朝、起きると肌寒かったので、セーターを引っ張り出して来て着てみた。暑すぎてすぐ脱いで、長袖の木綿のシャツに着替えた。部屋の温度計を見ても、いつもと変わらないのになぜか鼻がムズムズする。気温の変化にどうして過敏に反応してしまうのだろう。
花粉症が増えたことから、先輩は「人間は進化してきたが、脆弱になった」と言う。「昔はアレルギーの子どもはいなかった。汚いものでも何でも平気で食べた。今は清潔になり過ぎている」とボヤく。そんなことを言われても、歴史を戻すことは不可能だ。
朝日新聞の『悩みのるつぼ』に30代の女性が、「現在結婚10数年。1度も最後までセックスできたことがありません」と悩みを打ち明けていた。「大切にしたいから学生のうちは手を出さない、結婚するまでは手を出さない、と言われ続け、いざ結婚しても、結局できませんでした」と。
「セックスが無い以外は、とても良い関係です。しかし、男女の仲ではありません。セックスのできない夫を男として見ることはできません」「夫に離婚したいと申し出たところ、応じてくれる様子でした」と、離婚すべきかという相談である。
解答者の上野千鶴子さんは、いろいろ試してみればと教え、セックスがしたければ、「これと思う男性に後腐れの無いセックスをお願いすればすむ」と大胆な提案をする。そして、「セックスがなければ夫婦じゃないという呪いから解放された方がいい」と結んでいた。
『ヒトはなぜ助平になったか』(戸川幸夫著)を思い出した。進化した人間は、動物のように種を残す交尾から、男女の快楽を得るセックスへと変化した。そして感情だけでなく、いろんな思いが伴うようになった。相談者の夫は野獣になれない優しい人なのだと思う。