今日は66回目の終戦記念日である。政府や各自治体は「戦没者追悼式」を行った。菅首相や各地の首長がどんな挨拶をしたのだろう。戦争の犠牲者を忘れてはならないことは当然だけれど、それと共になぜ戦争をしてしまったのか、戦争をしないためにはどうすることが必要なのかを考え、行動することが必要だろう。それと同時に、私は絶対に戦争に反対すると誓って欲しい。長崎市の原爆記念日で長崎市長が、被爆した私たちが放射能の恐怖を重く受け止めなくてはならないと言った趣旨のメッセージを述べていたけれど、なぜ原子力の利用を「平和」の冠を付けただけですんなりと認めてきたのかも重大な問題だと思う。
友だちが話題にしていたので、NHKテレビドラマ『テンペスト』を見た。友だちは有能な同性の働く姿をドラマに見たかったのかも知れないが、龍が出てきて危機を救うなどちょっと非現実で面食らった。『テンペスト』はシェークスピアの戯曲に同名のものがあり、魔法が使われているから、そんなことをヒントに作られたドラマなのだろう。舞台は沖縄がまだ独立した王国であった時代で、中国の清と日本の薩摩藩との狭間でどう進むべきかを巡る王国政府である。初代琉球王朝の流れを汲むという主人公の仲間由紀江は優秀だが女性であるため、国の中枢へ入り込むことができない。そこで宦官と偽って役人になっていく。
清の宦官から、また薩摩の役人から、「いったいどっちなのだ。清の味方なのか薩摩の味方なのか」と詰問されるが、主人公は「どちらでもない。私は琉球派だ」と言い切る。男にもなり女にもなって琉球の独立を保とうとする。小さな国が生き伸びていくのは大変な努力が要るのだろう。沖縄がそのまま日本に帰属せずに独立国であったなら、沖縄戦の悲劇はなかったのだろうか。戦後、日本はサンフランシスコ条約で独立したけれど、沖縄は米軍の統治下に置かれた。沖縄は日本から切り捨てられたのだが、革新系の人々も「本土復帰」とか「沖縄返還」を主張した。私はどうして沖縄独立を目指さなかったのかと思う。
沖縄はアメリカ軍の重要な塞となった。基地は産業となり、雇用やサービス業を生み出した。1950年代後期に日本が「戦後は終わった」と工業生産に拍車をかけ、原子力の平和利用に乗り出した時、原子力発電所を受け入れた地域は都会から離れた寒村だった。原発は雇用や新たなサービス業を地域にもたらした。沖縄では基地があることで、日本の片田舎では原発を受け入れることで、豊かな生活を手に入れることができた。高校野球を見ていると、昔は東京や大阪や名古屋といった都会の高校が強かったが、今では都会と地方の差はほとんどなくなってきている。けれども、そうなってみると「豊かさ」とは何かと考えさせられる。
基地なんか要らない。安全とは言えない原発も要らない。みんながそう思うのであれば、基地の要らない社会を、原発に頼らない社会を作ればいい。人間が作り出した社会だから、人間が変えられないはずはない。戦争になったらどうするのか、経済が落ち込んだらどうするのか、そんな心配を口にする人がいるけれど、私は逆に戦争の方がいいのですか、原発の方がいいのですかと言いたい。戦争や原発は無い方がよいと考えるなら、そのために何をするかだと思う。
友だちが話題にしていたので、NHKテレビドラマ『テンペスト』を見た。友だちは有能な同性の働く姿をドラマに見たかったのかも知れないが、龍が出てきて危機を救うなどちょっと非現実で面食らった。『テンペスト』はシェークスピアの戯曲に同名のものがあり、魔法が使われているから、そんなことをヒントに作られたドラマなのだろう。舞台は沖縄がまだ独立した王国であった時代で、中国の清と日本の薩摩藩との狭間でどう進むべきかを巡る王国政府である。初代琉球王朝の流れを汲むという主人公の仲間由紀江は優秀だが女性であるため、国の中枢へ入り込むことができない。そこで宦官と偽って役人になっていく。
清の宦官から、また薩摩の役人から、「いったいどっちなのだ。清の味方なのか薩摩の味方なのか」と詰問されるが、主人公は「どちらでもない。私は琉球派だ」と言い切る。男にもなり女にもなって琉球の独立を保とうとする。小さな国が生き伸びていくのは大変な努力が要るのだろう。沖縄がそのまま日本に帰属せずに独立国であったなら、沖縄戦の悲劇はなかったのだろうか。戦後、日本はサンフランシスコ条約で独立したけれど、沖縄は米軍の統治下に置かれた。沖縄は日本から切り捨てられたのだが、革新系の人々も「本土復帰」とか「沖縄返還」を主張した。私はどうして沖縄独立を目指さなかったのかと思う。
沖縄はアメリカ軍の重要な塞となった。基地は産業となり、雇用やサービス業を生み出した。1950年代後期に日本が「戦後は終わった」と工業生産に拍車をかけ、原子力の平和利用に乗り出した時、原子力発電所を受け入れた地域は都会から離れた寒村だった。原発は雇用や新たなサービス業を地域にもたらした。沖縄では基地があることで、日本の片田舎では原発を受け入れることで、豊かな生活を手に入れることができた。高校野球を見ていると、昔は東京や大阪や名古屋といった都会の高校が強かったが、今では都会と地方の差はほとんどなくなってきている。けれども、そうなってみると「豊かさ」とは何かと考えさせられる。
基地なんか要らない。安全とは言えない原発も要らない。みんながそう思うのであれば、基地の要らない社会を、原発に頼らない社会を作ればいい。人間が作り出した社会だから、人間が変えられないはずはない。戦争になったらどうするのか、経済が落ち込んだらどうするのか、そんな心配を口にする人がいるけれど、私は逆に戦争の方がいいのですか、原発の方がいいのですかと言いたい。戦争や原発は無い方がよいと考えるなら、そのために何をするかだと思う。