国別対抗で順位を争うオリンピックに共感できない私でも、開会式や閉会式の演出には興味がある。映画や演劇や美術など、表現することに関心があるからだ。それに輪をかけて、「TOKYO2020」の開会式は問題が続出だったから、これは観ておかなくてはと思った。
けれど長すぎた。夜7時からのNHKニュースで始まり、終わったら午前0時を過ぎていた。時間がかかったばかりではない。ヤマが無いというか、ダラダラと過ぎていくだけで、何が伝えたいのか、演出の意図が分からない。
橋本会長、バッハ会長のあいさつは長すぎた。天皇の短い開会宣言がいっそう引き立った。式典で良かったのは、聖火リレーの最後に大阪なおみ選手を持って来たことだろう。そして各国選手団の入場行進を見ていて、名前の知らない国があったことも新鮮だった。
それにしても、全員がマスクしているせいか、女性たちは皆きれいだった。アスリートだから足がきれいなのは当然かも知れないが、身体も目も際立ってきれいだった。花嫁衣裳のような旗手の女性はマスク越しながら笑顔がとても美しいかった。
白人や黒人、黄色人によって、国が分かれている訳では無いこともよく分かった。白人の国に黒人の選手が、黒人の国に白人のスタッフがいる。肌の違いなど関係ない。どんどん混ざっていくのは必至だ。混血は美人を生む、それに能力を高める。開会式を眺めながら、そう思った。