先輩は借地で野菜を育てていたが、私は野菜を育てたことが無い。野菜に関心が無いから、育てる気にもならない。小さい時からもっぱら、花に関心があった。小学校に通う道沿いに外科病院があり、その庭はバラ園になっていた。
我が家の裏に柿の樹が3本植わっているだけの畑地があった。ほとんど荒れ地と言ってよい土地だったので、中学生になった時、父親に頼んで地主さんから借りてもらった。私はバラ園にしようと、土地を耕し整地した。
5月初めの市原神社のお祭りには、参道にたくさんの屋台が並ぶ。その中に植木を売る店もあって、バラを1本買い、私の庭に植えた。私の小遣いではたくさんのバラを買うことが出来ないことが分かり、いつしかバラ園の夢は消えてしまった。
庭園づくりを職業にする道はないかと思っていた時、大学に造園科があることを図書館にあった『蛍雪時代』で知った。庭園の設計とは何を学ぶんだろうと思い巡らせていたが、母に次いで父も亡くなり夢も消えた。
マンションに住むようになって、友だちが家を建てたので住んでいた、「ルーフバルコニーのある部屋を買わないか」と言ってくれた。時々そのルーフバルコニーの掃除をしたこともあり、願っても無い申し出だった。
建物の屋上で花を育てている洋画を観たことがある。彼はイスを出して、新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。あんな屋上庭園にしようと、鉢を買って来ては花を植えた。それがいつの間にか増え続け、数え切れなくなってしまった。
直径が1メートル近い大きな鉢も5個ある。来年はマンションの外壁修繕が計画されている。屋上の防水工事のためには全ての鉢を撤去しなくてはならない。本気でボチボチ、鉢を無くさなくてはならないが、どうしようかと思い巡らす。
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