友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

愛知の学生運動を研究する大学生

2019年12月26日 17時38分01秒 | Weblog

 教員時代の同僚から電話があって、「愛知の学生運動について話してやってくれ」と言うので、今日、会って来た。色白でやせ型の真面目そうな大学生だった。卒論が大学の自治をテーマにしていて、「愛知の学生運動について調べているが、資料になるものが見当たらない」と言う。

 60年安保の時は、名古屋でも高校生がデモに参加していたと、実際に参加したことのある先輩のことを話した。70年安保の時は、東京のような街頭闘争はなかったが、それでも労組のデモ参加者は多かったことや自分の学校の生徒も来ていたこと、大学生や労組の青年部はジグザグデモを行っていたことなどを話した。

 愛知の大学自治会は日本共産党の民主青年同盟が主導だった。東京や京都のような60年安保闘争の総括を巡る論争はなかった。民青の反米闘争1本槍に懐疑と不満を抱く者がいたとしても、横のつながりまでにはならなかった。それでも70年安保の時は、街頭を封鎖するような過激な行動はなかったが、大学によっては構内を封鎖する動きがあったと聞いた話を伝えた。

 彼は愛知の学生運動の記録が無いことを不思議に思っていた。東大闘争は何人もが、自分のかかわりを通して思索して書物に残しているが、愛知の学生運動にかかわった人には、「捉えなおそう」というほどの体験も思想的な検討も無かったからだろう。とは言え、私の高校時代からの友だちは、今も社会正義の戦いを続行している。著書もあるから、また彼に見せてあげたい。

 彼が「ご自分の体験を、今はどう思ってみえますか」と聞く。人類は確実に進歩しているが、決して理想社会に到達することはないだろう。だからこそ、一人ひとりが自分の思いを表すことが必要だ。武力や圧力ではなく、論争を繰り返しながら進むことだと思う。そんな話をしたけれど、どんな卒論が出来上がることだろう。楽しみにしたい。

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