今秋、見事な紅葉を見物した金閣寺。その大本山が、京都御苑の北側にある臨済宗相国寺です。
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広大な境内には、やはり紅葉した楓が。
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その数をあまり多くはありませんが、広々した境内を歩く気持ちよさは、十分に味わえます。
12月15日まで、重要文化財の法堂をはじめ、美しい石庭をもつ開山塔や600年以上前に創建されたといわれる浴室が、公開されています。
法堂は、豊臣秀頼によって再建されたもので、法堂の中では、最古のものだそう。その天井には、狩野光信によって、大きな龍の図が描かれています。
「わー迫力ある龍の図…」とミモロは、天井を仰ぎ見ながら…。
「下で手を叩くと、龍が鳴くんですよ」と係の方。さっそくミモロは、手をパンパンと…。
ミモロの小さな手ではなんの変化を感じられません。
そこで近くの男の方が、大きな手で柏手を打つと、
「あら?なんか鈴がなってるみたいな音がするーなんだーウォーって鳴くのかと思ってたー」とちょっと期待外れな表情のミモロです。
法堂の中を歩き回るミモロは、ふと立ち止まり「なんか、誰かに見られてる気がする…」と天井を見上げます。「あれ、また龍がミモロを見てる…」そう、この龍の図は、八方睨みの龍で、どの方向から見ても、目が合うようになっています。
でも、天井に描かれる龍で、八方睨みじゃない龍おみたことありません。やはり龍の絵は、八方睨みに描くのがお約束なのかもと…。
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「わー紅葉がお庭を縁取っているみたい…」
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「いいなーこうゆう静かなお庭…なんか、眠くなって来ちゃったー」
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温かな陽射しに包まれて、その気持ちよさに思わず眠気が…。「キャー」
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次の瞬間、ミモロの体は、欄干から床へ。「イテテー」と慌てて起きるミモロでした。
紅葉のお庭から、境内を少し歩くと「宣明(せんみょう)」と呼ばれる浴室があります。
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「お風呂?」と、ミモロは、興味津々で中へ。ここは、禅の修業をする僧侶が、身を清めるための場所。1400年ごろに創建され、現在のものは、慶長元年(1596)の再建。
木造の建物の中には、もうひとつ別の建物が…。
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お風呂と言っても、浴槽に浸かる家のお風呂とは違い、ここは言うなればスチームバス。
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蒸気を室内に満たし、ひしゃくで湯を体に掛けるスタイルです。入り方には、厳しい作法があり、お尻などの穢れた場所に触れることは許されません。「え?お尻洗わないんだー」と、今とは異なる入浴法に、不思議そうなミモロです。
相国寺の特別公開を見学したミモロ「あ、そうだー紅葉のキレイな場所がまだあったー」と、向かったのは、境内にある「承天閣美術館」。
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若冲の作品など、多数の貴重な宝物を展示する美術館です。
「ほらねーやっぱりキレイだった」
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美術館の入口へと続くアプローチには、鮮やかな紅葉の楓が多数植わっています。
「もう、楓も終わるねー。なんか淋しくなっちゃうー」と、日を追うごとに、薄れてゆく町の色を、名残惜しそうに眺めるミモロです。
12月を目前に、京都の紅葉は、盛りを過ぎましたが、ちょっとのんびりした楓は、今から紅葉を迎えます。観光客のピークも過ぎて、今からは、残った秋の面影を、ゆっくり味わえる時期に。師走らしい雰囲気も徐々に高まる京都の町。12月末までの期間は、静かな京都を味わえる数少ない期間かも…。
*「相国寺」の詳しい情報は、ホームページで。
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