自民党の総裁選挙が告示され、4人が立候補した。岸田氏の出馬宣言、菅首相の不出馬表明、高市氏や河野氏の出馬など、随分と総裁選挙が話題になった。告示の今日、野田氏が加わり、男性2人、女性2人の立候補となり、まるで自民党が大きく様変わりした印象を与えてくれる。
小泉純一郎氏が「自民党をぶっ壊す」と総裁選挙に乗り出した時、自民党嫌いの女性が「自民党も大きく変わるわね」と喜んでいたことを思い出す。「自民党を強化するだけですよ」と私は思っていたが、口に出すことは無かった。
政権政党が長期化するとウミがはびこるようになる。内部から刷新しようとすれば、いかにも革新のように見えてしまう。「ぶっ壊す」こともなく、圧倒的な支持を受けて、自民党政権は更に生き延びた。対抗するはずの野党はなす術もなかった。
「マスコミが連日、自民党総裁選を報じるのはけしからん」と、立憲民主党の幹部が発言していた。今日の朝日新聞の『天声人語』は、「それは野党の低迷を映し出す鏡である。鏡に向かって叫んでも仕方ない」と切り捨てていた。
全くだ。「国会で審議せよ」と負け犬みたいに言うだけでなく、対案を出せと言いたい。どのような国にしていくのか、そのためにどうするか、政策を示さなければ国民も応援しようがない。総裁選で話題作りをして、総選挙を有利に戦いたい自民党と対決するために、野党の存在をキチンと見せて欲しいものだ。