小学校5年の男児が同級生6人に、総額20万円を渡した事件は、実のところよく分からない。当然のことだが、将来のある子どもの事件なので、詳細は差し控えたのだろう。分かっているのは今年の8月に、男児が同級生から「お金をもって来ないとのけ者にする」と言われ、500円玉貯金箱から3千円、5千円と持ち出して、ゲームなどで遊んだ。
母親が貯金箱の金が減っているのに気付き、男児に問いただしたところ、「僕から先輩に奢った」と同級生をかばったという報道もあるが、母親は担任に「息子が誰かにたかられている」と相談したという報道もある。学校が子どもたちにどう指導したのか、それがよく分からないが、テレビで取り上げられると、「重大事態」の可能性がある「いじめ」と市教育委員会に報告した。
時系列がどうなっているのかも分からないが、学校は保護者集会を開き、経過を報告し謝罪した。教育委員会は「男児らが一日も早く、元通りの暮らしが出来るようにしたい」と述べた。保護者の前で事件を報告して、果たして元通りの暮らしができるのだろうか。被害者の子どもも、加害者の子どもも、普通の生活に戻れるのだろうか。
加害者の同級生の一部の親は、電話で謝罪したという報道もあるが、電話で済む事件ではない。金銭の弁償も終わっておらず、男児の父親は納得していないという報道もある。金を持ち出した男児は同級生と一緒にゲームをしたり、飲食をしていたという報道もあるから、「遊び」のつもりがエスカレートしてしまったのだろうか。もっと早い段階で気が付いていれば、対処の仕方も変わっていただろう。
男児も同級生も学校に登校しているとの報道もある。何とか小さな目のうちに収まるといいと思う。以前、名古屋の中学生が同級生に5千万円も恐喝された事件があった。首謀者の2人は少年院を出て、また事件を犯した記憶がある。「甘い汁」を忘れさせることが教育だと思う。