殿の神様のもとに奉納されます。
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「神様、召し上がるのかな?その後、あの鯛どうなるんだろ?」とそれが気になるミモロです。
さて、細かく切った身は、よく見ると、「寿」の文字になっています。そう、吉祥の文字を表すのも式庖丁の特徴のひとつ。
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式庖丁を奉納なさった「庖勝一條流」の皆様。
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お疲れ様でした。
例大祭を納めた「粟田神社」の佐々貴宮司様にも、今年の祭りを終えた安堵の表情が浮かびます。
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「まだ、コロナ前のような祭りではありませんが、やっと3年ぶりに神輿渡御などが行われたことに喜びを感じます。ただ雨で夜渡神事が中止になったことは残念でしたが…」という内容のお話を伺いました。
「今年は、まだ神賑行事で、食べ物の夜店なんかなかったけど…。きっと来年は、前のようなお祭りになるといいね~」と言いながら、境内を後にしたミモロでした。
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*「粟田神社」の詳しい情報はホームページで
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ミモロへのお問い合わせ・ご要望は、mimoro1888@gmail.comまで
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そこで奉納されたのは、古式ゆかしい式庖丁です。
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先に行われた神幸祭は、剣鉾や神輿が境内に姿を現し、賑わいをもたらすもの。神社本来の御祭礼である例大祭は、厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
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神事の後、行われたのは、式庖丁の奉納です。
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庖勝一條流の家元、富田勝雄さんが、その技を披露なさいます。
「富田さんは、『京懐石 京とみ』のご店主で、よくランチに天ぷら食べに行くんだ~美味しいの!う!いつもと雰囲気違う…」と、ミモロがよく東京のお友達を案内するお店で、いつもにこやかに迎えてくださる富田さん。でも、この日は、お家元のお姿…かっこいい…と密かに思うミモロでした。
さて「式庖丁」というのは、平安時代から現在まで伝承された食の儀式。烏帽子、狩衣、袴姿で、まな板の上の魚や野菜に、直接一切手を触れず、庖丁と真魚箸だけでさばき、めでたい形に盛り付ける技。平安時代から江戸時代までは、宮中の祝いの席で披露されていたそう。今は、「穢れ」避けるために、食材に直接手を触れない技は、神様への奉納にふさわしい儀式として、京都では、いろいろな場所で奉納されています。京都では、他の流派として「生間流(いかまりゅう)」が知られます。
拝殿にて行われる式庖丁。まずは和ろうそくに火を灯す「燭光の儀」から…
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次にまな板の邪気を鈴の音で清めます。
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続いて、まな板の上の絹を取り、布巾で清め、この日、奉納される鯛がまな板に置かれます。
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鱗と内臓を取った鯛…それを庖丁と金属製の長い箸を使い切り分けてゆきます。
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いよいよ家元の富田さんの登場です。
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刀のように鋭く研がれた庖丁と長い箸を、鮮やかに扱い、鯛を切ってゆきます。
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「どんな風になるんだろ?」ミモロは、まな板の上をじっと見つめます。
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ミモロもビックリ!鯛は、3枚におろされたのです。「すごいね~手を直接鯛を触っていないのに…」とまるで手品を見ているような心地に…。
鯛の頭と骨は、黒塗りのお盆の上に、立てられてました。
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するとそこに、富田さんをじっと見守る2人の女性の姿が…
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「あ、奥様とお嬢さんだ~」といつもお店で顔を合わせるお二人です。富田さんの晴れ姿を後ろから見ていらしたのです。正面から見るのではなく、その後姿を…。「いいね~」と思わずつぶやくミモロでした。
三枚におろされた鯛は、庖丁で細く切られ、さらに何度か庖丁で切り分けられています。
「何してるんだろ?」と、富田さんの所作にミモロは興味津々。
刻まれた鯛の身は、次々に黒塗りのお盆の上に置かれます。
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やがて庖丁と箸が納められ、式庖丁が終了しました。
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まるで舞を見ているような雅な所作…。日本の伝統の技のひとつです。
鯛が乗ったお盆は、神職により、本殿の神様のもとに奉納されます。
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「神様、召し上がるのかな?その後、あの鯛どうなるんだろ?」とそれが気になるミモロです。
さて、細かく切った身は、よく見ると、「寿」の文字になっています。そう、吉祥の文字を表すのも式庖丁の特徴のひとつ。
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式庖丁を奉納なさった「庖勝一條流」の皆様。
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お疲れ様でした。
例大祭を納めた「粟田神社」の佐々貴宮司様にも、今年の祭りを終えた安堵の表情が浮かびます。
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