「えーこんなところに、こんな施設があったんだー!」と、ミモロがビックリしたのが、「京都府立陶板名画の庭」。「京都府立植物園」やコンサートホールのそばにあり、地下鉄烏丸線北山駅の出口もすぐ近くです。
「わーりっぱな建物…」
コンクリートの打ちっぱなし、直線からなるシャープな印象、光と影の絶妙なハーモニー…そう、ここは建築家、安藤忠雄氏により設計され、平成6年に竣工した屋外で名画が鑑賞できる絵画庭園です。
壁面を落ちる滝の水が建物に動きをもたらし、池のような空間にたまる水面に、光が反射し、独特の世界が広がっています。
「あー池の中に睡蓮のお花が見える…」
ミモロが覗きこむ先には、あの有名なモネの「睡蓮・朝」が、原寸大のサイズで水の中に沈んでいます。
「水の中にあるから、本物の睡蓮みたい…」
この美術館の作品は、実は全部陶板でできています。作品数は、全8点で、内4点は「1990年国際花と緑の博覧会」に出品された作品で、徳島県にある「大塚国際美術館」と同じ、滋賀県信楽の大塚オーミ陶芸株式会社によって制作されたもの。
鳥羽僧正の「鳥獣戯画図」は、約2倍に拡大。「すごくわかりやすいね!」
壁面に広げられた絵巻を、極近くで、楽しむことができます。
建物のスロープを歩きながら、名画を鑑賞できるのが、ここの魅力。途中のベンチでも、ゆっくり鑑賞できます。
「これ、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』だよー」
こちらも、ミラノのサンタ・マリア・ディレ・グラツィエ修道院にある本物と同じ大きさ。迫力が漂います。
もっと迫力を感じるのが、こちら・・・
ミケランジェロの「最後の審判」です。これも原寸大。本物は、遠くに見上げるようにしか見えませんが、こちらでは、真正面から鑑賞でき、絵の細部までよく見ることができるようになっています。
スロープを下り、絵の一番下に立ったミモロは、ブルブルと震えだしました。
どうしたの?「あのねーミモロの位置からだと、地獄みたいな怖い部分しか見えないのー」
なるほど、ミモロの視線の前には、恐ろしい死者の顔や骸骨などが…「夜、夢に出てきそう…」と、逃げるように慌ててその場を立ち去るミモロでした。
スロープを歩くと現れるさまざまな名画。
スーラ、ルノアールやゴッホの作品がすぐ近くに…
「よく見える…」
これらの名画が一度に見られるのは、もしかしてここだけ…。
しかも、屋外にあるので、太陽の光の変化で、美術館では感じることができない鮮やかな色彩。
「普通の美術館とは違って、すごく明るくて、開放的な中で名画が見られて、いいね!」と。
青い空を背景に、「最後の審判」が見られます。「キリストさまが、天から降りてくる感じがするー」と。
ただし、陽の向きにより、建物の影が絵画に落ちて、半分くらい暗くなり、絵が分断されたようになってしまうことも。
「でも、こんなにのんびりできて、100円って、いいよねー」
夏は壁面を伝わる水が、涼しさを誘います。
「なかなか楽しかったー。こんなところに、こんな素敵な場所があるって知らなかったよー」と。
北山通にお買い物や、植物園に行ったら、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
*「京都府立陶板名画の庭」京都市左京区下鴨半木町 開園時間 9:00~17:00(入園は16:30までに) 入園料100円くわしい情報は、ホームページで
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