「キャ~もう終わっちゃうんだ~」とミモロが慌てたのは、第56回京都非公開文化財の特別公開18か所の中の「泉涌寺」の特別公開です。
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御寺といわれる皇室ゆかりの深い真言宗の泉涌寺派の総本山の「泉涌寺」。
まず入口で拝観料500円を納め境内へ。
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大きな伽藍の立派なお寺…ミモロは、何度も参拝しています。
でも、今回は、通常非公開となっている「舎利殿」が特別に公開されているのです。
「あ、ミモロちゃん、いらっしゃい~」と、そこで待っていてくださったのは、お友達の松井さん。今回、ここのガイドさんを務めています。
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「はい、入る前に体温チェックとアルコール消毒やってくださいね~」と。コロナ対策もしっかり。「お熱ありませんね~どうぞ」
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舎利殿で、松井さんの説明を伺います。
建物は、後水尾天皇により、慶長年間に禁裏から移築されたもの。ここに祀られているのは、お釈迦様の歯である「仏牙舎利」です。
立派な金銅装の宝塔の中に納められています。
「え~お釈迦様の歯なの?」と不思議がるミモロ。「それは、教えを伝える象徴なんですよ~」と。
その脇には、韋駄天の姿。なんでもお釈迦様が亡くなった際、歯を鬼に盗まれ、それを韋駄天が自慢の足で取り返したという伝説が…。
「いつまでも健脚でいられるご利益があるんですよ」と。「ミモロ、かけっこ遅いんだ~速くなれるといいなぁ~」と手を合わせるミモロです。
なんでも謡曲「舎利」は、この舎利殿を舞台にしたものだとか。
「ミモロちゃん、ここで手を叩いてみてください~」と言われ、ミモロはパーンと手を打ちます。
「あ、鳴き龍だ~」。拍手に反応し、堂内にかすかに音が響きます。
ほかにもいろいろ見どころは…ガイドさんが詳しく説明してくださいます。残念ながら撮影禁止なので、どうぞ実際にいらしてください。
ご朱印も頂戴し、ミモロは、舎利殿を後にします。
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今回の京都非公開文化財の特別公開で「泉涌寺」の「舎利殿」は10月31日まで。山内にある塔頭「悲田院」と「戒光寺」でも11月1日までです。
「ほかのところも拝観しよう~」」と、ミモロは、「悲田院」に向かいました。
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ここでは、鎌倉時代の仏師、快慶作の「宝冠阿弥陀如来坐像」などが公開されています。
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「キレイな阿弥陀様だね~へ~快慶作なんだ~」とミモロ。ヒノキ材でできた高さ72㎝の像で、知的な美しいお顔をなさっています。
そのほかの仏像も拝見し、最後に、外で京都の町を眺めます。
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「ここ、すごく眺めがいいね~。こんなに高い場所にあるなんて実感なかった~」と、なだらかな坂道の参道を歩いてきたので、山の高さがよくわからなかったよう。
さらに「戒光寺」へと向かいます。
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「あの堂のなかに仏さまがいらっしゃるんだって~」
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その仏像は「丈六」と言われる高さ5.4m、台座と光背を含めると10m以上にもなる立派な釈迦如来像です。
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「すご~い!」と堂内で初めて拝んだミモロはビックリ。
なんでも運慶と湛慶、親子合作と言われる重要文化財です。
「纏ってらっしゃる衣も美しいね~」とミモロ。
そこにいらしたガイドさんの説明によると、像のお首から血が流れたような跡が…。それは後水尾天皇が東宮であったとき、即位争いで暗殺者に襲われ、その折、この釈迦さまが身代わりなられ難を逃れたのだそう。以来、守護仏さまと崇められ、今も「身代わり丈六さま」と多くの崇敬を集めているのだとか。
「すごい迫力あるね~」とミモロがいうのは、その大きな像が、前傾姿勢になっているので、覆いかぶさるような感覚を抱くのです。
「さすが運慶親子…」と関心しきりのミモロ。
また、鎌倉時代作と言われる「不動明王像」は、珍しい足を出したお姿で、その足の裏も拝見できます。
特別公開は、それぞれ拝観料は1000円。それは、文化財の保存・修理・維持管理に役立てられるとのことです。
まだ少し紅葉には早いのですが、ぜひ期間中に訪れてはいかがでしょう?
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