国際交流協会の主催で、アジア保健研修所の活動による、スリランカの2人の話を聞くことが出来た。私が子どもの頃はセイロンと呼ばれていた国で、英国の植民地から独立した後は、民族や宗教の違いから30年近い内乱の時代が続いた。今は建国に総力を挙げているが、中国やアメリカなどの資本が投入されたことからの問題も発生しているようだ。
識字率が極めて高いし、人口の10%は英語が話せるという。高学歴になればなるほど、英語が一般的に使われることも日本よりはるかに顕著のようだ。英国の植民地だったことに由来するのだろうが、民族や宗教の違いで内乱が続いたことの反省からなのかも知れない。みんなが助け合って生きていく、そんな建国の息吹が伝わってくる。
けれども、深刻な問題も多いと言う。政治家や行政、警察までも犯罪組織とつながっていて、麻薬の撲滅が進まないそうだ。麻薬の被害が子どもたちから始まることもあり、スリランカの2人は、寺などで行われている日曜学校で、麻薬に手を出さないように教えていると言う。内乱こそが貧困や暴力の原因であったので、平和への取り組みには特に力を入れているとも話す。
日本が近代化へ大きく前進できたのも、明治政府が教育に力を入れたおかげだが、同時に画一的な価値観を植え付けてしまい、戦争に突入するのを阻止できなかった。みんなが力を合わせることの大切さを共有しながら、個々の自由を認めることは至難のことだが、そうしなければ「本当の豊かさ」にはならないと思う。
大和塾の活動に取り組んできた仲間が8人も集まったので、私は早速「新年会」の日程調整をする。何時まで経っても事務局からは解放されないようだ。