夏ももう終わってしまったかのような涼しい週末。
青山劇場に『ガラスの仮面』を観劇に。
来年、閉館ということで、たぶん、今回が、最後の来場になるのではないか・・・と思う。
よい劇場なんだけどな・・・シートの座り心地もよくて・・・。
さて、この『ガラスの仮面』。
過去に何度も舞台化されているし・・・たぶん、一番最初は、坂東玉三郎さん演出だったかと思う。
それ程・・・演劇人なら、心を動かさずには、いられない作品なのだろう。
テレビドラマ化もされたし(安達祐実さん主演)、アニメーション化もされている。
なにしろ、原作が、永遠の少女漫画の傑作(未だ、完結していないけれど)だから。
拙ブログでも、2010年8月15日に、蜷川幸雄氏演出の音楽劇でのレヴューを書いた。
今回は、製作元が、松竹。
演出は、G2さん。
千の仮面を持つ少女・北島マヤに、貫地谷しほりさん。ライバルの姫川亜弓役に、マイコさん。
実は、私このひとのヴィジュアルが大好きでして。速水真澄役は、小西遼生さん。美しい。
そして・・・月影先生は、一路真輝さん。まるで、原画からとびだしてきたようだ。
月影先生と言えば、野際陽子さんが、印象深いけれど、一路さんもぴったりだ。
流石に上手い。セリフの抑揚は、抜群だった。
姫川亜弓役のマイコさんも、上品な美しさと抜群のスタイルで、マヤ以上の難役・姫川亜弓を綺麗に演じた・・・難を言えば、少し背が高すぎるということだろうか・・・桜小路優役の男優さんが、小さすぎたのかもしれないが・・・?
『ガラスの仮面』の『北島マヤ』を演じるのは難しい。
超難関と言えるかもしれない。
普段は、ひとに埋もれてしまう平凡な個性で、しかも内気な少女だが、ひとたび舞台に上がると、その天性の才能による『舞台荒らし』で、相手を喰ってしまう非凡さを演じ分けるのは、難しい。
貫地谷しほりさんは、元気の良さで、まず及第点といったところか。
『ガラスの仮面』の見所は、劇中劇にある。
マヤと亜弓が挑む芝居の役が、物語を再構築する。
今回は、『ふたりの王女』、『カーミラの肖像』。
原作者の美内すずえ氏による創作の物語演じるのだけれど、マヤと亜弓が、役を掴むまでの過程が、やや簡素過ぎたきらいがあった。観客は、たぶん、この劇中劇を観たいのに違いない。
テンポよく進むけれど、物語の筋を追い過ぎた感もありか・・・。
長い物語だから、何処まで、端折るかが、難しいところなのだろう。
休憩時間を含む3時間の上演。
私にとっては、青山劇場ファイナル・・・さらば、青山劇場・・・。