友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

人生はままならない

2021年09月04日 17時22分29秒 | Weblog

 テレビを観ていたら、懐かしい歌が聞こえてきた。「友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱 友の情をたずねれば 義のあるところ火をも踏む」。高校を卒業して大学生になり、中学校からの友だち4人でよく居酒屋へ行った。

 まだ、予備校生だった友だちが、どういう訳かみんなを誘った。大学生になった私たちは家庭教師をして金はあったけど、彼は親から金をもらっていたはずで、出来る限り回数を減らしたかったのに、彼はみんなと飲みたがった。

 浪人していることが寂しかったのかも知れない。1浪して地元の大学に入学してからは、家庭教師もしていたから金はあったかも知れないが、この年に我が家は破産し、私は大学の先生の家で家庭教師と運転手を務めることになり、飲み会は無くなっていった。

 居酒屋では、働いていた女の子が、客が食べなかった肴とかビールを差し入れてくれた。私たちは部屋の奥で、同じ中学校の同級生を意識して『同期の桜』を、そしてまた永遠に変わらない友情の証として「友を選ばば」と歌った。

 「六分の侠気四分の熱」の男友だち。何が何でも友を助ける、そんな青臭い友情にしびれていたが、実際の生活では何も出来なかった。あれからもうすぐ60年を迎える。「友を選ばば」の題名は『人を恋うる歌』で、「妻をめとらば才たけて みめ美わしく情ある」で始まる。

 歌詞を眺めていると、漂流する詩人・与謝野鉄幹の願望が見えて来る。作者の嫁、与謝野晶子の「やは肌の熱き血潮に触れも見で さみしからずや道を説く君」の方が実感がある。いずれにしても、人生はままならないものだ。

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