友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

バラ園に憧れる

2017年02月04日 17時43分52秒 | Weblog

 「立春」にふさわしく穏やかな一日だった。ルーフバルコニーで15本の鉢植えのバラを育てている。バラは暖かくなる前に剪定する必要がある。これは絶好の機会だと思い、バルコニーへ出た。風はなかったが空気は冷たい。剪定はいつも悩む。思いっきり切ってしまって大丈夫なのかとどうしても迷う。赤い芽が膨らんできているので、どんな風に育つのかを考えながら剪定する。

 植物は子育てよりは易しいだろう。手入れし、肥料を与え、ほどほどに世話をすれば必ずそれだけの見返りがある。それでもかまい過ぎると、根腐れを起こして枯れてしまう。「これだけの鉢があるのだから野菜を育てたら」と言ってくれる人もいるが、冬は風が強くて底冷えになるし夏は日差しが強すぎる。それに私の性格では野菜よりも花の方が向いている。子どもの頃、野菜を育てた経験がないことも気が向かない原因だろう。

 中学の時、我が家の裏にあった畑を父が借りてくれた。そこで私はここをバラ園にしようと思った。小学校へ通う道沿いにバラ園があった。外科の先生の庭で、バラがきれいだった。街を歩くとバラを育てている庭がいくつかあった。洋式の庭づくりが小さな街にも流行ってきていたのだ。私は畑を洋式の庭にしようと企てた。考えてみると、私は洋式への憧れが強い子どもだった。

 時々コメントをくれる「同人」さんが指摘するように、アンバランスを抱えて生きてきたようだ。子どもの頃はとにかく洋式への憧れが強く、読む本も日本のものよりも外国のものを選んでいた。古い日本を否定したかったのに、いつの頃からか日本庭園や日本の民芸品、三味線や祭り拍子が心地よく感じるようになっていた。キリストの言葉に共鳴しながら、仏教は日本で完成したと思うようになった。

 大人しいのに横着であったり、繊細なのに大胆であったり、思いやりがあるようで無かったり、表裏が時々入れ替わる。自分でも自分がよく分からない。悩み続けてもう72歳だ。完璧でなくてもいいじゃ―ないのと開き直るしかない。昨日は「豆まきだよ」って豆を食べ、イワシを焼いて酒の肴にし、北北西に向かって恵方巻を食べた。まあ、こんなものじゃーないのかな。

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