友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

これは美点なのか汚点なのか

2022年08月14日 17時51分14秒 | Weblog

 日本人にとって8月は、77年前を振り返る大事な時期のようだ。とはいえ、1944年生まれの私は戦後の社会しか覚えていない。昭和15年生まれの先輩たちは、B29による空襲を覚えていて、時には街が焼ける様子を語ることもある。

 また、市街地は危ないからと田舎の叔母の家に向かっていた時、「急にグラマンが現れて、機銃掃射を受けたことがある。もう命は無いと思った」、そんな体験も話してくれた。私は地域新聞を出していた時、沖縄戦を体験した人の話を聞いた。

 そんな戦争体験を語れる人も数少なくなっている。戦後に生まれ世代の子どもたちも今や世間の中堅どころになっている。戦争体験世代が減少し、戦争は遠い過去になっている。けれど、戦争について考えたり意見を公表したりすることは出来る。

 「神国日本」、「鬼畜米英」、「ひとりになっても最後まで戦う」と勇ましい国であった日本。戦場では肉弾戦も拒わず、特攻隊や人間魚雷や竹ヤリ隊まで組織し、最後まで総力で戦う決意だった日本。だから沖縄に上陸したアメリカ軍は徹底壊滅戦術を行ってきた。

 ところが8月15日に天皇が、降伏をラジオで流した。皇居前で割腹自殺した軍人はいたが、戦争に導いた軍首脳部や許可した天皇は責任をとって自殺したりすることはなかった。あれだけ「最後まで戦う」と声を上げていた人々も、上陸した米軍に刃を向けることは無かった。

 イスラム教徒なら一人でも自爆テロを行うし、キリスト教徒でも敵討ちに出てしまう人もいる。けれど日本人は、天皇が降伏を受け入れると、戦争の責任を追及することも無く、易々と受け入れてこれに従った。これは美点なのか汚点なのか、78歳になった今も分からない。

 明日から娘たちが我が家にやってくるので、15日と16日はブログを休みます。


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